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重大な転換期を迎えたオバマ政権の医療改革法案

2012 3月29日 寄稿

2010年に制定されたオバマ政権の医療改正法に関する米国最高裁の聴聞が26日から28日までそれぞれ約2時間の設定で開催された。この法案は2014年から施行される予定であるが、2010年共和党議員らにかなりの修正を加えられて署名に至った後もこの法の合法性をめぐり論争が続き、ほぼ足踏み状態になっている。国民に医療保険の加入を義務づけ、「加入しない国民には罰金を科す」とする「強制加入 (Individual mandate)」は合法的であるかどうかがこの聴聞の主要点である。この期間、9名の最高裁判事の聴聞に対し、答弁に応じたのは、オバマ政権を代表する弁護士、最高裁に代表答弁の指名を受けた健康医療保険専門の弁護士、更に26州および個人事業団体を代表する弁護団などである。この期間、多くの抗議活動家が最高裁の前に詰め寄り、この問題の関心度と重要性を改めて浮き彫りにする一方で、法廷は合法性の是非をめぐる論争にひとまず終止符を打つことになりそうである。

米英両首脳によるアフガン撤退宣言

2012年3月14日 寄稿

オバマ大統領は、イギリスの首相ディビッド・キャメロンをホワイトハウスに招待し、両国同盟関係の強さと重要性を再確認する中で、両国の貿易拡大、雇用機会の強化、アフガニスタン撤退問題、シリア、イランの情勢について2国間協議を行ったことを伝えた。3月14日に短時間の合同記者会見を行った両国首脳は、特にアフガニスタン撤退問題について双方の意見を記者らに語った。二国間の親密度を改めてアピールしながら、オバマ大統領は最初に米英両国同盟の重要性について、英国は「これまで世界でも知られる最も偉大で一貫した同盟国の一つである」とし、いい時も悪い時も共に協力して友好を築いていくと同時に、両国および世界の人々の安全と繁栄および自由のために強い同盟関係を維持していくことの方針を強調した。これに応じ、キャメロン首相は、米英の関係は「血族関係の精神である」と述べ、「同盟を単なる便宜と見る国もあるが、英国と米国の同盟は信念である」とし、「両国が会談するときは、お互いに取り組まなければならない真剣な議題がある」と述べた。

両国首脳は、アフガニスタンや他の中東での紛争における軍部使命に関しても、基本的に「全ての人々が潜在的に持つ威厳を信じる」とし、アフガニスタン戦争の本来の目的は、オサマ・ビンラディンとアルカイダの打倒であり、彼らを支持したタリバン政府も弱体化し、この目的を達成した現在、軍隊撤退の移行期である状況が変わることはないとの考えを示した。また、オバマ大統領は、「アフガニスタンは過去10年間、支援される立場であったが、今後は民主的なシステムで国民をリードする立場に移行しなくてはならない」とする見解を明白にした。9,500人の軍隊を派遣し、数百名以上の兵士を戦場で失った英国のキャメロン首相は「アフガニスタンは二度とアルカイダの安全な天国にはならない、我々は完璧なアフガニスタンを建設することはない」と述べ、アフガニスタンの医療、教育、市民の生活水準、安全性は向上したと述べ、今後「莫大な数の外国の軍隊が駐留しなくても、アフガニスタンは自国の安全性を強化する能力がある」との見解を示し、オバマ大統領のアフガニスタン撤退政策に同意している旨をアピールした。

最近動乱が続いているアフガニスタンで、長引く戦争により精神的に異常をきたしている兵士が増えていることが懸念される今日、特に子供や女性を含む16人の市民が米兵に殺害された事件は、米国民に大きな衝撃を与えている。このような状況下で米英首脳による合同記者会見のねらいは、アフガニスタンの撤退政策については両国とも同じ方針であることを一般国民に明白にするためであると思われる。大統領は友好的な関係にあると言われているキャメロン首相の意見を確認したうえで、2014年末の米軍完全撤廃計画は「突然または緊急に変更されることはない」と改めて、米国政府の立場を明白にした。

オバマ政権のアフガン撤退の別の理由は深刻な予算問題も潜んでいるからだと考える。米政府は、9.11後に始まった「テロに対する戦争」において、今日まで2兆ドル以上を費やしているが、その費用は全て借金で賄われている。政府の予算調査機関であるCongressional Research Service が昨年3月29日に公表した資料でも、軍隊勢力をほぼ2倍に増強した2009年から2010年度のアフガニスタンで、米国国防総省の毎月の出費は44億から67億ドルに跳ね上がっている事実を見ても、戦争の費用がいかに膨大であるかを示している。テロ対戦争が米国の財政危機の重大な一因になっていることを無視することはできない。いずれにしても、米英両首脳による合同記者会見はアフガン撤退宣言を意味している。

階級闘争に転じた米国の税制改革問題

  2012年3月7日 寄稿

11月の大統領選挙キャペーンは「階級闘争」の様相に転じている。オバマ大統領が昨年9月から提起している税制改革の中で、赤字財政減少措置として、「100万ドル以上の収入のある金持ちは少なくとも30%の税金を支払うべきだ」との増税案を発表したため、共和党の下院予算委員長であるポール・ライアンが「階級闘争」だと反発したことが発端になっている。最近では、共和党候補者同士の対抗、又はオバマ大統領に対する批判、選挙演説においても頻繁に「階級闘争」のフレイズが目立つようになった。昨年初頭、米国の富豪ウォーレン・バフェットが「金持ちの税金を上げるべきだ」と主張したため、大統領はこれを支持し、今年2月にはバフェットに大統領自由勲章を授与している。そして、米国1%の富豪層と他99%の一般国民との収入の格差を緩和するための付加税を提案した「バフェット・ルール」と呼ばれる税制案を広くアピールするようになった。これに対し、共和党議員は執拗に拒否しているため、オバマ大統領にとっては、この新たな税制改革法案が11月の選挙の重要な経済回復政策として最大の挑戦課題になっている。

米国政府と銀行間の和解策は本格的な救済措置になるか?

投稿:2012年2月10日

オバマ大統領の一般教書演説に思う

投稿:投稿:2012年1月25,27日

米国の憲法改正要求の動き

投稿:2012年1月20日

日米両国で注目が予測される今年の課題 

グローバル・フォーラム投稿:2012年1月5日

ウオール・ストリートから自宅を占拠する運動への展開

投稿:2011年12月11日 

米国アジア太平洋進出の真意とTPP交渉に関する日本への専門家の提案

投稿: 2011年11月25日

ウォール・ストリートを占拠するデモは歴史的革命運動となるか?

投稿:2011年10月16日

米国のアラブ・スプリング現象に見る米国経済の深刻さ

投稿:2011年9月27日 

9・11の10周年特別記念報道企画番組について思う

投稿 2011年9月10日

来年の米国大統領選とドミニオニズム現象に注目

投稿:2011年8月21日

日本のクリーン・エネルギー政策の取り組みに注目

投稿:2011年8月1日

ノルウェーのテロ事件はテロリズム誤認識の風潮に対する警告

投稿:2011年7月25日

オサマ・ビン・ラディンのメール交信が明白にしたアルカイダの衰退

投稿:2011年 7月3日 

近年の食糧価格の高騰に思う

投稿:2011 年6月20日

ギリダラアスの取材した中国の若い世代の理想

投稿: 2011年6月7日

オサマ・ビンラディン殺害に関する法的論点

投稿: 2011年5月23日

メキシコ湾原油流出事件の教訓が生かされていない

2011年4月22日掲載

アラブ諸国に共通する貧富の格差と政治の腐敗 (続編2) 2011年3月3日

アラブ諸国に共通する貧富の格差と政治の腐敗 (続編1)

2011年3月2日掲載

ムバラク氏の辞退は新たな挑戦の始まりだ 

2011年2月13日掲載

見通し不確実なエジプトの民主化運動  

2011 年2月6日掲載

オバマ大統領の一般教書演説を聴いて思う      2011年1月26日掲載

米国の売上税の現状と日本の消費税について 

グルーバル・フォーラム掲載 2011年 1月23日

ウキリークスの刑事責任を問うことができるか?

グローバル・フォーラムに掲載 2010年12月16日

影響力多大なウキリークス問題 

グローバル・フォーラム掲載 2010 年12月2 日

分裂傾向の米議会に歩み寄りの政治を期待する  

グローバル・フォーラム掲載 2010年11月8日

不法移民問題をめぐるアリゾナ州の法的挑戦   グローバル.フォーラム掲載 2010年7月 30日

アメリカは長年移民問題で論争が絶えない国であるが、現在、不法移民の問題で最も白熱した論争が繰りかえされている。アメリカの不法移民の数は1,100万人に達し、大半はメキシコ人であると言われているが、移民法をめぐる連邦政府対アリゾナ州で歴史上かってない戦いが起きている。これは憲法に関わる非常に重要な問題であり、アリゾナ州を支持する側と反対する側との間で激論が展開されている。

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 テロ安全対策は歴史と伝統を誇るスポーツの世界にも影響      グローバル.フォーラム掲載 2010年7月21日

ラクロスと呼ばれるゲームは、12世紀に生まれた伝統的及び歴史的なスポーツである。ラクロスは、現在アメリカ北東部やカナダ東部に存在する6つの部族で構成されたイラコォイ国家と呼ばれるインデアンが発明したゲームとして知られている。世界で最も古いスポーツのひとつであるラクロスは、元来、宗教的及び儀式的由来があるが、近代に至っては、日本でも大学などで多くのチームが試合を行い、ワールドカップ参加など国際的になっているのはご存知の通りである。アメリカではどちらかというとエリート.カレッジに人気があるようだ。(続は下のURLをクリック)

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教室内のラップトップ禁止は時代に逆流か?  グローバル.フォーラム掲載 2010年7月13日

アメリカの大学では10年前から、教室内でのワイヤレス.インターネットのアクセスが大分普及するようになったが、今その逆の現象が起きている。最近、アメリカ各地の大学の教室ではラップトップ使用を禁止する教授が増えてきている。この傾向は2006年頃から既に始まっていたが、最近になってその傾向が顕著になってきた為、マスコミでも注目されるようになった。特に、ここ数年手軽な値段で登場した小型のラップトップ.コンピューターは軽量でどこにでも持ち運べるため、大学のキャンパスでは、数年前から大学の講義をノートにメモする代わりにラップトップにタイプする学生が増えている。しかし、実際は授業中に学校のワイヤレス.インターネットを利用して授業に無関係の情報検索をしたり、オンライン.ショッピングやEメールに没頭し、クラスに出席しながら、授業を要領よくサボっている学生が増えている意外な現実がうきぼりになっている。特に、判例に関するクラス.ディスカッションを重要視するメンフィス大学、ペンシルベニア大学、ジョージタウン大学など法科の学生にこのような問題が多いため、教室内でのラップトップ使用禁止が続出している。(続は下のURLをクリックしてください)

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注目されるティーパーティ運動の実態と今後      グローバル.フォーラム掲載 2010年7月3日

7月4日はアメリカ国民にとって最も大事な歴史的記念日であることは日本の皆様もご存知の通りである。1776年のこの日、アメリカ東部のイギリス13領の植民地が「自分達の政治は自分達で担う」と決意し、英国王ジョージ三世に謀反を起こすことを決意した重大な日である。これにさかのぼる約2年半年前、アメリカ独立の一端に貢献したボストン・ティーパーティは結果的に「謀反」に成功したことになる。現代版ティーパーティのメンバーは、彼らの地域から自分達の声を代弁してくれる議員を支持し、11月の中間選挙に勝利することで「国を彼らの手に取り戻す」謀反をおこそうとしている。

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クリーン.エネルギーに関するアメリカ国民の意識  グローバル.フォーラム掲載:2010年6月25日

世論調査の結果は、時には国民性を反映すると思う事があるが、現在、メキシコ湾の原油漏れ大惨事を経験しているアメリカ国民に対するクリーン. エネルギーに関する最近の世論調査はまさに国民性を物語っている。ここで紹介する世論調査を行った組織は、6月18日に発表した保守系で、データーが正確であることで知られるRasmussen Reportsと、6月24日発表したThe Pew Research Center for the People & the Pressの二つである。The Pew Research Centerは通常PEWと呼ばれ、ワシントンD.Cに拠点を置くシンクタンク. グループであり、保守にもリベラルにも偏らない非営利団体として信憑性が高いことで知られている。

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メキシコ湾原油流出事件に関わるアメリカ国民の苛立ち  グローバル.フォーラム掲載:2010/06/13

今、アメリカは大きなフラストレーションを抱えている。メキシコ湾で起きた爆発及び原油流出事件がこれほどまでアメリカ国民を苛立たせる結果になるとは、50日前には誰も想像できなかったことである。その原因は、一貫性のない情報が氾濫しすぎていること、環境破壊が今後どのように人々の生活に悪影響を与えるのか不明であること、経済被害を受けた人達への補償が明確にされていないこと、連邦政府の法的経済義務限度額が論点になっていること、この論争に伴い、国民への増税につながる結果が懸念されるなど、苛立つ事ばかりが多く明確な指針がないからである。(続は下のURLをクリックしてください)

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メキシコ湾原油流出事件の衝撃について思う   グローバル.フォーラム掲載: 2010年5月30日

4月20日、イギリスの国際石油会社ブリティッシュ.ペトロリアム(BP)がメキシコ湾での海底原油掘削作業中、爆発事故を起こし、多くの被害者を出した事件は深刻な環境及び生態系に影響を及ぼす問題として注目されている。隣接沿岸海域への莫大な原油漏れが懸念され、フロリダは既に緊急事態を宣言した。現在、清掃作業は困難を極め、毎日約800,000リットルの原油が海底から流出しているため、全く進歩が見られないことからアメリカ歴史上最大の環境災害になる恐れが懸念されている。

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アメリカから外国人労働者受け入れ問題について  グローバル.フォーラム掲載:2010年5月30日

当フォーラムでは少子高齢化問題の対策として、経済的及び人道的理由による外国人労働者の受け入れ問題について討議されているようである。4月26日開催の第33政策提言「外国人受入れの展望と課題:第3回政策委員会メモ」は、日本の外国人労働者受け入れ問題について改めて考る機会となった。アメリカ在住日本人の立場からの感想と意見、更にアメリカのメディアが日本の移民政策に抱いている印象などについて述べてみたいと思う。(続は以下のURL)

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オバマ大統領のクリーン.エネルギー開発について思う     グローバル.フォーラム掲載:2010/5/16

オバマ大統領は2008年の選挙運動中、「海底原油掘削は、短期間でガソリンの値段を下げたり、国民の生活を潤すような効果はない。従って、清浄な環境づくりに向けたクリーン エネルギーの開発を推進する努力をする」と述べている。しかし、今年3月30日の演説では「海底原油掘削を拡大する」と宣言した。4月20日に発生したBPの事故は、エネルギー政策で海底原油掘削を強烈に支持する共和党とのバランスを図ろうとするオバマ大統領の党派を超えた政策が皮肉な結果になったといえる。(続は以下のURLから)

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広がるメキシコ湾原油流出の経済的被害     グローバル.フォーラム掲載:2010年5月10日

メキシコ湾原油流出事件が及ぼしている経済的損害は想像以上に深刻である。連邦政府は、事件後直ちにミシシッピー川からフロリダ沿岸までの領域での漁業を当分の間禁止したため、沿岸地域はビジネスのみならず、一般住民にも大きな影響が出ている。数日前には更に、ルイジアナの南西部につながっている沿岸は閉鎖され、当初漁業が禁止されたミシシッピー川領域も解禁が延期された様子である。

レストラン業界は魚介類のメニューが準備できず、通常の営業に支障が生じている。魚介類専門店は一時閉鎖に追いやれ、また、湾岸観光地域ではホテルのキャンセルが相次ぎ、見込み収益が減少している。メキシコ湾から遠方の地域にもその影響は波及している。例えば、フロリダなどでは、品不足のため、海産物の値段が急速に20~30% 高騰し、引き続き値上がりが続いている。あるレストランの経営者は、「現在の不況で既に客が減っているのにこれ以上客を失うわけにはいかないため、メニューの値段を極力抑えるようにしている」と話している。

アメリカ国民が食べている海老、カキ、カニなどの3分の1はルイジアナから出荷されており、特に国内の海老の70% はルイジアナで捕獲されている。ルイジアナの海産物企業の売り上げは年間で24億ドル、ミシシッピーで21億ドルと言われているが、ルイジアナでの魚介類の損失は約2週間で23%に達したと伝えている。この為、損害を受けた海産物業者によるBPへの訴訟が相次いでいる。BP側は訴訟しない個人、業者、又は団体にはそれぞれ5,000ドル支払うと公約しているようである。

皮肉なことに、最大の経済損失に直面しているのはブリティッシュ.ペトロリアム(BP)当事者に他ならない。連邦政府は原油清掃にかかる全ての費用はBPが全額支払うと報道しており、BP側も承知している。清掃にかかる費用は1日60億ドル。ちなみにBPの2009年の利益は400億ドルと言われている。人口が集中している湾岸地域での海底原油掘削作業は厳重な安全対策が必要であるにも関わらず、明らかに、そのような安全基準に技術的な不備があったため起こしたと言えるBPに清掃の全面的責任があるのは当然である。

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アメリカ人定年退職後の海外移住傾向       グローバル.フォーラム掲載:2010年4月14日

4月 14日のU.S News & World Report によると、定年退職後アメリカから海外に移住するアメリカ人が増えているらしい。「アメリカに満足しているか」という質問に対して、イエスと答えた人は2001年には70%、2002年には60%で、当時はまだ大半が満足していた。ところが、2007年には35%まで下がり、2008年にはわずか7%で、歴史上最低の数字を示したと報告している。2009年には少し回復し、20%前後まで取り戻したとしている。

しかし、7,500人中95%が、定年退職後は海外に移住することに肯定的であると報告している。アメリカ政府が海外移住者に支払った社会保険の人口は9年前は385,000人だったが、2008年末は510,000人に増えた。

アメリカ人にとって、海外移住地で最も人気のある場所はカナダである。次ぎにメキシコ、日本、ドイツ、イタリア、イギリス、ギリシャ、フィリッピン、ポルトガル、フランスの順になっており、日本は三番目に人気が高い。定年退職後アメリカから日本に移住した人たちは、おそらく祖先が日本人ではないかと推定されている。

アメリカ政府から社会保険を受け取るこのような日系アメリカ人の日本移住者は、日本の社会保険システムに直接影響を与えることはないが、日本で中高年齢人口が増えることの一端になっているようだ。このような傾向が続けば、日本の住宅や土地の値段及び消費の上昇など、日本経済に何らかの影響を与えるのではないだろうか。

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アメリカ第三党結成の歴史         グローバル.フォーラム掲載: 2010年4月13 日                

1776年アメリカ独立宣言の引き金となったボストン.ティー.パーティは、税金そのものに反対していたのではなく、代表無き税金に反対した点で現在のティー.パーティとは全く質が異なる。今アメリカを騒がしているテーィ.パーティは第三党の結束を目的にしているとの見方があるとしたら、アメリカの政治運動の歴史は似たような傾向を繰りかえしていると言える。

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日本の小子化と移民問題                                   グローバル.フォーラム掲載:April 6,  2010

3月14日付けのワシント.ポストに、日本の小子化が進んでいる問題の経済刺激対策として、技術のない労働者を幅広く受け入れる日本政府の提案に関する日本人の移民への態度について掲載した記事があった。日本を訪問し、政府の指導者や多数の移民にインタービューした記者は、日本人が移民に対して人種偏見を持っているような印象を抱いたことを、文頭に比喩を用いたくだりで書き始め、「日本人は移民を歓迎しない」という趣旨の内容をリポートした。

この記事に対して、日本とアメリカ両方に住んだ経験のあるアメリカ人、又は一般のアメリカ人から多くのコメントが寄せられた。「日本人は移民に対してかなり人種偏見がある」と思っているアメリカ人も多く、単一民族の伝統を維持している日本をうらやましく思っているアメリカ人も沢山いることを示唆した記事を読み、日本の今後の移民受け入れについて改めて考える機会があった。

現在、移民はわずか日本人口の約1%で、ほとんどが技術のある労働者であること、今後、技術のない労働者を大幅に受けいれる政府の方針に対して、都会に住む大半の若い人達は受け入れる気持ちがあるが、年配者には反対する人が多いという点は米国と類似している。しかし、仮に、移民を受け入れず、出産適齢期の女性が頑固に子供を生むことを拒み続ければ、数百年後の日本はどうなるか、そういう深刻な事態を真面目に考える人がどれ位いるのか疑問である。大半の日本人は自分の意見を明確に表現することを避けている傾向があるという気がする。

アメリカが世界最大の経済大国になった要因は移民によるところが大きいという事実を見逃すことはできない。しかし、かなり複雑で深刻な問題が数多く残るアメリカの移民問題を、今後の日本の移民問題とオーバーラップして考える傾向のある私のような在米日本人にとって、ある一面で日本はアメリカの轍を踏んでほしくない、という卒直な気持ちもある。

しかし、日本とアメリカは地理的に大きな違いがある為、アメリカと同じような移民政策が施行されることも、全く同じような移民問題が発生することもないかもしれないが、経済格差が広がるという懸念又は意見は、アメリカも日本も共通している。多種のブログに寄せられた移民の増加に賛成しない日本人の共通するコメントは、移民と日本人との経済闘争、それによる人種差別、それが高じる犯罪の可能性が懸念されているようだ。このような問題はまさにアメリカが歴史上繰りかえしてきた事と同じだ。

更に、こちらのパターンを良く観察すると、生産年齢の移民労働者には両親が一緒に伴うケースも多く、ひどいケースになると、兄弟や姉妹、いとこ、おじやおば、祖父や祖母など親戚が徐々に拡大するケースも多いのだ。いくら生産年齢の移民労働者が増えてもそれに伴って移民の高齢者が増えた場合、プラス.マイナス差し引きゼロの経済構造になる可能性も懸念する必要がある。政府は今後も更に、アメリカ移民政策の比較研究も含め、日本に適合した移民政策を打ち出し、上記に述べたマイナス要素を解消する為に様々な角度から移民問題を検討する必要があるかもしれない。

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ティーパーティの背後にみるアメリカ政治と人種の関連性     グローバル.フォーラム掲載:April 5, 2010

半年位前、元大統領ジミー.カーターは、ティー.パーティはオバマ大統領に対して人種偏見を持っていると誤解を与えるような微妙な発言をし、論議をかもし出したことがある。カーターが言いたかったのは、オバマ大統領が黒人であるという事実に対して、彼らが敵意を表現しているということだった。カーターによると、人種偏見を持たない一般のアメリカ人の認識として「人種偏見を持つ有権者は大抵共和党支持者である」ということである。

共和党が人種偏見を持つ政党かどうかは断言できないが、アメリカの政治と人種の関連性について、現実のアメリカ政治の人種構成をみると単なる偶然とは思えない事実がある。例えば、米国上院議会の場合、2010 年 4月の現在、共和党の黒人議員はひとりもいないが、民主党の黒人議員は1人存在する。下院の場合、共和党の黒人議員はゼロであるのに対して、民主党の黒人議員は38名もいる。歴史的にみても、1900年以降、上院に黒人の共和党議員が存在したのはわずか1人だけであるのに対して、民主党の黒人議員は3名存在した。下院議会の共和党議員はわずか3名であるのに対し、民主党の黒人議員は91名も存在している。事実に基いた数字は、ときには言葉以上に隠された何かを訴える力がある。

ティーパーティの基本的特徴は3つある。⑴ 地域毎にリーダーは存在するが、それぞれ強調する議題は異なり、一人の指導者の下に全国で統一した組織ではない。⑵ 政治的に結束した団体ではない。⑶ メンバーはほとんどが白人であり、オバマ政権の政策を良く理解せず、盲目的に反対しているだけの共和党支持者である。

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オバマ大統領はナイーブなイメージを払拭したか?     グローバル.フォーラム掲載:Mar. 31, 2010

アメリカ人は一般的に、特に欧米諸国からナイーブな国民だと見られているようです。アメリカの政界で「ナイーブ」という言葉が使われるときも世間しらず、青二才というニュアンスが強いようです。多分、日本の指導者の「ナイーブ」さも例外ではないかも知れません。

医療保険改正法案が通過する以前までは、ティー.パーティのメンバーに散々「独裁者」と呼ばれたオバマ大統領さえ、西洋諸国の首脳陣及び国内の政敵に「ナイーブ」と批判されているくらいです。例えば、昨年9月に会談したフランス大統領のニコラ.サコジィはオバマは信じれないくらい「ナイーブ」だという印象を持っています。アメリカが自由世界の西側諸国をリードするというより、リードされるんじゃないか、といような危惧を抱いたようです。

また、2008年11月の大統領選で共和党の候補だったジョン.マケインはベトナム戦争で、捕虜兵として拷問を受け生き延びてきた経験があるだけに、オバマを非常に「ナイーブ」だと思っている一人です。特に、テロリスト容疑者を拘留しているキューバのグアンタナモ湾の海軍基地刑務所を閉鎖するという、オバマのテロリズム政策や中東政策を避難する際、この「ナイーブ」という表現がよく使われるようです。自分自身が拷問で苦しんだ経験がありながら、ある程度の拷問は取り調べを強化する意味で必要だ、と主張しているマケインは、大統領就任後「アメリカは拷問はしない」と宣言したオバマのテロ政策は「ナイーブ」だと批判しているわけです。

しかし、オバマ大統領は、彼自身が最優先すべき国内政策で打ち出していた医療保険改正法案を通過させることに成功しました。他国に与えている 彼の「ナイーブ」なイメージを払拭する、という秘められた強い意思があったのだと思います。これは日本の「ナイーブ」な政治家が学ぶ点だと思います。

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ティーパーティは正真正銘の草の根運動?     グローバル.フォーラム掲載: Mar. 23, 2010

ティーパーティは正真正銘の草の根運動と見る人もいるようですが、オバマ大統領に対する露骨なプラカードのサインや人種偏見的悪態をみていると、怒鳴っているだけの一連の抗議デモ集団であり、正統派のプロテストとは思えません。

元来、自由市場主義を唱えるドンゴーと名乗るグループの創設者がティーパーティを組織し、抗議運動を先導したとのこと。他の主な責任者も全て、多数存在する何らかの保守派組織に属し、ブログを利用し、参加をよびかけているようです。参加者は圧倒的に共和党を支持している保守派の白人グループです。2月17日に発表したCNNの調査によると、ティーパーティ抗議デモの参加者は60%が男性、75%は大卒、80以上が共和党支持者だとしています。

ティー.パーティは基本的に自由貿易、税金削除、規制緩和、及び個人の自由を奨励しているグループで、これは、共和党が掲げる政策に一致します。保守派は税金と政府の権限が増すことを最も嫌っています。ご指摘のように、彼らの目的は、オバマの経済刺激対策案、税金の上昇、金融界への経済援助、政府の干渉、医療保険改正に反対することで、アメリカ国民に彼らの意図を流布することだと思います。しかし、大抵の参加者は、オバマの景気刺激対策案の40%は税金削減につながっている、ということを知らず、税金のしくみさえ良く分かっていない人達だという批判もあります。

医療保険改正案については、“この課題に取り組む最後の大統領になる”というオバマ大統領の強い決心どおり、無事下院を通過したようですが、今後の政治的動向が気になるところです。CNNの世論調査によると、ティーパーティは第三党の成立を目指すことにかなり肯定的でサラ.ペイリンも第三党が必要だと主張している味方もあります。「大統領としての資質については問題があると見られている」という見解は、全くその通りだと思います。