共和党は税制改革を現在の最優先課題として、その取り組みに集中し始めている。法人減税に関するホワイトハウスのセールス.ポイントは全ての米国中産階級と労働者は$4,000の収入増加があるとアピールしていることである。この数値はトランプ政権の経済評議会(CEA)による推定であるが、5年前に法人減税はほとんど労働者には利益がないことを発見した研究結果を公表した税務分析局(OTA)の情報は削除されている。CEAの推定が正しいことを公式に証明するためには超党派の分析機関が認めなくてはならないが、そのような不審な動きがある限り、注意する必要がありそうだ。
トランプ政権下の経済評議会CEAは今月法人税改革と賃金:理論と証拠と題する論文を公表した。その文書によると、法定連邦法人税率を35%から20%に下げた場合、アメリカの平均家計の収入は非常に保守的な見積もりで少なくとも年間4,000ドル上昇すると述べている。また、もっと楽観的な見積もりを使用すると、アメリカの平均的世帯の賃金引き上げ額は9,000ドルを超えていると述べている。この報告を受けて、22日ホワイトハウスの報道官サラ.ハッカビー.サンダースは「平均的なアメリカ人家族は、大統領の減税計画下で4,000ドルの収入増加があるでしょう。ですから、どの議員がそれに反対することができますか?」とツイートした。
しかし、この論文にはピア.レビュー(査読)のプロセスが欠如している。通常、このような重要な結論には同分野の専門家及び研究者が調査し検討した上で、それが正しいかどうかを評価する必要がある。しかし、先月28日ウォール.ストリート.ジャーナル(WSJ)はトランプ政権の財務省がピア.レビューのサイトを削除したことを発見した。トランプ政権の税制改革に関する財務省の主張は、過去の政権の主張と完全に逆であるため、トランプ政権が今月公表した4,000ドルから9,000ドルの主張にピア.レビュー機関が同意していない可能性がある事を示唆した。財務長官スティーブン.マヌーチンは今月初旬法人税を削減する計画についてフォックス.ニュースでのインタビューで「大半のエコノミストは、法人税の70%以上は労働者に支払われていると信じている」と述べた。しかし、5年前オバマ政権下の財務省は「企業の減税は労働者ではなく資本の所有者に圧倒的な利益をもたらす」と全く正反対の調査結果を公表した。これらの調査結果は、財務省のウェブサイトから削除されたことをWSJが報じた。税務分析局(OTA)による2012年の論文は共和党の税制改革案下で、労働者は法人減税の恩恵の約18%を得るだけであり、資本の所有者は82%を享受することになると結論づけた。現在の計画では、法人税率は35%から20%に下がる可能性がある。
環境保護局(EPA)はトランプ大統領が就任直後、前政権の気候変動に関する調査や研究データーを削除したが、別の部署でも同様のことが起きている。OTAは財務省の管轄であるため、異なる調査結果を削除することは簡単である。従って、超党派の独立した機関のピア.レビューがない限り、信ぴょう性に欠ける側面がある。複数の世論調査によると、大半の米国民は、年間4,000ドルの利益をアピールしている共和党の減税計画に懐疑的であり、労働者には利点がないことを理解している。例えばCBSニュースが15日に公表した世論調査によると、58%の国民はトランプの減税計画は金持ちを優遇すると信じており、中産階級または労働者を待遇すると信じている率はわずか18%である。24日のロイターによる調査では「ドナルド.トランプの減税計画を支持しているアメリカ人の数は1/3に満たない」が、党派ラインに分かれ、共和党支持者の56%は支持し、民主党支持者の場合わずか9%である。また、APの調査に基づく 25日の USAToday の報告によると「少なくともこの計画について聞いたことのある69%の成人」はトランプの減税計画が「大企業に役立つ」と信じている。党派別には民主党員の70%、共和党員の69%が同じように感じており、最新の調査では超党派的であることを示唆した。大半の米国民の反応は歴史的に共和党の減税計画が、彼らに顕著な利点がないことを体験的に認識している事を示唆している。
にもかかわらず、国民の声を無視する上院及び下院議会のリーダー達は法人税20%を推し進めるだろうと予測されている。法人減税に関する過去の OTAの評価を削除した不審な動きに加えて、9月27日税制計画を発表した際、トランプは彼と彼のような富裕者には利益はないと主張した。しかし、ワシントン.ポストはトランプ大統領の税金計画は財産税を撤廃する条項により、トランプ及び彼の家族を含む高所得層は「10億ドルも節約が可能である」とニューヨーク.タイムスの分析を引用し、彼の減税計画ほど「労働者や中産階級にしでかす詐欺(SCAM)の良い例は恐らく他にない」と指摘している。一部の抗議活動家らは「トランプの税スキャム」に騙されてはいけないと警告している。