トランプ大統領は昨夜東部時間午後9時から、バージニア州アーリントンのフォート.マイヤー基地で、アフガニスタンに関する詳細に乏しい新たな戦略を公表した。新たな戦略は明らかに選挙キャンペーン中、彼の支持者に語ったことと逆路線である。解雇されたステーブン.バノンが戻ったブライトバート.ニュースの記者はトランプの決定が白人ナショナリストの政策とは異なると指摘した。また、共和党及び民主党のリーダー層もそれぞれ反応した。長引くアフガン戦争をさらに長期化することを示唆する決定は論争的な問題に発展している。
アフガニスタンでの戦争は米史上最も長い。トランプは選挙期間中、戦争に出費するお金を国内のインフラに利用する方が賢明であるとの米国最優先の立場を繰り返しアピールした。その強調は厭戦傾向の米国民の支持を受け、反グローバリズムまたは孤立主義者の共感を得ることで彼がポピュラリストとしての地盤を固める結果になった。しかし、昨夜のテレプロンプターでの詳細に欠けるスピーチで、トランプは具体的な数値を公表せず、アフガニスタンに増兵すると語った。現在、アフガニスタンにはまだ8,500から9,000の兵士が残っているが、更に数千人増加することを認可したとの結論に至った。トランプは約30分のスピーチで、アフガニスタンでの戦争は17年になり、歴史上最も長い戦争に対する「アメリカ人の苛立ちを共有する」と述べた。
また、自国の安全保障を優先することより、米国の理想に基づく外国の再建のため、あまりにも「多くの時間、エネルギー、お金、もっと重要な生命」を犠牲にしている外交政策に米国人がフラストレーションを感じていることにも共感すると語った。更に、キャンペーン中の立場が変わったことも認め、就任して以来アフガン状況については勉強をしたため、大統領としての認識が変わったと述べた。トランプはその立場の変化を正当化する3つの理由を説明した。最初に、⑴ 多大な犠牲が伴う戦闘で米国に奉仕する男女は「名誉ある永続的な成果」による勝利計画に値する。⑵ 次に、急速な兵士撤廃の結果は予測可能であり許容できない。歴史上最悪の同時多発テロ攻撃である9/11は国の政府がテロリストに安らぎと避難所を提供しているアフガニスタンから計画され指揮されている。早急な撤退はISISやアルカイダを含むテロリストが即座に詰め込む「真空を作り出す」可能性がある。⑶ 最後に「アフガニスタンともっと広い地域で、我々が直面している安全保障上の脅威は非常に大きい」と語った。米国が指定した20の外国テロ組織による活動は「世界のどの地域より最も高い濃度」でアフガニスタンとパキスタンに集中していると述べた。
バノンが支配するブライトバート.ニュースの記者は早速トランプの発表に反応し、トランプの決定は「マクマスターに影響を受けている」と述べている。また「トランプ大統領の今日のアフガニスタン.スピーチは彼の選挙の基盤に同様に異例かもしれないが、新保守的屈曲につながったそのスピーチに誰が影響を与えたかを理解することは困難ではない。H.Rマクマスターの声は明確に聞こえていた。その声はジョージW.ブッシュ政権及びオバマのホワイトハウスから引き継がれたようである。今日、トランプ大統領は彼自身に言い訳し、非介入主義のために投票した彼の基盤に説明しようとした」と述べた。また「これは戦争に対する彼の見通しを変えることではない。米国大統領は非常に鋭敏で頑固な個人です」と述べ、トランプが昨夜公表した決定は彼のものではないと指摘し、最終的に大統領は泥沼に引き込まれると警告した。
トランプは軍事関係者が提示した3つの理由に基づくその決定を公式に認可したことを昨夜公表したため、議会保守派は明らかにトランプの決定を歓迎している。特に軍事政策では非常にタカ派の共和党上院議員ジョン.マケイン及びリンジィ.グレイアムはトランプの決定を支持した。今日上院軍事委員会の首席であるマケインは「正しい方向への大きなステップ」であると賞賛し、その決定に時間をかけすぎたと述べた。マケインの友人であると自称しているグレイアムは、昨夜フォックス.ニュースのインタビューで 「トランプ大統領は政治的な方法を避け、将軍の言葉に耳を傾け、彼らのアドバイスを受ける賢さと道徳的な勇気がある」と述べ「誇りに思う」と賞賛した。下院議長のポール.ライアンは昨夜、CNNのジェイク.タッパーの主催によるウィスコンシンでのタウンホール集会で「新しいトランプ教義」を聞いたと述べた。また「テロリストに安全な避難所を実現させることはできない」と語り、トランプ政権の決定を支持することを示唆した。ほとんどの議会共和党はトランプの公表を支持しているようである。
軍事政策に関しては常に党派的に分裂する。民主党が軍隊派遣をほとんど支持しない傾向は歴史的に顕著である。下院少数派のリーダーであるナンシー.ペロシは今日声明文を公表し、アフガニスタンで「多大な血と財産を無駄にしている」とのキャンペーン中のトランプの主張とは鮮明に異なると指摘した。また、トランプ大統領は「細部」について語っていないので「重大な疑問を提起」すると述べ、軍隊数の上限、米国の「英雄を帰還させる」ための撤退期限、及びアメリカ国民に対する説明責任など「計画と条件についてもっと知る必要がある」と指摘し「包括的な戦略」の説明を求めた。ペロシは、この曖昧な計画はアフガニスタンでの戦いが無期限に続く結果になるとの懸念を表明した。また、2016年大統領選で民主党副大統領候補であった上院議員ティム.ケインは最近共和党を離脱したモーニング.ジョーのホストであるジョー.スカボロとのインタビューで「アフガニスタンの内部政治を支配することはできないと思います。彼らには腐敗の問題などがあります。私たちが魔法の杖で解決できると思うなら、それは間違っています」と語った。また、議会が軍隊増加について論議を行い、投票で決定するべきであると提案した民主党議員もいる。
トランプは何人の兵士を派遣するのか、その勝利の戦略とは何かなど具体的な説明をしなかったことが指摘されている。軍隊のテクニカルな課題に関しては国防総称の決定次第である。基本的に国防長官のジェイムス.マティス、元軍人であった国土安全保障顧問H.Rマクマスター、その他複数の軍事指揮官または将軍クラスのトップ.リーダーの意見が大幅に反映していることは明白である。トランプは軍事に関する経験と知識が無いため、最初から軍事関係者の決定に委ねることを認可している。恐らく、軍事指揮官らがアフガニスタンからの軍隊引き上げを強く奨励した場合、その方針も支持することに疑問はない。オバマ前大統領は2014年にアフガニスタンからの撤退を宣言し、アフガンからの兵士完全撤退のタイムラインを設定し、アフガンに在留する米軍を減少させた。しかし、米国は引き続きアフガン政府を支持し、現在もタリバンは勢力を維持したままである。アフガニスタン政府軍はタリバンと戦っているが、アフガン政府の関心は権力と金力だけであり、指導者は非常に腐敗している。腐敗の長い歴史があるアフガニスタン政府は自国の軍隊を訓練するための出費さえ惜しむ状況で、米国が無期限の軍隊増加を決定することには意味がない。軍隊撤退の躊躇はアフガン政策に失敗したとの批判を避けることが一因であるなら、紛争を益々長期化する可能性が高くなる。