6日、ホワイトハウスは移民法に関する行政活動に基づく大統領令の発表を11月の中間選挙後まで延期すると発表した。移民改正に関しては、様々な方面からプレッシャーを受けているオバマ大統領は、 夏の終わりまでに発表することを公約していたため、延期の発表は、特に不法移民の擁護団体または不法移民の活動家を怒らせる要因になっている。オバマ氏は、7日NBCの独占インタビューでその延期の理由について説明した。
オバマ氏は7月末、移民問題に取り組むことを放棄した下院共和党を責め、議会をあてにせず 行政行動による移民改正計画を夏の終わり頃発表すると述べていた。しかし、その発表は中間選挙以降から年末まで延期されることになった。6日のニューヨーク.タイムスによると、ホワイトハウスは6日、現在選挙の真只中であり、共和党の「極端な政治的圧力」は行政行動を損なう可能性があると述べ、選挙前に大統領令を発表することは、「移民問題および包括的移民改正法の長期的展望に有害であると大統領は思っている為、中間選挙後まで延期する」と発表した。上院で多数派を維持するため戦っている複数の民主党議員は、選挙前の行政活動又は大統領令の発表が、彼らの選挙結果に悪い影響を与えるとの懸念を表明した事が一因である。特に、アラスカ、アーカンソー、ルイジアナ、ノース.キャロライナの民主党議員はホワイトハウスの関係者に彼らの「勝利を犠牲にする」と語ったという。
延期の別の理由は、同伴者がいない中央アメリカからの不法児童移民が国境に到着する数は現在60%減少しているものの、ピークに達した頃、米国の移民改正法は包括的な取り組みがない限り、これらの問題は根本的に解決出来ないことを国民が気付き始めたからである。しかし、ヒスパニック系の不法移民の活動家や、移民擁護団体は、強制送還が続くことを懸念している為、失望と怒りを表明している。しかし、オバマ政権のアドバイザーは大統領令を発表する次期は中間選挙後が適切であると考慮し、中間選挙後の方が「もっと大胆に恐れる事なく、確信的に包括的な移民問題の大統領令に取り組むことが可能である」と提案したと言われている。
オバマ氏は、強制送還を懸念するヒスパニックの移民擁護団体、および大統領令の延期を要請する民主党の両方からのプレッシャーに直面していたが、延期の発表は、接戦が予測される上院議席競争で著しいプレッシャーに直面している民主党の懸念を重視した側面がある。一時的にヒスパニックを怒らせたとしても、 移民法の問題に真剣に対処しているのは主に民主党である為、選挙後の発表であっても、オバア氏の移民改正に対する彼らの支持を取り戻すことは可能であるからだ。選挙後まで待つことは、再度、包括的な移民改正法に取り組む可能性がもっと高くなり「強制送還を止め、労働許可を与えやすくなる」という。
オバマ氏は7日NBC ニュースのMeet the Pressに出演し、チャック.トッドとの独占インタビューで、延期は民主党を救う為なのかと聞かれ、それが理由ではないと答えた。オバマ氏は、「効力的な移民法があればこの国はもつと良好である」とし、移民法に関しては一貫していると語った。また、「法的な移民制度を合理化する強力な国境整備があり、数百万の移民の家族が統合し、英語を学び、税金を支払い、法的地位を取得する」ことが、投資を促し米国の経済を活性化させることであると述べた。しかし、上院で通過した包括的移民改正法案を共和党は拒否した為、何か常識的な行動をすれば、労働、ビジネス、宗教界、法務執行、多数の人々はそれを支持するので、法的権威を利用して自分が行動すべきことを考えたと語った。また、不法に国境を超えた子供達は米国人の移民問題の意識を変え、大勢のアメリカ人は「移民の危機があると考え始めている」が、実際は国境を越え逮捕された不法者の数は急落し、「10年前よりはるかに低い」と語った。オバマ政権は、同伴者のいない子供達の問題に体系的に取り組んでいるため、7月には激減したと報告し、「なぜ我々がこの事に取り組んでいるのか、どうしてアメリカの経済にとって正しいことなのか国民に理解させたい」と述べた。更に、延期は新しい移民政策を「持続可能」なものにするためであると述べ「移民の事実が何であるか、子供達の不法入国について我々が何をしたのか国民が理解すれば、もっと持続可能で効果的に実施することが出来る」と語り、延期の合理性をアピールした。
フロリダ州の上院議員マルコ.ルビオは先月、大統領令は共和党が移民問題に取り組む機会を阻む行為であるとする単なる自己アピールのための声明を発表した為、選挙前の行動は保守派の攻撃を受ける可能性が充分ある。昨日延期の発表を受け、その攻撃を避ける先手を打たれた共和党リーダーは怒りを表明した。下院議長のジョン.ベイナーは、移民法そのものの着想を全体的に廃棄する代わりに、「論争的で恐らく憲法違反である」大統領令を単に遅らせる計画は大統領の政治ゲームだと批判した。
上院超党派の移民改正法案の起草者の一人であったルビオを含め、共和党は移民法改正に取り組むことを放棄していながら、オバマ氏が大統領令を発表した場合、議会の意見を聞かず、オバマは一方的に移民改正法に着手したと批判することは必然である。その否定的なメッセージが選挙前に宣伝された場合、民主党は痛手を被る結果になり、それは特定の地域の民主党議員には特に打撃を与える可能性がある。延期の主な理由は、民主党を救うためだけではなく、オバマ氏はNBCのインタビューで、中央アメリカの不法児童入国がアメリカ人の移民問題の意識を変えている為、もっと時間をかける必要がある事を示唆した。特に選挙前は、オバマ政権が何を決定しても共和党は必ず攻撃する為、共和党の攻撃的戦略を避けるための戦略でもあると思われる。