下院議長ベイナー氏移民法案に本気で着手?

下院議長ジョン.ベイナー氏は昨日、超党派政策センターのディレクターであるレベッカ.タレント氏を雇ったと発表した。タレント氏は移民法の専門家として知られている為、 移民法案を共和党と共に協議し、アイディアの提案や起草を依頼したものと解釈することが可能である。ベイナー氏の発表はほとんど具体的な説明がなかったため憶測が広がっているが、下院議会が移民法に乗り出したと思える要因は幾つかある。

移民改正法案を数回起草し、移民問題の専門家である超党派の政策センターのディレクターを「雇った」とのベイナー氏の公表は、下院議会が今年、移民改正法案に取り組むことを暗示したものかどうか不明である。しかし、タレント氏は1985年以降移民問題の専門家であり、2008年、共和党大統領候補の上院共和党議員ジョン.マケイン氏の政策顧問であった。また、偶然にも上院が6月に通過した包括的移民改正法案の主な起草者の一人であったマケイン氏のアドバイザーでもあった。従って、下院で移民法に取り組むには有力な人物であると期待されている。しかし今日、移民反対論者はタレント氏を雇ったとのベイナー氏の決断に失望を表明している。基本的に、彼らが一番恐れている不法移民に市民権の道を開く提案については共和党内で激しく対立しているためである。

ウォール.ストリート.ジャーナル によると、タレント氏は今日からベイナー氏の政策メンバーと仕事に取り組むことになっているという。これはベイナー氏が移民法に真剣に取り組むことを示唆している可能性が高いと評価している。ベイナー氏のスポークスマンであるマイケル.スティール氏は「一段階ずつ常識的なアメリカ人が理解し支持する類いの移民改正法案を制定できることを希望している」とコメントし、タレント氏は公共政策の分野で良く知られた専門家であり「我々のチームに偉大」な付加価値があると述べている。

また、ワシントン.タイムスによると、不法移民を追放したい人達は、ベイナー氏がタレント氏を雇うことで下院共和党は不法移民への「恩赦(市民権を与える事)を考え始めた」との印象を抱いているという。移民研究センターの理事マーク.クリコリアン氏は、タレント氏を使うということは下院が恩赦を推し進めたい意志があることを示唆していると述べている。しかし、「ベイナー氏は移民論争の鍵を握っている」人物であるが、移民の権利を主張する活動家と、国境の更なる安全が確実になるまで移民法の制定を望んでいない下院共和党との両方から著しい圧力を受けていると指摘している。ベイナー氏が不法移民に市民権を与える法案を通過させた場合、彼の議長としての立場を「危険に晒す」と警告している。

いずれにしても、ベイナー氏の最近のエピソードも含めた幾つかの要因から判断すると、この発表は下院議会での法案の取り組みは不可避の状況になっていることを示唆している。11月13日には、ワシントンD.Cの何処かのレストランで二人の10代の女子に移民法案を通過させるよう要請され、検討していると語ったビデオが全国的に紹介された。その会話は記録として残っているため何らかの心理的プレッシャーがあると思われる。また、11月25日、オバマ氏は、サンフランシスコのチャイナタウンでの集会で下院共和党は段階的な移民法案を考慮し、下院議長ベイナー氏は移民改正法の必要性を認めていると語り、ベイナー氏にメッセージを送っている。オバア氏は、下院の段階的な移民法案が最終的に全て必要な条件を満たしているのであれば受け入れると公約したことも下院共和党にとってある程度取り組みやすい環境になっている。

最も重要な政治的要因として、2014年の中間選挙の戦いはすでに始まっている為、年内に着手することは正解である。共和党の移民法支持者は、今年移民改正法に取り組まない場合、少数派およびヒスパニックの支持を失うと懸念している。既に半年前から民主党が下院で過半数の議席を獲得するとの予測もあり、10月の政府閉鎖はさらにその展望性に拍車をかけている。また、2012年の大統領選挙ではオバア氏がヒスパニック系の高い支持率を獲得して当選したためベイナー氏を含む共和党の主なメンバーは、移民法案の制定の必要性を十分理解していると言われている。

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