上院議会は、オバマケア撤廃の努力として、最後のグレイアム/キャシディ法案に昨日投票する予定であったが、前日火曜日の時点で3人の共和党議員が不支持を公表した為、上院共和党は投票さえ放棄し、迅速に税制計画の課題に集中する方針に変えた。昨日インディアナポリスの集会で、トランプ大統領は主要点を省略した彼の莫大な減税計画を公表し、その計画は彼には恩恵がないと主張した。この主張に対する多数の意見は彼のような富裕層は大幅に利益があることを示唆している。加えて、トランプの減税計画は世論に反する傾向がある。
今年最後の機会として、オバマケア撤廃を試みた上院共和党は先週、グレイアム/キャシディ法案を紹介した後、有権者及び各種の医療機関を含む内外多数の圧倒的反対に直面した。有権者と専門家の声を無視し、50票の確保だけを目指していた彼らは、上院共和党議員リサ.マーカウスキーの反対票を阻止する為、彼女の州であるアラスカに対する資金提供を大幅に増加した。しかし、ランド.ポールが不支持を表明した後、ジョン.マケインは超党派が交渉した正当な法案ではないことを理由に不支持を表明した。26日スーザン.コリンズは納得できない点が多いとの理由で賛成票には投票できないことを表明した為、上院議会は昨日予定していた投票を放棄し、税制改革に集中することを決定した。トランプは、昨日インディアナ州インディアナポリスで開催された集会で大規模な減税について語った。
そのスピーチの概要は ⑴ 革命的な変化であり、多大な勝利者はアメリカの労働者である。⑵ 大企業及び中小企業の税金を深く削減し、雇用を向上し、賃金を上げる。⑶ 相続税を廃止する。⑷ 税率は最小12%、次に25%(企業への最大率)、最大35%(個人を含む)の3つの控除であるが、議会にオプションを提供する。 ⑸ 高所得者に対して、収入に即した税金支払いを求めるかどうかについては共和党及び民主党は協議する必要があるとして、超党派の支持可能な法案制定をアピールした。⑹ 税制計画は低所得者及び中産階級を保護するが、富裕層ではないと主張し「私は正しいことをしています。そして、それは私には良くありません。信じてください」と述べた。また、インディアナ州出身の米国上院民主党議員ジョー.ドネリーがこの税制計画に協力しない場合、2018年の再選で個人的に彼を打破すると脅した。また、集会の参加者に対して「貴方は彼らを見ている。貴方は彼らを待っている」と 呼びかけることで、彼らの代表議員及び上院議員が行動を起こすよう圧力をかけることを促した。
超党派の法案制定を推進することを印象づけるアピールは穏健的であるが、公的集会で議員を名指しで脅す大統領は過去に存在しない。また、3つの税率に関して、最主要点である収入の幅については何も語っていない。トランプ政権は昨日PDF 9ページの税制計画書を公表しているが、具体的な説明に欠けていると専門家は述べている。この税制計画はトランプを含む富裕層には利点がないと主張した点について、幾人かのニュース.キャスターはトランプの「信じてください」に反応し、「私たちは貴方を信じません」と躊躇することなく表明した。他多数の主要メディアもこの税率はトランプのような富裕層に多大な利益があると分析している。中立系のメディアと民主党議員の一部は彼のような金持ちには利点がないとのトランプの主張に反論している。
28日のロイターは、ビジネスに対して最大25%の税率を要求している点について、個人経営者と夫婦で営業しているビジネス所有者は現在39.6%を支払っているため「多大な節約になる」可能性があると述べている。CBSニュースは代替最低税の廃止は上位中産階級と富裕層に利益があると述べている。また、ニューヨーク誌は「それは真実ではない。税金控除を7から3に減らすことを求めるトランプの計画は、ほとんど全面的に金持ちが支払っている財産(相続税)と代替最低税を廃止する一方で、最高税率を39.6%から35%に引き下げている」と指摘した。上院民主党議員のボブ.ケーシーは「貴方の2005年の納税申告書に基づいて、最高所得率を35%に減らすことは700万ドルの利益があるため個人的に貴方を援助するでしょう」とツイートした。米国民はトランプが今春から公表している同様の大規模な減税計画をどのように感じているだろうか? 26日に公表されたABC/ワシントン.ポストの合同世論調査によると、65% の米国人は現行法の税率では「大企業が支払っている税金はあまりにも少な過ぎる」と感じている。総体的に78%のアメリカ人は中産階級及び低所得のアメリカ人の所得税を軽減することを好み、一方高所得の個人の税金を削減することを支持している率はわずか33%である。これは、富裕層に大幅な減税を行うトランプの計画は世論と相反することを示唆している。
トランプはスピーチの最初に「莫大な減税」という表現で、全ての層に減税することを示唆した。しかし、ある時点で彼のような富裕層には「良くない」と主張したが、 多数のリベラル系のメディアは「明白な虚偽」である、単に「なぜ嘘をつくのか」、「嘘を言い続けている」と批判している。一般的に、民主党議員は金持ちに多大な減税をする計画であると反応し、一方、共和党議員らは長年の決まり文句として、大企業への減税は経済成長が歳入損失を補うと主張している。どのような論理から減税が経済成長につながるのか説明していないが、利用可能なデーターはそれを証明していない。富裕層には利点はなく、もっとも労働者に受益があるとのトランプの主張は誇張であるようだ。毎年相次ぐ災害の援助資金による負債は増え続ける現状で、この大胆な減税計画は現実的な税制改革ではない。歳入が大幅に減少することで、社会保障やメディケアが削減される危険性がある場合、恐らく民主党は同意しない。現実的な税制改革はジョン.マケインが正当なプロセスにより法律を制定することを訴えている通り、両党が妥協点を見出すことで超党派の支持による法案を制定する必要がある。