2035年までに世界の貧困はほぼ消滅する?

ビル.ゲイツ氏は、ビル&メリンダ.ゲイツ財団の研究を通して、毎年1月に年間報告書を発表している。2014年の報告は世界の貧困に焦点をあて、貧しい国は貧困国であり続ける、貧困国への投資は多大な無駄である、人命の救済は人口過剰に導く、との「3つの神話が貧困の進歩を遮断する」というテーマに関する独自の研究に基づいた論文を公開した。この最初の貧しい国は貧困国のままであり続けるという神話をビル.ゲイツ氏は否定し論破している。

ゲイツ氏はこの論文の最初に、世界の極度の貧困および疾病を克服することは出来ないとの一般的な見解を打破し、未来はかってないほど 多くの国が健康的で長寿を満喫するとの楽観的展望を表明した。従って、2035年までには貧困国はほぼ存在しなくなるというのがゲイツ氏の結論である。その理由の一つとして、まず幾つかの都市は数十年前と比較して如何に近代的に発展してきているかを写真で比較している。例えば、1986年当時、メキシコ市を訪問したゲイツ氏は、ほとんどの家庭は水道水の設備がなかったが、2011年のメキシコ市は著しく近代的発展を遂げている様子を紹介している。1969年と2009年のナイロビ および、1978年と 2012年の上海の発展には同じような進歩の変化が見られると説明。幾つかの国を数十年後に再訪問したゲイツ氏は、自身が生存中にすでに多くの国に貧困の改善が見られるため、今後更に進歩するという展望を描いている。

また、ゲイツ氏は「今日、益々多くの国が強い持続的な発展に向かっている」と述べ、その論点を収入の観点から分析している。例えば、現在のトルコやチリの所得は1960年代の米国のレベルと同じ」であり、豊かな国と貧しい国の間にある無人地帯は中国、インド、ブラジルが埋めていると述べている。更に、1960年以来、中国の一人あたりの実質所得は上昇し、インドは4倍、ブラジルはほぼ5倍に上昇したと指摘。小さな国であるボツワナは鉱物資源の管理に30倍の増加を見ていると述べている。また、アフリカは50年前に比較して貧国度は改善しているという。サブサハラアフリカの一人当たりの収入は事実上昇し、幾つかの国でかなり増加している。1980年代の負債危機により経済が急落した後、1998年から65%以上の上昇があり、年間個人収入は約$1,300から$2,200に増大したと報告している。更に、過去5年間で最も経済が急成長している10カ国のうち7番目はアフリカであると指摘し、アフリカは教育と健康の面でも進歩を遂げ、蔓延的なHIVの問題があるにもかかわらず、1960年以来、サブサハラアフリカの女性の寿命は41歳から57歳に伸びているという。1970年以来、子供達が学校に通う率も約40% から75%以上伸べているという。

ゲイツ氏は自分が生まれた時代は世界のほとんどの国が貧困であったが、多くの国が進歩を遂げているため、今後もその傾向は続き、20年後には数億の人口層は極度の貧困から引き上げられると推測している。また、2035年までには、どの国も世界銀行が2014年の低所得国として指定した35カ国より貧困国にはならないとし、70%以上の国は現在の中国より、90%の国は今日のインドより一人当たりの所得が上昇すると予測している。また、ほとんど全ての国は低中間所得またはそれより裕福になると推測している。

ゲイツ氏によると、昔、貧しかった国は今では豊かになり、非常に貧しい人々の割合は1990年以来、50%以下に減少しているため、貧困国が貧しいままの状態を維持するということはありえないと指摘している。しかし、まだ世界人口の10億人は、極度の貧困状態であるため「まだ祝う時ではないが『発展途上国』と『先進国』の用語の有益性はもはや廃れている」と述べている。 開発途上国と呼ばれる幾つかの国は既に発展していて、今後更に多くの国が開発途上国のカテゴリーを脱すると述べている。また、将来を「予測する意志があるほど十分楽観的である」とし、北朝鮮のように政治的、または中央アフリカのように地理学的に問題のある幾つかの国の例外を除いて、また、どの国にも貧困層は存在する事実を除いて、現在の貧困の定義から、2035年までには貧困状態のまま世界に残る国はほぼいなくなると述べ、貧しい国は貧困国で留まる運命ではないと結論を下している。

ゲイツ氏の論文は、豊かな国と貧しい国を比較し、特にアフリカのような貧困国は進歩がない運命にあるとする近年の論説の風潮に挑戦したものであると思われる。従って、1960年以降から世界の経済は西洋に追いつく努力をしていると述べ、50年前の貧困国はもはや同じ状態には留まっていないと論破している。多くの国は「生産的な隣国から学んでいる」からであり、「新しいワクチン、改良種子、およびデジタル革命のような技術革新の恩恵を受けている」からであると指摘している。 また、科学技術および教育に支えられた労働力は新たな投資を促進すると述べ、 蔓延的なHIV問題に葛藤するアフリカを例に、基本的に途上国への投資および貧困国の人々の健康に貢献することの重要性を強調し、人口増加を懸念することは「危険な傾向」であると論破している。

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