大統領選で重要なカギを握るのは無党派層です。この無党派層のグループを英語ではインディペンデント(Independents)または スウィング・ボーター(Swing Voters)と呼びます。
前者は、一定の党派に属せず独立しているいう意味です。最近は、自分の支持党を表明したくない人が便宜的に使う場合もあります。後者は、彼等の投票はどちらにでも揺れるという意味があり、どちらの党にも属さない人達の比喩的用語です。無党派層は他人の意見には左右されない傾向があります。両党の政策を細かく吟味し、個々の政策を個人の利害的観点から慎重に検討した上で結論を出すタイプです。候補者の公約だけで判断せず、過去の実績もある程度しっかり見ている有権者が多いと言われますが、政治に無関心な有権者も多いと思います。また、無党派層は第三党に投票する可能性が高いと言われています。
このような無党派層の多い州でオバマ氏の苦戦が予想されるのがフロリダ〔選任者数29〕、 オハイヨ〔18〕、ペンシルベニア〔20〕の3州です。本日(27日)の『ワシントン・ポスト(WP)』紙と、『ウオール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』はいずれもキュニュピィアックの世論調査によるオバマ氏とロムニー氏の支持率を参照し、フロリダ、オハイヨ、ペンシルベニア3州の無党派州でオバマ氏の支持率が低迷ぎみだと伝えています。それは、ロムニー氏より支持率が低いという意味ではありません。
むしろ、この3つの州ではいずれも、ロムニー氏をリードしています。例えば、WSJの報告によると、フロリダではロムニー氏に対して45%-41%、オハイヨ州では47%-38%、ペンシルベニアで45%-39%、といずれの州もリードしています。若い年代層、黒人、女性、ヒスパニックの有権者の支持率が、ロムニー氏をリードしているためだとWSJは分析しています。また、フロリダでは、58%が不法移民の強制送還停止を支持しているようです。しかし、この3つの州の平均支持率は46%以下で、2008年の支持率をかなり下回る状況であるため、楽観できないということです。選任者数のすべてを獲得する為には、有権者の50%以上の投票率が必要です。
WP紙によると、これらの3州は、大半が大統領の移民政策を支持していますが、オハイヨとペンシルベニアで州では27%がオバマ氏を支持しないと答えています。キューバ系アメリカ人が多く、保守の傾向が強いフロリダ州では22%がオバマを支持しないと答えています。また、このような無党派層が多い州の有権者で、特にオハイヨ、ペンシルベニアの両州で、民主党に属すると言われる層でもわずか5人に1人のみオバマ氏を支持すると報告しています。こういう点が無党派州の特徴です。無党派州の中でも、オバマ寄りとロムニー寄りに分類することも可能であり、ペンシルベニアは過去の記録からオバマ寄りの州と推定されていますが、今回はどのような展開をみせるか現在のところ不明です。この3州は選任者数も他の無党派州より多い点で両氏にとって大事な州であることは確かです。