日本人、中国人、韓国人、フィリッピン人が含まれるアジア系アメリカ人の人口はヒスパニックに比較するとまだ統計的には少ないが、アジア人は最も急速に増加している人種グループの一つに属している。アジア系アメリカ人は引き続き学業成績、教育レベル、収入レベルなどの側面でトップであると言われているが、特にハイテク業界が密集しているシリコンバレーで、アジア系の昇進は白人と比較するとかなりのギャップがある。ガラスの天井と呼ばれる人種および性別に対する「見えない壁」の主要因はステレオタイプ(固定観念) であると言われている。
アジア人は皆同じであるという偏見は典型的なステレオタイプの例である。アジア系の人口はまだ全体の5%で目立たない少数派グループであり、日本人、韓国人、中国人は外見的にも区別がつかない事に加えて、それぞれの違いを明らかにしないと見られている。これは、それぞれの国の文化や習慣及び価値観の違いを理解していない他人種がアジア系アメリカ人を同じ枠にはめる傾向があるからである。別のステレオタイプは、米国で生まれた育った人口が極端に低いことが要因であるが、マサチューセッツ大学の社会学教授C.N. Leによると、ほぼ全てのアジア系は移民であるとの誤認識があることである。歴史的な観点から、1882年の中国人排斥法及び1942年から始まった日系人強制収容による偏見はまだ残っている可能性もある。近年中国人に対して、ハッカーやスパイ行為などの疑惑が偏見に繋がっている場合もある。
今年5月に公表されたAscend研究によると、アジア系アメリカ人は高度教育およびエンジニア、医学、法律を含む専門知識の分野で成功している人が多い。しかし、カリフォルニア州のシリコンバレーでは昇進を含む雇用平等の機会は男女および人種別による格差が著しい。例えば首脳部または管理職に昇進している人種指数は圧倒的に白人男性(1.4)が最も高く、次に白人女性(0.99)、ヒスパニック男性(0.86)、次にアジア系男性(0.56)、黒人男性(0.42)、次にアジア系女性(0.39)、黒人女性(0.27)最後にヒスパニック系女性(0.26)の順になっている。総体的な労働力では118人の専門職のうち一人が管理職になる割合に比較して、ハイテク業界が密集しているシリコンバレーで、アジア系の女性は285人に一人が管理職であり、明らかに人種および性別問題に直面している。アジア系の男性の場合、201人に一人が管理職になるが、白人女性は123人に一人、白人男性の場合は87人に一人が管理職に昇進しているという人種および性別間の格差があると報告されている。
アジア人は平均的に学歴 、収入、労働倫理が最も高いと言われているが、リーダーシップの適正能力はどうなのだろうか?という疑問が提起されている。多数のアジア系アメリカ人はシリコンバレーの労働市場に参入しているが、「期待、認識、および役割モデルにギャップがある」ようだ。アジア系の人口は急速に増えているため、職場での向上の機会も増大するべきである。2012年3月に公表されたアジア系人口の国勢調査によると米国の合計人口は2000年の2.814億人から2010年には3.087億人に増加した。アジア人は2000年の1,190万人から2010年には 1, 730万人に増加し、アジア系アメリカ人の人口は10年間で46%も増加した。これは全米人口の約4倍の早さで増加していることを示唆している。
州別で比較した場合、全米で最もアジア系の人口が多い州はカリフォルニアである。
| 州名 (2010年に高い順) | 2000年 | 2010年(順位) |
| 混血含む全アジア系人口 | 11,898,828 | 17,320,856 |
| カリフォルニア | 4,155,685 | 5,556,592 (1) |
| ニューヨーク | 1,169,200 | 1,579,494 (2) |
| ハワイ | 703,232 | 780,968 (5) |
| テキサス | 644,193 | 1,110,666 (3) |
| ニュージャージー | 524,356 | 795,163 (4) |
| イリノイ | 473,649 | 668,694 (6) |
| ワシントン | 395,741 | 604,251 (7) |
| フロリダ | 333,013 | 573,083 (8) |
| バージニア | 304,559 | 522,199 (9) |
| マサチューセッツ | 264,814 | 394,211 (10) |
アジア系人口は10年間の間に総体的に驚異的な増加があることを示唆しているが、特にカリフォルニア、テキサス、ワシントン州で著しい伸び率が記録されている。国勢調査当局は2050年までにはアジア系アメリカ人の人口は4,000万以上に達し、全米人口の9%以上を占めることを予測している。しかし、様々な側面で高い評価を得ているアジア系アメリカ人は昇進の面でガラスの天井に直面している。アジア系は数学や科学に強いだけであり、リーダーシップ能力に欠けるとのステレオタイプが要因であるとの見解もあるようだ。