ロー対ウェイド判決から今日で40年  

25日更新:図表添付

1973年1月22日は、米国最高裁が歴史上最も論争的な決定を下した日である。ロー対ウェイド判決は、米国憲法改正法第十四条で保障している女性に妊娠中絶の権利を支持したものである。米国最高裁は、テキサス州の貧しい未婚女性ジェーン.ロー(本名:ノーマ. マクコーヴェイ)に対して、妊娠中絶を禁じたテキサス州の判決は非合法であるとして画期的な決定を下した。

プロテスタントやカソリック教会の信者、宗教団体、さらに保守派の著名な政治家は、歴史的にロー対ウェイド判決に猛烈な反対をしている。多くの宗教関係者はモラルを強調し、「中絶は殺人行為である」と主張しているため、プロライフ(生命尊重)を推進し、あらゆる手段を使って中絶を阻止する努力をする。若い女性が内密に妊娠テストや相談を受けている施設が全米のいたるところに存在するが、駆け込んだ若い女性は、中絶しないよう熱心に説得される。しかし、 辛らつなケースでは、中絶を実施する産婦人科クリニック又は施設が襲撃されたり、建物を破壊されたり、医師が銃殺されるなどの暴力行為が、これまで30年間にかなりの頻度で発生した。

このような反中絶運動はロー対ウェイド判例後から始まり、1990年代にピークを迎えた。2000年には過激な暴力は低下したが、ロー対ウェイド判決の撤廃運動は現在でも盛んに行われている。更に、わずか1箇所しか中絶クリニックを設置していない州は、ノース.ダコタ、サウス.ダコタ、アーカンソー、ミシシッピーである。これらは中絶に反対する保守派の人口層が圧倒的に多い州である。医療機関が中絶関与の拒否を認めているのは46州ある。中絶する前に、女性にカウンセリングを要求している州は35も存在する。(下記図表参照:資料 USA Today )

昨年は、中絶問題の論争が再度台頭し、特に11月の選挙前は避妊、 中絶問題で女性が攻撃された年であった。共和党大統領候補であったミット.ロムニーと副大統領候補のポール.ライアンはレイプによる妊娠中絶を除く全ての中絶に反対していた。レイプで妊娠した女性の中絶について、激しい論争が展開された大統領選挙前、ミズリー州の共和党上院議員候補であったトッド.エイケンは「 本当のレイプなら、女性の体は自動的にシャット.ダウン(機能停止)する」と述べ、レイプで妊娠した場合、本人にその意思があるからだと言わんばかりの、屈辱的な発言をした。また、カリフォルニア州オレンジ.カウンティの判事、デレック.ジョンソンは「私は産婦人科医ではないが、言わせてもらえば、性交を望んでいない限り、体はシャット.ダウンする。かなりのダメージを与えていない限り、妊娠はしないはずである」と同じようなことを述べたため、「女性に対する戦争」として、多くの女性が反発した。

1月16日のピュー.リサーチ.センターによると、約1,500のサンプルによる世論調査の結果、今日で40年目を迎えるロー対ウェイド判決を完全に覆すことを望まない率は63%で、望むと回答した29%をはるかに超過した。支持する率は1992年の60%、2003年の62%と、極端な上昇傾向ではないが、中絶を合法化したこの判例の維持を望む国民が大半で、 宗教の影響力が強い米国で、中絶に厳しい風潮がある割には一般の国民はプロチョイス(中絶権利擁護)の傾向があることを示唆した。一方、本日の『NBCニュース』の世論調査によると、 中絶を支持するプロチョイス派の率は54%、反対するプロライフ派は44%で、依然として中絶の問題は国を二分していることが判明している。

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