オバマ大統領に対する国民の支持率は最近幾分回復している。オバマ氏に対する国民の総体的な支持率は4月後半の41%から46%に上昇し、今後数年間で、国の主な問題に対処するオバマ氏に対する国民の確信は共和党に対する確信より幾分高いことが判明。3日に公表されたワシントン.ポストおよびABCニュースの合同世論調査は、ベンガジ問題およびアフガニスタン撤廃からVAスキャンダルおよび気候変動に至までオバマ氏の政策、決断、及び対処を国民はどのように評価しているのか、最近起きている問題をどのように見ているのか、また11月の中間選挙をどのように意識しているのかを浮き彫りにしている。
オバマ氏は先週27日、現在アフガニスタンには32,000の軍隊が駐留していて、来年からは約10,000人に減少し、2015年末までには更に50%減少し、2016年にはほとんどの米兵は撤退すると発表した。3日のワシントン.ポストによると、アフガニスタンからの米兵撤退のスケジュールについて一部の共和党は批判したが、アメリカ人の4人に1人はスケジュール通りの撤退を支持している。大多数の民主党、共和党、無党派の有権者はアフガニスタンからの撤廃に同意している。複数の共和党はさほど熱狂的には支持していないが、総体的に米国民はオバマ氏のアフガニスタン米兵撤退計画を支持している。
現在も論争的なVAスキャンダルに関しては党派に関係なく、米国民は退役軍人が長期的に待たなくてはならない医療システムの現状を深く懸念している。97%は深刻な問題として受け止め、82%は「非常に深刻」な問題であると感じているという。この問題に対して10人中4人は、オバマ政権にとって大きな騒動に発展してきた問題の著しい責任は大統領にあると答え、10人中6人は、大統領が個人的に責任を追求される必要はほとんど無いか又は全くないと解答している。また、退役軍人省の長官エリック.シンセキの辞職を5月30日に承諾したオバマ氏の決定についても、65%がシンセキの辞職は正しい決定であるとしてこの動きを支持した。
オバマ政権は気候変動に対処するため、二酸化炭素排出量を2030年までに30%減少させる計画を2日に発表したが、この発表は著しく良好な国民の反応があったことが判明した。10人中7人は気候変動を深刻な問題であると認識している。また10人中7人は、現存する電力発電所からカーボン排出量を限定する連邦政府の要求を支持している。また、10人中6人以上の国民は「電気料を毎月20ドル余分に支払う結果になったとしてもこの計画を支持する」と答え、大半の米国人は気候変動に対処することに同意していることが判明した。
また、2012年9月にリビアのベンガジで大使を含む4人のアメリカ人が殺害された事件で今年新たなメールが発見されたことを受けて、下院議会は5月初旬この問題を再調査する為下院聴聞委員会を設定すると発表し、委員会メンバーを選出した。その後、この聴聞会で新たな進展はほとんどない状況であるが、10人中6人のアメリカ人は当時「何が起きたのかオバマ政権は事実を隠している」と思っていることが判明した。これは1年前の世論調査と同じ結果であったという。かろうじて大半の51%は、新たな議会での調査を支持し、42%は既に十分な調査は実施されたと答え、50%は元国務長官のヒラリー.クリントンの事件の対処方に難色を示し、同意したのは37%であった。
オバマ氏の総体的な支持率は4月に比較すると上昇し幾分回復しているが、特定の問題では支持率はまだ低いという。例えば、移民問題に対処するオバマ氏の支持率は38%であり、新しい医療保険改正法(オバマケア)の対処に関しても満足している国民は39%に留まり、総体的な国際問題の対処についても41%が支持し、経済問題の対処は43%が支持しているだけである。これら4つの分野で少なくとも国民の50%はオバマ氏の仕事ぶりを認めていない。
最近、11月の総選挙に対する国民の関心は増大していて、74%の登録有権者は「確実に投票する」と答えている。これは4月の68%から上昇した。この時点で「確実に投票する」と答えた率は、民主党より共和党、非白人系より白人の方が幾分高いという。民主党は11月の選挙で彼らの民主党支持者が低投票率になることを心配しているようである。民主党は女性の問題に着目することで女性有権者の活性化を期待しているが、多数の女性特有の問題が最も重要であると思っている登録有権者はわずか8%であり、女性は12%、男性はわずか2%がその重要性を強調した。多数の女性問題とは恐らく、宗教を重視する政治家及び宗教団体が反対している中絶問題も含まれていると思われる。
米国の経済状況の是非は引き続き11月の総選挙で有権者に影響を与える最重要課題である。全ての登録有権者の4分の1は最も重要な課題の一つとして経済をあげている。次に重要な課題は19%がワシントンの仕事ぶりであるとし、国民は議会が機能的に重要な問題に取り組むことを期待していると思われる。次に重要な課題は、18%が連邦政府の赤字であるとし、16%はアフォーダブル.ケア.アクトであると指摘した。気候変動、移民法、同性結婚に関する国民の重視度はいずれも10%以下で、これら3つの課題の重要性は薄いことを示唆した。
結論的には、国民は今後数年間、国の主な問題に対処することに関しては議会の共和党よりオバマ氏により多くの確信を感じていることが判明した。その観点から国民の43%はオバマ氏に確信があるとし、共和党に確信があると答えたのは38%であった。昨年末よりオバマ氏への評価は向上しているものの、再選後の2012年12月に比較して大差はないことが判明した。
一般的に、世論調査は全国民の意識を正確に反映している訳ではないが、多くの米国民はベンガジ問題に関しては釈然としない感情があるようだ。情報を完全に把握しきれない状況が事件の背景にあることが要因であると思われる。また、圧倒的にほとんどの国民はVAスキャンダルで騒がれている問題に深い関心を寄せているようである。この問題を解決するため、退役軍人上院委員会の委員長バーニー.サンダースは新たな法案を提案しているが、その案は過去とほぼ同様に多額の融資を必要とする為、下院で通過する可能性はないと思われる。国民はこの問題について、議会が今後どのように対処するか注目するはずである。また、気候変動よりもっと重要な問題があるとしながらも、60%の国民は毎月の電気料の支払いが20ドル増えても気候変動の問題に対処することを望んでいるとする調査結果は興味深い。