アメリカ心理学会(APA)は銃の暴力を減少させるため、また、米国憲法修正第二条の権利を阻害しない方法として、公衆保健に基づく広範なアプローチが重要であるとの研究結果を公表した。ホワイトハウスは、精神保健サービスとそのアクセスを拡大するため予算の割当を発表した。米国で絶えない銃乱射事件および銃の悲劇を減少させるための努力は、単なる銃規制を越えた視点から推進されているが、これが実現するかどうか不明である。
12日のニューヨーク.タイムスによると、APAは米国憲法修正第二条の権利を著しく縮小させることなく銃の暴力を減少させるため公衆保健問題として取り組むことが可能であると発表した。潜在的な襲撃者に焦点をあてることより、喫煙、飲酒運転などの公衆保健問題に焦点をあてることであると提案した。この研究チームは、学校および職場での自殺、殺人を含む暴力を減少させるため多様な介入を検討した結果、誰が犯罪行動に出るか予測を試みることで人物に焦点をあてることはさほど効果がないため、予防的な戦略の方がはるかに有効であるとの結論に至ったという。APAの報告は、銃販売でのバックグラウンド.チエックを強化する、および非暴力的な戦いによる解決を教育するための学校でのプログラムなど、戦略のリストを提供している。
研究チームを組織化したバージニア大学の臨床心理学者であるデューイ.コーネル氏は、米国の学校を強化する上で、危機に集中すべき問題は多いが、それだけでは対処することにはならないとし「我々は、暴力のインパクトが現実になる前にもっと広範な予防に集中する必要がある」と語ったという。また、カリフォルニア大学、サンディエゴの法廷心理学者で治療査定の国際ハンドブックの編集者である リード. メロイ氏は、銃の暴力を減少させる問題の解決は厳しく 困難であるため、アメリカの銃暴力に見られる最も包括的でバランスのとれた分析の必要性を提唱している。
最近全国的に増えている精神保健のアプローチは行動治療査定(BTA)と呼ばれている。これは学生または従業員が平然と他人を脅し、または、武器を入手するためオンラインでリサーチし、銃器を購入するなど、明らかに攻撃する意図があることを示す証拠がある場合、BTAのチームは直ちにその人物に介入し、カウンセリング又は集中治療及びモニターの利用を通して、その人物を援助している。キャンパスでのチームは、概して管理者、精神保健の専門家、及び学校の安全担当者で構成されている。必要に応じて、そのチームはその人物をすぐ入院させるため地元の警察と協力体制で対処する必要があるという。
バージニアやイリノイ州でも銃乱射による大量殺人の悲劇があったため、これらの州は大学に治療査定チームを配置することを義務化している。バージニアは小学校から大学に至まで全てのレベルの学校でそのようなサービスを義務化する法律を通過したばかりである。問題のある行動に気付いた場合、介入するこの方法を第二の予防として考慮されている。第一の予防と呼ばれるものは難しい問題を解決するプログラム、および鬱病のリスクのある若い人達を査定するための精神保健スクーリニングがあり、幾つかの学校で学生間の暴力的行動を著しく減少させている。
しかし、このような措置は全ての精神障害者に適用しない場合もあることを指摘している。例えば、ニュータウンの小学校で20人の子供と6人の教師、および母親を殺害したアダム.ランザは自宅の地下に住み、そこで殺人の計画を練ったと言われている。そのような彼が精神病診断の適格者だったかどうか、また 問題児だったのかどうかは明白ではない。しかし予防措置に集中することは喫煙や飲酒運転を減少させることに効果がある同じ方法で総体的に暴力のケースを減少させるとコーネル博士は述べている。研究チームは、家庭内暴力者、暴力犯罪の被告人、自分自身または第三者を介して治療を考慮している精神障害者に銃の所有を禁止することも含めて銃法に対する多数の変化を要求している。
近年、米国では銃の暴力を減少させるため多種分野の専門家が研究を行っているが、問題は資金不足であることだ。APAは、銃器の暴力を研究するための政府の資金が欠如していることを鋭く批判している。副大統領ジョー.バイデン氏は精神保健サービスへのアクセスを増やすため資金を増大する計画を発表した。10日のロイター によると、精神衛生サービスへのアクセスを推進するため1億ドルの資金を新たに押し進める計画があるという。ホワイトハウスは教師、精神保健分野の専門家、精神障害の徴候がある患者を援助するため1.3億ドルの支出を提案しているが、議会はそのような支出を割り当てていない。従って、オバマ政権は、地域の健康センターを援助するため、もっと精神衛生の専門家を雇用しサービスを拡大するため5,000万ドルを米国保健福祉省から予算を割り出し、更に農村部の精神保健施設を向上させるため農務省から5,000万ドルの予算を割り当てるとホワイトハウスは述べているという。これは、現在のところ計画であり実行に至かどうかは不明である。いずれにしても、連邦政府は銃の暴力を防ぐため各方面からの専門家の研究とアドバイスを活用し、銃の暴力の背後にある精神保健の問題に取り組む必要がある。