米国最高裁は20日ロスアンゼルス警察が捜査令状なしにホテル及びモテルの宿泊客情報リストにアクセスする権利を与える決定を下した。最高裁の判定は、控訴裁判所の決定を却下したものであるが、プライバシーの保護より警察の権威を重視した印象を受ける。ロスアンゼルス(LA)市の犯罪捜査に関する法律、この判例の経緯、論争点、及び問題点は何なのか?
LA市の法律は、ホテル及びモテルの所有者に宿泊客の個人情報リストを記録することを要求し、警察はその記録を令状なしにいつでも閲覧できるとする2つの条項で構成されている。警察が必要としている宿泊客の情報は、氏名、住所、電話番号、車の免許証番号、車の種類と車番、部屋代の支払い方法、その他、重要と思われる内容は全て含まれる。LA市はこのような情報が令状なしに調査できることは、犯罪に関与した犯人の緊急捜査、犯罪者の追跡、麻薬や売春の取締、その他の事情による警察の捜査を容易にする事が可能であると主張している。
ホテルの所有者は彼らが客の情報を記録する事には問題を提起していないが、その記録を所有者の許可なしに令状もなく捜査の為に自由自在に利用されることに対して異議を唱えた。つまり、LA市の法律の後半部分に不満を持つ同市のホテル.ビジネス業界はサンフランシスコにある米国第九巡回控訴裁判所に告訴していた。昨年12月のロスアンゼルス市対パテルの判例において、同裁判所は違法な捜査や押収から国民を保護する米国憲法修正第四条に違反しているとして7対4でLA市の法律を拒否する判定を下した。LA市はこの判定を受けて、米国最高裁に最終的な判定を要請した。また、LA市の法律は、ホテルのオーナーが客の記録を検閲することを要求する警察への協力を拒否した場合、軽罪で処罰される事が含まれる。
この判例の論争で、市の弁護士達は客の記録に即時にアクセスすることは「テロリスト攻撃の余波」で重要かもしれないと主張した。ホテルの経営者側は、司法関与はある程度憲法によって要求されていて、過度な遅れと証拠紛失を防ぐと述べ、記録を維持する最初の条項部分については挑戦していない。しかし、「LA市は令状なしに捜査する機能が必要であるという理由を説明できない」と反論した。第九巡回控訴裁判所のポール.ワトフォード判事は多数派の意見を代表し「ホテルの客はホテルに個人情報を提供した時点でプライバシーを諦めている」と述べたが、ホテルの所有者は憲法修正第四条で保護されていると指摘し「ビジネスは通常開示しない」ので、記録に含まれている「商業的な機密情報の類いを開示することは期待されていない」と主張した。つまり、正当な法的手続きを得ずして、警察が令状なしに記録を検閲することは憲法違反である為、捜査のプロセスに何らかの「司法関与」がなくてはならないと主張した。
最高裁は今日の判定で、LA市警は裁判官の許可を必要とせず、ホテルおよびモテルの宿泊客の登録記録を検査することが可能であると判定した。第九巡回控訴裁判所の判定を却下することでLA市の法律を保持し、法務執行当局が令状を発行することなしに記録の検閲を行うことは正当であることを明白にした。また、最高裁は警察の捜査に関する法律を却下するため、憲法修正第四条を利用して告訴することが可能であるかどうかについても全体的に規定すると述べた。この判例の問題は、警察がホテル客のプライバシーの記録を捜索する際、ホテル側の商業的情報のプライバシーを侵害するような状況があるかどうか、もしそうである場合、そのような文書を閲覧する前に警察は最初に裁判所の許可を得る必要があるかどうかである。この判例を最高裁に持ち込んだことで、最高裁がそれにどう応じるかにもよるが、LA市はこの時点で、ホテル宿泊客のプライバシーに関する訴訟問題に終止符を打つことが出来るとの意見も提起された。
最高裁の決定は、警察がホテル側の同意と捜査令状なしにホテル滞在者の個人情報を自由に閲覧できるとする権限を与えた為、 個人のプライバシーよりLA市の法律を重視した結果になった。また、この判定は同時に米国の多くの都市に影響を与える為、LA市警のみでなくほぼ全国の警察に同じ権威を与える結果になることを示唆している。従って、警察は捜査の理由を説明する必要も令状を提示する必要もなく、記録の開示を拒否したホテルの所有者に対して軽罪を与えることが可能になる。憲法修正第四条は不法な行為をした者を除き、ホテルの経営者を含めて法務執行当局による不当な捜査や押収から人々を保護することを保証している為、如何なる状況でも令状を不要とする捜索が憲法に照らして合法的であるかどうか疑問である。