上院議席競争の予測は不可能

大半の選挙予測機関は、直前に迫った11月4日の中間選挙で共和党が上院で勝利する可能性が高いと予測しているが、実際には選挙前に正確な予測をすることは不可能である。その理由は(1)上院を維持する為には黒人の投票率が重要である為、黒人が鍵を握るその主な州で民主党の努力がある。(2)接戦が予測される10以上の州はどちらにでも転ぶ可能性がある。(3)特別規定を定めている2州では、中間選挙後に決勝戦が実施される。主にこれらの3つの要因により、11月4日の開票直後も上院での決定的な勝利を予測することは困難になる可能性がある。

18日のニューヨーク.タイムス(NYT)によると、オバマ大統領の元世論調査員であるコーネル.ベルチャーは10月1日付けのメモを大統領に送り、民主党が上院を保持する鍵は黒人であり、黒人を投票場に運ぶ努力がない限り、民主党は敗北すると伝えた。ホワイトハウスおよび民主党は、2010年と2012年の経験からこれを理解し、特に接戦が予測されている州でその努力をしている。民主党のマイナス要素は、50%以上の黒人が2014年に中間選挙がある事さえ知らない為、特に民主党は多数の激戦地で黒人の投票登録を援助している。2008年及び2012年の大統領選挙では、黒人の投票参加を促す努力があった為、比較的高い率の黒人が投票したが、2014年はその徴候がない。しかし、現状を維持する為には特に4州で多数の黒人投票が鍵になる。黒人の投票参加が予測より多かった場合、ジョージア、ルイジアナ、ノース.キャロライナ、アラスカで民主党議員が勝利する可能性がある。しかし、ジョージアとノース.キャロライナでは共和党も記録的な数の黒人有権者に「攻撃的な投票参加」を促している。

NYT によると、2012年の大統領選ではオバマ氏を当選させるため、白人より黒人の投票参加率が高かった記録がある。しかし、2010年の中間選挙では有権者の投票参加は低かった。特に黒人の投票率は白人より低く、「投票率のギャップ」で民主党は壊滅的な敗北を味わった。ジョージア州では2012年に投票した黒人は110万人であったが、2010年にはわずか741,000人であった。ノース.キャロライナ州の民主党は、投票登録した 約100万人の黒人は2010年には投票していなかったと報告している。この「投票率のギャップ」は2010年のティーパーティの台頭により、新人候補者に議席を奪われた事より深刻である。従って、今年の中間選挙の鍵は2012年の大統領選レベルの黒人投票参加を促すことが残された2週間の挑戦である。ジョージア州の有権者の32%は黒人であるという事実は、黒人の有権者が全員投票に参加すれば「民主党が上院で勝利することは理論ではなく簡単な算数である」とベルチャーは述べている。

指摘されるまでもなく、過去の経験から大統領と民主党は黒人とヒスパニックの投票参加率が悪い場合、上院での議席を失うことを理解している。ホワイトハウスは、特に黒人大統領に忠実なアフリカ系アメリカ人をターゲットにビデオ広告、ラジオ.インタビュー、電話でのキャンペーンを展開している。黒人の投票参加率を上げることは不可能ではないが、コストも時間もかかる。選挙キャンペンーンの専門家は「新たな1票を獲得する為には、訓練されたボランティアが14人の展望性のある有権者にコンタクトを取る必要がある」と指摘している。

民主党の上院キャンペーン委員会は、潜在的な有権者をターゲットにし、彼らが投票することを確認するため、今年は6,000万ドルを注入している。ノース.キャロライナ州では民主党現役の上院議員ケイ.ヘーガンが議席を維持するため、1月から新たな30,000人の投票登録者を増加させた。ジョージア州の民主党は30%が黒人の有権者であり、60万人が投票登録をしていないと推定しているため、同州の民主党リーダーは12万人の有権者の投票登録を援助した。しかし、同州の共和党長官は40,000人の投票登録の申請書を放置したままの状態である。ここでは「有権者に対する抑圧」が平然と行われている。ルイジアナ州では3人の候補者が上院議席を競っているが、接戦ながらも民主党現役のメリー.ランドリューが最も有利である。同州では600人以上の黒人及び黒人リーダーの投票登録を援助し、火曜日から始まる早期投票を促進している。

また、有名な政治家も黒人の多い州や地域でのキャンペーンに参加し、民主党上院議員を支援している。ビル.クリントンおよびヒラリー.クリントンの両人は激戦州の民主党を支援している。ケンタッキー州では、オバマケアの拡大部分であるメディケイドの利用者が圧倒的に増えている現状があるにも関わらず、上院少数派リーダーのミッチ.マコーネルは、共和党が勝利したらオバマケアを撤廃するが、同州のオバマケアのウエッブサイトは保持しておくと言っている。ヒラリー.クリントンは15日、マコーネルに対抗している同州の民主党長官であるアリソン.グライムズのキャンペーンに参加し、有権者に「精力的で頭の良い若い女性」に投票するか、又は長い間議会を麻痺させているマコーネルを選択し、今後6年間何の変化もない議会を好むか「際立った選択」であると語った。グライムズのキャンペーン費用は マコーネルを2倍以上超過していると言われている。今週末ビル.クリントンは引き続きアーカンソーやルイジアナ州のキャンペーンに参加した。

現在、リアル.クリア.ポリテックスを除く他の選挙予測の専門家は、共和党が上院で勝利する可能性があると予測している。CBSニュースの選挙ディレクター、アンソニー.ソルバントは18日のテレビ.インタビューで、現在共和党が上院でも勝利すると予測されているが上院で多数派になる可能性があるかどうかを聞かれ、現在共和党は「かなり良好である」と述べ、「最良の予測で共和党が51議席を確保する可能性はある」と述べた。しかし、現在11州(コロラド、カンザス、アイオワ、アーカンソー、ルイジアナ、ミシガン、ケンタッキー、ジョージア、ノースキャロライナ、ニューハンプシャー、アラスカ)では接戦が予測される為、これらの激戦州ではどちらに転ぶか最後まで予測できない事実があると語った。

また、ジョージアとルイジアナ州では11月4日の投票結果に特別な規定を定めている。ジョージアではいずれかが50%の投票率プラス1人の投票がない場合、決勝戦が1月6日に実施される。ルイジアナ州では民主党現役のランドリューに対して2名の共和党が挑戦している為、3人中誰も50%の投票率を獲得しなかった場合、投票率の高かった2名が12月6日の決勝戦に直面する。上院での民主党勝利の重要な鍵は特に4つの州で黒人が握っている事も含めて、ジョージアとルイジアナ州は特別規定がある為、選挙前に決定的な予測をすることは不可能である。

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