移民改正法案と米国国土安全保障省

18日、オバマ大統領は、今年早期に辞退を表明した米国国土安全保障省の現役長官ジャネット.ナポリターノ氏の後継者として、次期長官にジェイ.ジョンソン氏を指名したことを発表した。 DHSは米国の行政機関で3番目に大きな組織であり、移民問題から緊急事態に至まで市民の安全と保護に関する広範な業務を担当する最も重要な行政機関のひとつである。

ジョンソン氏はコロンビア大学法学部を卒業し、アメリカの民事及び刑事法の弁護士であり、2009年から2012年まで国防省の弁護士として活躍した人物である。オバマ氏は年末までに移民改正法案を通過させたい意向を表明しているが、ジョンソン氏は米国国土安全保障省(DHS)の管轄下にある移民問題には経験がないが、対テロリズム、国境整備などの国土安全保障の分野で経験を持つ人物である。従って、移民問題では共和党が最も重視している国境整備に関して最適な人物であると思われる。上院委員会の聴聞会で承認された後に正式な任命を受けるはずである。

DHSは2001年9月11日に発生した同時多発テロに反応して、当時のブッシュ政権下で、多くの行政機関を統合して2002年11月25日に制定された比較的新しい組織であり、200,000人以上の労働者を抱え、現行の政権で3番目に大きい。最大の行政機関は国防省であり、次に米国退役軍人省がある。統合前は、移民局は移民及び税関法務執行部門である財務省の管轄と市民権及び移民サービスである司法省の2つに分割され、後者には国境警備などの部署が含まれていた。しかし、これらは2003年にDHSの管轄下に統合された。また、1797年に当時の大統領であったジミー.カーター氏の大統領令により制定された連邦緊急事態管理庁(FEMA)も同年3月には DHSの管轄下で統合された。

2002年11月25日にDHS下に統括された一部の省とその局又はプログラムは(1)財務省の米国シークレットサービス、税関サービス、連邦法務執行訓練センター、(2)司法省の移民と帰化サービス、国内準備局、国内緊急支持チーム(3)交通省の米国湾岸警備、交通局の交通安全(4)FBIの国内準備局、インフラ保護センター(5)エネルギー省の核兵器事故対応局、エネルギー安全確認プログラム、環境措置実験所、科学.生物.放射線.核兵器(CBRN)対抗プログラム(6)国防省の国土生物兵器戦闘防衛分析センター、国土通信システム(7)農務省の動物および植物保健検査サービス(8)米国保健福祉省の国家災害医療システム(9)一般行政サービスの連邦保護サービス、連邦コンピューター事故対応センターなどがある。従ってDHSは、2003年に統括された移民局やFEMAなどを含めて、10以上の省および20以上の局での業務がDHSの管轄になった広範な行政組織である。

現在オバマ氏が押し進めたい議題は移民法案である。移民問題を語る時、不法移民に市民権の道を開くことと、国境の安全を確実にすることを切り離して考える必要がない理由は、これらがDHS の管轄であるからである。故に、民主党でコントロールされる上院議会は6月27日、寛大な予算を組み入れることで、最も重要な市民権と国境整備の問題を統合した一つの包括的移民改正法案を68 対 32の票差で通過させた。しかし、共和党がコントロールする下院議会では、予算が多大であること、市民権を不法移民に与えることが論争的であることなどの理由で、段階的に取り組むと主張している。実際には、協議さえ行われていないが、オバマ氏は、今年中に下院が協議し、通過させることを希望している。国境整備問題には強く、移民問題には経験がないと言われるジョンソン氏がDHS の長官として任命されるかどうか、また任命された場合、オバマ氏が推進したい移民改正法にどのような影響があるか注目される。

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