深まるシリア政府に対する 疑惑と怒り

シリア政府は、昨日国連の化学兵器専門家らがダマスカス郊外の毒ガス被害現場を訪問することを認可した。しかし、5日間も待たされたため証拠は隠滅されたとの疑いが出ている。更に、国連査察団の車がスナイパーに射撃された事などの状況から、米国政府は、シリア政府が化学兵器で罪のない市民を殺害したことを否定する余地はないと公表した。

今日短い声明を発表した国務長官のジョン.ケリー氏は、シリアの化学兵器使用は「否定できない」とし、シリアで先週目撃されたことは「世界の良心に衝撃を与えた」と語った。また「無実の傍観者であった女性や子供を化学兵器で殺害した民間人に対する無差別虐殺は道徳規約に反している」と強い憤りを表明した。

1988年にサダム.フセインの勢力が毒ガスで数千人のイラク.クルド人を殺害して以来、25年ぶりの大規模な化学兵器で市民を殺戮し、シリア政府はその証拠を隠滅したという疑いが濃くなっている。潔白であるなら、査察団が調査を要請した時、どうして即時に許可しなかったのかという疑問があるからである。「訪問は遅かった」というのが米国や同盟国が抱いた印象である。しかし、シリア当局は、どのような形態の化学兵器も所有していないとし「テロリスト攻撃」であると主張している。

そのようなシリア政府に対する罰は軍事行動であるとする声が高くなっている。 26日の『ロイター通信』によると、オバマ氏は、政府上層部との会談および英国の首相デビッド.キャメロンとの電話対談を通して、万一の場合のシリア攻撃の準備を始めているようである。NATOは巡航ミサイルを使うことを検討している。米国国防長官のチャック.ヘーゲルはどのような作戦も同盟国と調整することを強調し、米国はシリアの状況に関して可能な全てのオプションを検討しているようである。

現地入りした国連の査察官は、現地の医者と行動を共にしていて、生存している被害者からサンプルを採集しているという。また、遺体からもサンプルを採集する予定もあるという。しかし、昨日国連チームの査察団の車が攻撃されたが、幸い、メンバーは誰も負傷しなかったという。反乱軍が所持するムアダミィア地域からの電話で医者がロイターに語ったところによると、国連査察チームの車はアサド勢力が支配する首都中心からフロントラインを越えたため、未確認のスナイパーに査察団の車が射撃されたという。この地域では少なくとも80名の市民が殺害され、地元の人達は査察団に悲しみを表現していると伝えられた。

シリア制裁の意見が色濃くなっているオマバ政権で様々なオプションが検討されているようである。国連と同盟国による制裁は、武器を売ることでシリアと利害関係があり、国連の常任理事国であるロシアがシリアへの攻撃に対して拒否権を発動することは明らかである。 NATOは巡航ミサイルを使うことを提案しているようであるが、 バッシャール.アサドをどのように罰するか不明である。 ミサイルを発射して、アサドを護衛する軍隊や軍事施設を攻撃する場合、どのような方法で事前にシリアの市民を保護できるのか一般の国民には想像し難い問題である。米国上層部の一連の発言は、米国が何らかの形でシリアを制裁する準備があることを示唆していて、シリア政府に対する疑惑と怒りは深まっている。

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