昨日の知事選および市長選は、米国の将来、特に2014年の知事選と議会選挙、および2016年の大統領選を予測する選挙として著しく注目された。 ニュージャージとバージニアの知事選、更に、市長選の中でも特に関心を集めたニューヨークの選挙の投票結果は何を意味しているのか?
ニュージャージ州の知事選で圧倒的な支持を受けて再選したクリス.クリスティ氏は、大統領候補としても様々な角度から注目を浴びている。 幅広い層に支持されている理由の一つは、10月中旬には同州の有権者の大半が支持している同性結婚の合法化を認め、有給病欠法案を通過させ、また不法移民の学生が市民と同じ授業料を支払うことを許可する法案も考慮しているなど穏健的な政策を打ち出していることも一因である。又、ニュージャージ州は昨日の国民投票で、最低賃金を$7.25から$8.25に上げる法案に60%が賛成(40%が反対)したため、クリスティ氏が二期目の知事として、最初に著名する法案の一つになるはずである。
6日のワシントン.ポスト によるとニュージャージ州の知事選は、1985年以来最も高い支持率であったという。大多数の無党派層に支持されただけではなく「平均的な大統領より人気があり」黒人、ヒスパニック、女性、民主党支持者からの票も獲得した。女性の中絶問題では保守的であるクリスティ氏が50%以上の女性の支持を得たと言われている。昨夜のスピーチでワシントン議会の機能不全を指摘した点で2016年の大統領選を意識している印象がある。共和党の最も顕著な候補になると言われているが、民主党からヒラリー.クリントン氏が大統領候補として出馬した場合、苦戦する可能性がある。
バージニア州の知事選でわずか2.5%の票差で当選した民主党のテリー.マコーリフ氏は、州政府の政治家としての経験がないため共和党議員の挑戦に直面する可能性があると言われている。選挙キャンペーンではメディケイドの拡大、教育や科学研究の投資、気候変動に対応するためのクリーン.エネルギーの政策を掲げている。マコーリフ氏の当選は、アフォーダブル.ケア.アク(ACA、またはオバマケア)に激しく反対したティーパーティ議員のケン.クチュネリ氏より、オバアケアの拡大部分であるメディケイドの拡大を公約したマコーリフ氏が当選したことが注目されている。なぜなら、ティーパーティの背後にいるコーク兄弟 は、2016年まではメディケイド拡大のコストを連邦政府が100%負担し、2016年以降は州が10%程度負担するというACA政策に猛烈に反対しているからである。マコーリフ氏がメディケイドの拡大を政策に掲げていたことでバージニアの選挙もターゲットになっていた。従って、予想以上に接戦であったバージニアの知事選は油断禁物であると警告したオバマ氏の見解は正解である。しかし、結局、バージニア市民は極右的な政治を拒否し、ティーパーティは試されたとの意見もある。
圧倒的な勝利でニューヨーク市長に当選した民主党のビル.デ. ブラジオ氏は1961年にマンハッタンで生まれ、ニューヨーク大学卒業後、コロンビア大学で国際関係の修士学を得た元ニューヨーク市委員会のメンバーである。デ. ブラジオ氏の妻は1954生まれの黒人で、詩人、編集者、通信関係の専門家である。従ってデ. ブラジオ氏の市長選挙では黒人の支持率が95% あっても不思議ではない。ヒスパニックの支持率も高く 85%であったが、白人の支持率も52% と高い。デ. ブラジオ氏は当選後の挨拶で述べたようにニューヨーク市民は「進歩的な道のりを選んだ」ことになる 。
デ. ブラジオ氏は当選後の演説で、現在ニューヨークで問題になっているストップ&フリスク慣行に言及し、地域の安全強化は重要であるとしながらも、個人の自由と尊厳を守ることを強調した。おそらく、この慣行を破棄または改正する政策を打ち出すと思われる。また、過去20年間で貧困率が45%以上高くなっているニューヨークの経済格差に取り組む事は簡単なことではないと述べた。近年、ファーストフード.レストランの労働者が最低賃金の引き上げ運動を促進しているため、デ. ブラジオ氏のリーダーシップの下に最低賃金の引き上げ法案を提起する可能性はある。デ. ブラジオ氏は様々なニューヨークでの挑戦課題に直面する可能性が高い。
この3つの地域の選挙結果は、2014年の議会選挙に重要なヒントを与えている。ニュージャージ州の知事選では、ナンセンスな失敗を回避することに努力するクリスティ氏が政治家として信頼されている。党派に関係なく多くの側面で穏健派の政治家が受け入れやすいことを暗示している。バージニアの知事選ではティーパーティ議員への教訓を示唆している。マコーリフ氏が当選したことは、同州の各地で強烈なオバアケア反対運動を開始したティーパーティに後援されていたクチュネリ氏よりマコーリフ氏が当選したことは劇的である。キャンペーンの応援に参加したオバマ氏や副大統領およびクリントン両氏が、極右派と共和党の政府閉鎖の戦略が国民の生活を脅かしたと訴えたスピーチに効力があったとも言える。また、ニューヨークの市長選では、20年ぶりに圧倒的な票差で民主党の市長が誕生したことは変化を有権者が強く望んでいる証拠である。総体的には、今回の選挙は連邦政府の閉鎖による国民の真理を直接反映した結果であり、2014年の議会および 知事選では共和党は苦戦する可能性がある事を示唆している。