オバマ氏は来週の予算交渉で、メディケアや社会保障の大幅な削減と過去に提案していた増税プランよりかなり抑えた増税要求の提案を発表する予定である。これまで、支出削減と増税により1.8兆ドルの赤字削減を減少させることを目指していた従来の理想とはかなりかけ離れた妥協案である。過去4年間そうであったように、結局オバマ氏が譲渡する格好になっている。連邦政府の負債と大幅な支出削減を緩和する方法として、共和党の同意を望むオバマ氏のギリギリの譲渡であると思われる。
このようなエンタイトルメントの削減をオバマ氏が望んでいるわけではないが、増税に反対し、メディケアや社会保障の大幅な削減を主張する共和党は、それに反対する民主党が、共和党の予算案は、富裕層を増税から保護して弱者の受益を奪う「人質」のようなものであると批判していることに憤慨しているためである。このような行き詰まった状態を解消するため、オバマ氏が大幅に妥協している印象があるが、民主党は社会保障の削減に激しく抵抗している。
オバマ氏の社会保障に関する提案は、主に連鎖式消費者物価指数(CCPI)による計算方法であり、これを導入すると、受益者の受給額が減少することが推定されている。しかし、その分の歳入が見込めるため、これは「共和党が望んでいる重要な妥協案」であると言われている。総体的にはオバマ氏の予算案は際立った変化であり、早急な解決を望むあせりもあると思われる。なぜなら、予算問題の他にも重要な課題である包括的な銃規制や移民改正法など、制定しなくてはならない議題があるためである。今年からオバマ氏は多くの共和党議員らと個人的な食事や会話の機会を通して、彼らの意見も尊重する努力をしていると思われる。
あいにく、オバマ氏の提案にたいして、専門家は予算のバランスがとれていないと指摘している。また、民主党内部から反対されているばかりでなく、国民も同意していない。 4月 5日の『ナショナル.ジャーナル』によると、米国退職者協会(AARP)の新たな世論調査は、投票率の高い50歳から66歳までの有権者の800人中2/3は、社会保障のCCPI計算方法に反対している。赤字削減のため、社会保障の受益を削減する案には50歳以上の米国民の84%が反対し、73%がCCPI計算方法の提案を拒否している。
社会保障削減が赤字を減少させるためであるならこの妥協案は、現時点では正当であるとは言えない。なぜなら、社会保障税は、連邦政府の赤字とは一切無関係の別途ファンド預金システムであり、少なくとも今後2〜30年間は影響を受けないことが専門家の計算により推定されている。これを、重要な妥協案として望んでいる共和党議員は2014年の両院議会選挙に影響を及ぼす可能性がある。また、オバマ氏に投票した有権者は、オバマ氏が公約を破ったとして、かなり失望することは必然であり、この世論調査の結果はそれを予測している。