上記50品目の野菜や果物の中でもグリーン.ビーンは過去20年間に高リスクのカテゴリーに入っている。消費者報告(コンスーマー.リポート)によると、Food Safety and Sustainability Center(食品安全持続性センター )の毒物学者ウルバシ.ランガン博士は「個々の農薬について許容レベルが計算されている」と述べている。調査によると、米国民の1/3は食品に許可されている異なる農薬の数に法的な制限があると信じている。しかし事実はそうではない。米国農務省(USDA)が試験した農産物の1/3は2種類以上の農薬の残留物があることが判明している。ランガン博士は「これらの混合物の影響は未確認で未知である」と述べている。専門家は研究結果に基づき、農薬の健康への影響、誰が農薬暴露のリスクが最も高いか、有機農産物(オルガニック)を食べると農薬を避けることが可能になるのか、農薬残留物は洗い流すことが可能であるかなど、適切なガイドラインを提供している。
農薬による健康上の影響に関する多くのデータは、これらの化学物質を定期的に扱う農業労働者を対象にした研究に基づいている。多くの研究では、このグループに長期的な農薬曝露がアルツハイマー病、パーキンソン病、前立腺癌、卵巣癌、その他の癌、うつ病、呼吸器障害などのリスク増加に結びついている。農場に住む成人や子供は慢性的な健康問題の危険に晒されるとの示唆がある。他一般的国民は食べ物、水、空気を通して露出している。農薬の残留物が一般にEPAの耐性限界以下であるという事実は、健康リスクが最小限であることを証明するため時々使用されるが、これらの耐性を設定するための研究は限られている。2010年の環境がんリスクに関する報告書では、がんプログラムを監視するPresident’s Cancer Panelは「米国の全人口は日常的に多くの農薬に晒されている。これらの化学物質の多くは、発癌性または内分泌撹乱性であることが知られているか又は疑いがある」と説明している。内分泌撹乱物質は、低用量でもホルモンの作用をブロックまたは模倣することが可能である。マイケル.クルパイン博士は「内分泌作用はEPAの農薬耐性レベルに十分考慮されていない。また、生殖障害、先天性欠損症、前立腺癌、および他のホルモン関連性の癌を引き起こす可能性の懸念がある」と述べている。
特に、最も影響を受けやすいのは子供と妊産婦である。子供の代謝は成人と異なるため、毒素は子供の体に長く残り、もっと多くのダメージを与えることが可能である。殺虫剤の暴露は、母胎を始めとする多くの段階で子供の発育に影響を及ぼす可能性がある。ニューヨークにあるマウント.シナイ病院アイカーン医学部の子供環境保健センターのディレクターであるフィリップ.ランドリガン医師は「胎児、乳幼児、および子供は、彼らの器官および神経系がまだ発達しているため、農薬の影響を受けやすい」と述べている。子供は 彼らの体重に対して成人より多く食べるためリスクは集中する。子供の健康リスクは重大である。少量の農薬でさえ成長の重要な段階で子供の脳化学を変える可能性がある。8〜15歳を対象にした1つの研究は、有機リン酸(OP)と呼ばれる、特に有害な農薬の暴露マーカーの尿中濃度が最も高い子供は検出できないレベルで注意欠陥多動性障害の発症が2倍であった。7歳を対象にした別の調査では、妊娠中にOPレベルが最も高い母親から生まれたカリフォルニア州農場労働者の子供たちは、妊娠中に最低OPレベルの母親から生まれた子供より平均 7ポイントIQが低いことを示した。これは、低レベルの鉛暴露で苦しむ子供たちのIQ損失に匹敵する。
成人へのリスクは低いが、まだ懸念はあると専門家は述べている。ワシントン州立大学の持続農業と天然資源センターの教授であり、コンスーマー.リポートのコンサルタントである チャールス.ベンブルック博士は「農薬の暴露はまず、がん性腫瘍の発症リスクを高める可能性がある。次に、貴方の体は腫瘍の増殖を抑制できません」と述べている。加えて、研究は妊娠の問題、免疫系の損傷および神経系の問題に伴う内分泌攪乱にリンクしている。クルパイン博士は「しかし、癌とは異なりこの時点でそれらの影響を定量化することは困難です」と述べている。 オルガニック食品のみ摂取する場合、農薬の混ざった農産物を食べた事にはならないのか?との疑問に対して、専門家は農薬には合成と自然の 2つのグループがあると述べている。合成は実験室で作成され、自然のものは自然界に存在する物質である。天然の農薬は、通常合成されたものより毒性が低い。従来の農業で使用されている最も有毒なものも含めて全ての合成農薬の大部分は有機農法で禁止されているが、農薬の漂流があるため、従来の農作物に散布された化学物質は近辺の有機農場に散在する可能性がある。それでも、コンスーマー.リポートの分析による有機農産物は全て、非常に低リスクであるか又は低リスクのカテゴリーに分類されている 。
農薬残留物は洗い流すことができるか?これは非常に興味ふかい疑問である。コンスーマー.リポートの最近の調査によると、約50%の国民は果物や野菜の皮を剥がすと殺虫剤を除去するか又は減少させると考えており、43%は洗う事で除去できると考えている。すすぎ洗いは、汚れや細菌だけでなく、表面の残留物も取り除くことが可能であるが、農薬又はリスクを完全に洗い流すことはできない。殺虫剤は柔らかい皮に固着することがあり、一部の農作物に使用されるワックス.コーティングは農薬残留物を捕まえる役目を果たしている。幾つかの農薬は植物の根系に取り込まれ、果物や野菜の肉に入って洗い流す事は出来ない。USDAは冷たい流水ですすぎ、及び/又は食べられない皮や外皮を取り除いた後、残留農薬を測定する。従って、食生活リスク.ガイドを計算するために使用される残留農薬は、果物や野菜が自宅で準備された後に残るものである。特別な洗剤は不要であるが、一般的な野菜や果物および有機農産物は水道水を流しながら洗うことが重要である。コネチカット農業実験場の研究者たちは、① 果物や野菜を単に1分間水洗いする、② 4種類の野菜用洗剤を利用して洗う、③ 食器洗い用液体洗剤と水で洗った後の残留を比較し、水だけで洗ったものは洗剤を利用した結果と同じくらい効果的であることを発見した。桃のような柔らかい皮はこすり、ジャガイモやニンジンのような硬い農産物はブラシを利用して洗うと農薬残留物と汚れや殺菌を取り除くのに役立つと述べている。
結論として、農薬の危険性は事実であり、オルガニックは常にベストであるが、果物や野菜には無数の健康上の利点があると述べている。2012年の研究では、果物と野菜の摂取量の増加は毎年推定2万件の癌症例を予防することを可能にする。一方、農産物からの農薬に起因する癌は年間10件であると述べている。別の研究では、1日当たり少なくとも3回果物と野菜を摂取する人々は、脳卒中、高血圧、および心血管疾患のリスクが低いことが判明している。