比較的に予測しやすい2018年のグローバル問題は、引き続きロシアが西洋諸国、特に米国の選挙に干渉することである。ロシア関連の捜査が進展するに従って妨害の動きも強化されるが、新たな驚きの情報が公開されるかもしれない。トランプに対する弾劾の予測に関し、幾つかの理由に基づき、少なくとも共和党が議会を支配する2018年の中間選挙前にその可能性があるかどうか疑問である。次に、多数の政治批評家は2018年の選挙結果について予測している。トランプ政権は今年、ダカ(DACA)移民法を廃止し、来年3月までに議会が法案制定に取り組む猶予を与えた為、来年DACAの移民法は重要な局面を迎える。予算問題はすべての国内プログラムの安定性に直接関連しているため、共和党の大幅な減税に続く国内プログラム削減の試みはセクエスターを引き起こす要因になる。
2018年もロシアは引き続き米国の議会選挙を干渉するが、トランプ政権はロシアの妨害の証拠があってもそれを認めることも防止することもないと予測されている。11月1日シカゴ国際事務局での集会で、オバマ政権の副大統領であったジョー.バイデンは「ロシアの我々の選挙に対する攻撃は孤立した出来事ではない」と述べ、それは「意図的で進行中である」と警告した。また「不正な情報を流し、我々のネットワークに侵入し、政治組織を腐敗させるロシアの努力は、我々が2018年にもう一つの重要な議会サイクルに向かう中で続く」と語った。既に半年前から一般的にロシアは2018年及び2020年に米国の選挙を妨害すると予告されている。
しかし、米国諜報機関がロシアの行動を把握し、それを警告しても、トランプ政権はそれを停止することが不可能であるか又は停止する意思がないことは認識されている。ロシアの大統領ウラジミール.プーチンは引き続き米国及びヨーロッパ諸国の民主主義を崩壊する意図があり、彼の野望は複雑であるため、その妨害の方法は不明であることが主な問題である。2016年の選挙で、ロシアがドナルド.トランプを勝利させるため、米国の大統領選挙に干渉したとされる調査では、トランプ大統領は米国の諜報機関を信頼するより、むしろプーチンに傾注しているため、彼の勝利を「非合法化するためのフェイク.ニュースである」と主張している。また、トランプはヒラリー.クリントンが人気投票を数百万多く獲得したとの選挙結果に対して、数百万の不正投票があったとの証拠を提示しない誤情報を広めている。
混沌が絶えないトランプ政権一年後の今日、民主党は少なくとも下院議会で多数派を取り戻すと予測されている。24日のニューヨーク.タイムスによると、2018年の議会(中間)選挙には下院共和党の議席に多数の民主党が登録しているため、2016年とは異なり勝利する可能性が高くなっている。民主党候補者は、その論争的な選挙から1年以上が経過した現在、共和党が保有している下院20の地区で立候補するが、これに比較し、80の地区で民主党は共和党の座席はなく、現在共和党の挑戦者は存在しない。また、民主党は2016年にクリントンが勝利した地区で立候補を登録しているだけでなく、共和党の人気が高いテキサス、アーカンソー、ネブラスカなどの州で保守派の議席に登録し、挑戦している。2016年これら保守派の議席に民主党が勝利する可能性はなかったが、民主党は今年、これまでの歴史と異なる変化を見ている。全国的にさほど知られていなかった民主党のダグ.ジョーンズは完全な保守州のアラバマで共和党のロイ.ムーアに勝利したことも一例である。トランプ政権約一年後の劇的な変化として、大半の米国人は民主党が議会をコントロールすることを望んでいる為多大な励みになっている。下院議会で民主党が多数派になると予測されているが、共和党は現状を維持すると予測しているため、この予測は党派的観測であることを示唆している。CNN両党の政治批評家14人の予測によると、民主党が下院で多数派になると答えた人は8人、3人は共和党と答えた。また2人は民主党が多数の議席を獲得するが、多数派になるには議席が不足すると答えた。1人はもっとも楽観的で上院及び下院のいずれも民主党が多数派になると述べた。
一年以内にトランプは弾劾されるとの複数の政治学者の予測に反して、来年もその可能性は低い。加えて、ロシア関連の捜査は来年早々に終わるとのホワイトハウスの希望的観測に反し、特別捜査官ロバート.ミュラー.チームの捜査が終わる時期は、一般的に早くても来年末であると予測されている。民主党が両院で多数派にならない限り、トランプが来年弾劾される可能性は低いように見える。トランプ就任以来、共和党の態度は盲目的にトランプ忠誠派であるか、又は謀反派であるか、あるいは沈黙を守り距離を置いている3種のタイプに分類することが可能である。 最初の二つの対極的なグループは少数派であるが、圧倒的多数派は混沌たる政策と前代未聞の違法行為があるトランプに対する大統領としての適正に懐疑的である。しかし、ミュラー.チームに対する批判や抵抗が増加しているため、共和党は彼らの大統領を弾劾する可能性はない。また、2018年に副大統領マイク.ペンスが憲法第 25条を行使する可能性は低い。
2009年オバマ大統領が就任した当時、上院議会の共和党少数派リーダーであったミッチ.マコーネルはオバマを「1期(4年間)のみの大統領で終わらせることが最優先課題である」と語った。トランプはそのオバマの功績を次から次に撤廃している為、マコーネルのようなリーダーにとってトランプは役に立つ存在である。共和党は税制改革法案を通過するまで、トランプを弾劾することを待っているとの説もあったが、最近、FBI及びロシア関連の捜査チームを妨害する動き及びミュラーに対する圧力が強くなっている。従って、2018年にトランプ政権の閣僚及び議会がトランプを弾劾することはないはずであるが、民主党が両院で多数派を獲得し、トランプがミュラーを解雇しない限り、その可能性は低い。しかし、調査が進行すればするほど、ミュラーを解雇する危険性も高くなり、来年さらに捜査当局とホワイトハウスの緊張はエスカレートする可能性がある。
トランプは今年、パリ協定も含めてほぼ全て大半の国民が望んでいない複数の政策を廃止した。移民政策もその一つである。大半の米国民は不法移民、特に子供の頃両親に連れられて米国に入国し、米国で成長し、教育を受け、税金を支払っているDACAプログラムの移民を保護することを支持している。しかし、トランプ政権は9月非人道的にこのプログラムを排除し、来年3月までに議会が修正することを要求した。その後、民主党リーダーとの協議で彼らを強制送還しないことを約束した。しかし、このプログラムの提唱者を含む一部の民主党は DACAを延長しない限り、政権の各部署に予算を提供する継続法案(CR)に投票しないと主張した。下院少数派リーダーのナンシー.ペロシは、休暇中ドリーマーに恐怖を残したままま、議会を去ることはできないと強い態度で臨んでいた。 CR法案が通過しない場合、政府閉鎖の懸念があったため、議会両院は21日、政府閉鎖を防ぐため、子供の医療保険プログラムも含めて現存するほぼ全てのプログラムの予算を含むCR法案を通過した。
下院議長ポール.ライアンは、大半の共和党はDACA法案に取り組むことを望んでいると報告したため、来年から少なくともドリーマーに関する新たな法律が制定される可能性が高い。しかし、医療保険と税金改革において、民主党との協議を完全に拒否したマコーネル及び彼の同盟は、来年政策課題の取り組みには民主党との交渉による超党派の路線であるべきだと主張した。これは、トランプ政権下で一年間極端に党派的な政策を強引に推し進めた結果、今年の特別選挙では全国的に無党派の支持を失ったため2018年の中間選挙での敗北の懸念を反映している戦略であると思われる。民主党と協議する場合、DACAプログラムの問題を避けることは不可能であるため2018年1月にはDACAに関する超党派の交渉が行われるはずである。しかし、トランプは10月DACAとの引き換えに壁建設も含む国境の強化を主張した。壁建設は民主党との交渉を困難にする一因である。
加えて、議会はトランプの主な公約の一つであった大幅な減税法案の通過を達成したため、来年予測される現実的な課題は予算及び支出の削減である。議会共和党は、来年初頭から彼らが12月20日に通過した巨大な減税に伴う大幅な赤字を穴埋めするため、メディケア、メディケイド及びフード.スタンプなど共和党がエンタイトルメントと呼ぶ国内プログラムの削減を主張する可能性が高い。基本的に共和党は、減税は経済成長を促進するが、福祉はそうではないと主張している為、社会保障もその削減の範囲に含める努力をするかもしれない。国民は社会保障税を支払っているため、これは福祉ではないが、戦略としてそのような表現を用い、徐々に民営化することが長年の共和党の要望である。
2018年の中間選挙で民主党が大幅に勝利する前に、共和党は多数の国内プログラムの削減を提案又は推進する可能性がある。しかし、トランプはメディケアと社会保障は削減しないと彼の支持者に公約しているため、その公約に忠実であることが明白な場合、共和党はこの二つに関しては慎重であると思われる。しかし、巨大な減税の次に共和党が目指すものは政府支出の大幅な削減である。トランプは国境での巨大壁とインフラ整備を行うと公約しているため、巨額の予算を共和党が提供するかどうか疑問である。これまでその動きはなかったため、約5年前と同様のセクエスターに導く政策を繰り返す可能性がある。この減税を推進したライアンは2018年の再選に立候補しないと公表した為、彼は一斉の責任から逃れることが可能である。従って、ライアンは来年早期に人気のある メディケアと社会保障の削減を提案するかもしれないが、選挙年にその改革を推し進めることは共和党にとってマイナス要素になるはずである。