昨年の選挙キャンペーン中、ミット.ロムニーの47%発言のビデオ公開はロムニーのイメージに壊滅的な打撃を与え、結局、選挙に多大な悪影響を及ぼした。昨夜、このビデオを作成し、メディアに提供した人物が闇から姿を現した。
昨年9月中旬から公開され始めた、その致命的なビデオの発言内容は「47%のアメリカ人は、何があっても大統領に投票します。いいでしょう。47%の国民は大統領についています。彼らは政府に依存し、自分たちが被害者だと思っています。彼らの面倒をみてくれるのは政府の責任だと思っています。彼らは医療保険、食物、住宅、その他の受益資格があると思っています。政府はそれを彼らに与えるべきだと思っているので、何があっても大統領に投票するでしょう。私の仕事は、こういう人たちを心配することではありません」と、秘密の個人資金活動に参加した支持者に語っている様子が暴露された。
秘密であったはずのこの会話、一体、どこでだれがこのビデオを作成したのか?ビデオ公開から半年が経過した昨日の13日夜半、初めて、この秘密の会話をビデオに録画した人物が、MSNBCのベテラン.ニュースキャスター、エド.ショルツの独占インタビューに登場した。彼の名は、スコット.プロウティ。当時フロリダでバーテンダーをしていた38歳の男性である。プロウティは、フロリダのケータリング会社に勤務し、昨年5月17日、フロリダのボカ.ラトン市のレストランでロムニーの資金集めの食事会で給仕し、持参したカメラでこの場面を録画した。 一人当たり50,000ドルの豪華な食事会に参加できない人たちは、実際ロムニー候補が何を考えているのか知る権利があると思ったとインタビューで語った。
しかし、プロウティはこのビデオを公開するつもりはなかったという。レストランにカメラを持参したのは、別の機会でビル.クリントンに給仕したとき写真を撮影したので、ロムニー氏が給仕者らと写真撮影したいときの万一に備えてカメラを持参した。ロムニーに妬みがあってレストランに行ったわけではないと語った。公開した場合リスクが伴うこと、失業するかもしれないこと、雇用主に迷惑をかけるかもしれないこと、告訴されるかもしれないことなど、色々心配したことを語った。ビデオを見た後、公開するべきかどうか悩み、数週間眠れない夜が続いたという。ある日、自分を 「臆病者」と思い、其の後「やるぞ」と決めたら後を振り向かなかったと語った。また、ロムニーは一般のアメリカ人の日常生活がどんなものか考えにもおよばないだろう。これを公開するのは自分の義務だと感じたと述べた。更に、工場を購入するため中国を旅行する予定がある事や、 中国の工場の生活環境は混雑していてひどいというロムニーの話に悩まされ、ネットでリサーチした際、ディビット.コーン の記事でベイン.キャピタルの中国投資に関する記事を読んだ。その後、プロウティはそのビデオが広範に報道されることを願ってあるメディアに提供した 。
編集していない全内容のビデオを入手したのはディビット.コーンである。彼ははマザー.ジョンズの編集長およびネイション誌の編集者であり、フォックス.ニュース、MSNBC、NPR、ABC.ニュースなど多種のメディアに頻繁に登場する政治ジャーナリストである。プロウティから電話を受けたコーンは、最初、本名を告げることをためらっていた本人を説得し、電話の相手が誰であるかを明確にすることに成功した。プロウティは、自分の名前が公開された場合のインパクトを恐れて、ビデオ提供は匿名を条件にすること、ロムニーの声だけ、ロムニーが話している内容だけに焦点をあてることなどの要望を語った。更に、自分は政治的には中立であるが、民主党に投票することもあり、政治に関心を持っていること、ロムニーを陥れるためではなく、カメラを持参して、たまたまその場に居たことなどを語った。
其の後、二人は密かに面談する機会もあった。彼らは、フロリダ州は個人の会話を録音する場合は双方の同意が必要であることを法で定めているため、無断ビデオの作成者は、無断で公開した場合、民事法で告訴される危険性があること、プロウティの身元が暴露される可能性が高いこと、特に選挙中は右派のターゲットになることなどを話しあった。コーンは、プロウティにビデオを作成した衝撃から、破滅の人生で終ってほしくないこと、将来の可能性についても色々アドバイスし、最後まで本人の名前を公開せず支持し続けた。しかし、このまま長年プロウティを闇に葬るか、それとも明日公表するかどうか、無名の一個人がこのような秘密を背負って生きることがどんなものなのか毎日考えたという。遂に、本人が「ビデオの背後にいたのは自分である」とテレビ.カメラの前に姿を現したとき、お金のためではなく社会正義の為であり、 前代未聞の行動であるとプロウティの勇気を最も称えた人物はコーンであった。
今日、47%発言に反応したフロリダの共和党上院議員マルコ.ルビオは、ほとんどの米国人は勤勉な納税者で、毎日勤務し、期限までにローンを払い、地域でのボランティア活動に参加していると、ロムニーの発言を穏やかに攻撃する含みのあるコメントをした。プロウティが提供したビデオは,実質的にロムニーの政治生命を奪い、選挙に著しいインパクトを与えたことは多数が同意している。ロムニーの体験は「口は災いのもと」を文字通り教えている。