数年前、殺人を含む暴力犯罪は低下したことが報告されたが、昨年に比較して2015年の米国の殺人事件は多数の州で著しく増加したことが判明した。犯罪の増加が報告された都市は少なくとも30以上であり、驚異的なパターンは、同じ人間が繰り返し人を殺害している事である。その主な要因は、銃が溢れているからであるとの警察当局の見解は、米国の手に負えない銃社会の実像を反映している。銃があるほど犯罪は減少するのか又は増えるのか?この疑問は専門家の間で論争的であるが、最近の大々的な研究は「銃があるほど犯罪は減少する」との説を否定した。統計によると、銃器の数は驚異的に増加している現状である。
ニューヨーク.タイムスによると、1年前に比較すると30以上の都市で暴力犯罪が増えたことが判明している。殺人犯罪の性質は都市によって異なるようである。シカゴを含む幾つかの都市で、麻薬に関与するギャング間の対立があり、銃が簡単に手に入手可能な状況で暴力が横行している。貧しい地域で若い男性は紛争を解決するため暴力的になっていると警察当局は指摘している。最悪のケースでは、その暴力的紛争に無関係の住民が巻き添えになっている。ミルウォーキーでは5人の母親であるタミコ.ホームズは2人のほぼ成人の子供を失った。今年1月モテルのディズ.インで誕生パーティをしていた時、強盗があり、20歳の娘を銃殺で失い、6ヶ月後には19歳の息子が車の中で頭を射たれて死亡した。この殺人の容疑者および動機はまだ捜査中である。彼女の3人目の子供である17歳の娘は車に乗っている時、銃撃に巻き込まれ負傷した。最近ホームズは、 ミルウォーキーから離れることを娘たちに説得し、「 変わった事は通路、法律、そして両親です。それは混乱と闘争になっています」と語ったという。
以下表は、表示年の1月1日から8月末までの8ヶ月間の同期間による殺人数の統計を示す。
| 都市名 | 2014年 | 2015年 | 上昇率% |
| ミルウォーキー | 59 | 104 | 76 |
| セントルイス | 85 | 136 | 60 |
| バルチモア | 138 | 215 | 56 |
| ワシントン | 73 | 105 | 44 |
| ニューオリンズ | 98 | 120 | 22 |
| シカゴ | 244 | 294 | 20 |
| カンザスシティ | 45 | 54 | 20 |
| ダラス | 71 | 83 | 17 |
| ニューヨーク | 190 | 208 | 9 |
| フィラデルフィア | 165 | 171 | 4 |
これらの10都市で増加が顕著であるが、殺人、暴力犯罪または両方の増加を報告した都市は少なくとも 35ある。犯罪の上昇は、幾つこの国内最大都市の70以上の警察当局との緊急首脳会談の開催を促進した。米国司法省は 殺人の上昇に対処する為、9月に会議を開催する予定である。
犯罪増加の主要因は簡単に入手可能な銃が溢れているからである。シカゴ警視のギャリー.マッカーシーは、銃が豊富にあることが彼の街で殺人犯罪を増加させている多大な要因だと思ったと述べた。両党の政治家は刑務所の人口を減少させることを要請しているが、銃犯罪者はもっと厳しい罰則に直面しなければならないと主張した。マッカーシーは「全国的に、犯罪歴のない個人が突然、誰かを殺すというような事はなく、それは再犯者であり、同じ人間が何度も殺人を繰り返している事を発見した」と語った。それは、犯罪取締が緩慢である場合、犯罪者を勇気づけ、結局、犯罪率を増加させる要因になると指摘した。
銃規制の甘さは犯罪取締の弱さに繋がると思われる。銃があればあるほど犯罪は減少するとの仮説、および銃があればあるほど犯罪も同等に増えるという二つの仮説がある。これらの説は学者の間で論争的であり、2000年初期まで前者の仮説が強固であった。スタンフォード大学およびジョンズ.ホプキンス大学の合同研究による近年の大幅な分析は、後者の論理が真実であるとの結論を提供した。2014年9月4日、社会化学研究ネットワーク(SSRN)に出版された2つの大学の3人の学者は、公的場所での銃携帯の権利(RTC)法の影響に関する最初の研究結果を2012年に公表し、2年後に更に強化された結論を公表した。
スタンフォード大学の法学教授ジョン.ドノヒューおよび他2名の学者は、1977年から2000年の犯罪データーを利用し、 「銃が多いほど犯罪は減少する」との仮説を評価するよう米国学術研究会議(NRC)に要請された。2004年の研究を更に6年間延長し、データーも1979年から2010年の期間に拡大した分析で、「銃が多いほど犯罪は減少する」との仮説を否定した。この本格的な分析により、3人の学者は 2014年9月「銃が多いほど犯罪が増える」との結論に達した。彼等の分析は、RTC法は年々影響があり、攻撃性を高める証拠があることを示唆していると述べ、幾つかの統計的手法に基づき、RTC法は、約33%銃暴力の増加に関連性があることを明白にした。
スタンフォード大学の分析は銃の増加と犯罪率の上昇には相関関係があることを示唆しているが、米国での銃の数は急増している。銃政策組織の調査によると、1994年に米国所帯の4,400万人または約35%の世帯は合計1.92億挺の銃器を所有し、その内6,500万挺は拳銃である。それらの個人74%は1挺以上の銃器を保持していることを報告した。1996年末までに、販売可能または米国の一般市民が保有した銃器は、約2.42億挺である。2000年までに、銃器の数は約2.59億まで増加した。そのうち、9,200万は拳銃、9,200万はライフル、および7,500万は散弾銃である。2007年、銃器の数は約2.94億に増加し、そのうち1.06億は拳銃、1.05億はライフル、および8,300万は散弾銃である。2009年までに、米国市民が保持する銃器は推定3.10億挺まで増加した。そのうち、1.14 億挺は拳銃、 1,10億挺はライフル、8,600万挺は散弾銃である。米国市民の銃保持は、1968年には二人当たり1挺の銃から、近年一人あたり1挺の銃に相当する割合で倍増している。