インド洋に浮かぶ110以上の島で構成されるセイシェルには中東の役人やオイル関連のビジネスマンが滞在する豪華なホテルが散在する。特別捜査官ロバート.ミュラーは2017年1月ドナルド.トランプが就任する前、トランプ移行チームがトランプ次期大統領とロシア大統領プーチンとの秘密の会話を促進するバック.チャンネルを設置する努力があった証拠を集めたと昨夜報告された。その最初の会合はセイシェルでの豪華なホテルで行われ、その会合を手配したレバノン系アメリカ人で アラブ首長国連邦(UAE)の王子の顧問であるジョージ.ネイダーは、現在ミュラーの捜査チームに協力しているという皮肉な展開になっている。2016年の大統領選に干渉したロシアの努力を調査しているミュラー.チームは、徐々に謎を解明しつつあるが、この報告は何を意味している?
昨夜、最初に報告したワシントン.ポスト(WP) によると、特別捜査官ミュラーは2017年1月、トランプの就任前にセイシェルで行われた秘密の会合が移行時期のトランプ次期政権とロシアとの秘密のバック.チャンネルを達成するための努力であった証拠を握っているようである。移行時期に行われたトランプ側の密使は、現在トランプ政権の教育省長官であるベッツイ.デヴォスの弟エリック.プリンスである。プリンスは民間企業セキュリティ会社ブラックウォーターの創始者であり、ロシアの大統領ウラジミール.プーチンに近いロシアの役人と会った。彼は昨年、11月下旬下院情報委員会での証言で、会合の計画はなく偶然であると述べた。ミュラーに協力している幾人かの証言者はその会合は事前に設定され、トランプ移行チームの代表者は2カ国間の将来の関係を論議する為モスクワからの密使と会った事を調査官に語った。
ジョージ.ネイダーはその会合の段取りを援助し、セイシェルでの会合に参加した事をトランプの移行チームとクレムリンの密使との論議についての証拠を集めている大陪審の前で証言した。ネイダーは今年1月中旬、ダレス国際空港でFBIに呼び止められ、大陪審での証言に召喚された。彼は調査官らに何回も会い、現在特別捜査官ミュラーに協力している。一方、デヴォスの弟プリンスは昨年、下院情報委員会での証言で、複数の人物による証言とは異なる内容を語ったことが判明している。ネイダーの協力は、セイシェルで秘密の会合を設定した本人が皮肉にも現在、特別捜査官らに全てを告白していることを意味するが、プリンスは昨年の議会証言で、ロシア政府が創設したロシア直接投資ファンドの富豪者のキリル.ドミトリーフに会ったことは計画的なものではなく偶然であると語った。彼はインド洋の高級ホテルにUAEからの役人と一緒に滞在していたためであると弁護した。プリンスは下院情報委員会での証言で、UAEからの役人とビジネス論議のため、そこに居合わせ、ホテルのバーでドミトリーフに会うよう予想外の提案があり、ビールを飲みながら石油や商品についてビジネスの会話を約30分程度行ったと語った。彼は、セイシェルへの旅行はあくまでも個人的なビジネスであり、トランプ移行チームの公式または非公式な密者ではないと主張した。
しかし、トランプが就任する一週間前のセイシェルでの会合は、モスクワと次期政権とのコミュニケーションのバック.チャンネル.ラインを達成するための努力の一部であるとして、米国、ヨーロッパ、アラブの役人によって説明された。提起された新たな証拠は、セイシェルでの会合についてプリンスの説明には矛盾があるとWPは指摘している。ネイダーとプリンスは長年の知り合いであり、ネイダーはトランプ移行チームにも良く知られている。地域の巧妙な外交をナビゲートすることが可能な中東での政治的コネクションのある人物として、彼は2016年12月ニューヨークで開催されたトランプの顧問及びアブダビ皇太子との会合にも参加した。WPによると、調査官らは、セイシェルでの会合は二国間政府が秘密の会話を行うためのラインを達成するための最初の努力の一部であると疑っている。ネイダーの直話は重要な証拠として考慮されているが、それは単なる証拠ではなく、セイシェルで起きたことについての証拠である。ネイダーはUAE指導者の顧問として長年奉仕し、一回以上トランプの役員らと会った。その中にはトランプの娘婿ジャレッド.クシュナーや当時政策戦略家のスティーブン.バノンが含まれている。セイシェルでの会合後、ネイダーはホワイトハウスを数回訪問し、少なくとも一回バノンや.クシュナーに会っている。
セイシェルでの会合に関するミュラーの関心は、トランプ.キャンペーンを援助するため外国のお金が注入されたかどうかである。また、移行期間中及び政権早期期間にトランプの役員らが外国の役人、特にロシアとどのようにコミュニケーションを図ったのかどうかに関心を抱いているとWPは伝えている。 UAEはロシアが、イランとの関係を縮小するよう説得することができるかどうかを検討するため、この会合を仲介することに合意したと米国、ヨーロッパ、アラブの関係者は述べたという。そのようなモスクワの譲歩は、2014年ウクライナへの介入に課せられたロシアに対する米国制裁の緩和を要求するためであると見られている。一方、プリンスはトランプ.キャンペーン及び移行チームの公式なメンバーではなかったが、トランプとプーチンとの会話を実現するため秘密のバック.チャンネルを達成する努力に関与したトランプ移行チームの非公式な特使としての役目を果たしたと複数の証言が明白にした。
ミュラーはセイシェルでの会合について調査しながら、新政権とクレムリンとの秘密のバック.チャンネルを達成するその努力について広範な角度から捜査していることを示唆している。これは前代未聞の怪しげな行動であることは明白である。なぜ、トランプ政権は前政権が課したロシアに対する制裁を解く努力を就任後まで待たず、秘密のバック.チャンネルを設置する必要があったのか?これは前代未聞の異常な行動である。お金を追え(follow the money)との表現があるが、なぜ特別捜査チームはロシア関連調査で、トランプ組織のお金を集中的に追っているのか? 特にカジノの経営に失敗したトランプの選挙前の財務状況をミュラーは既に把握している可能性があることを示唆している。