強烈な反響のあるイラン核協定からの撤退は何を示唆?

トランプ大統領は今日東部時間午後2時から2015年イギリス、ドイツ、フランス、中国、ロシアを含む6か国が署名したイラン核合意から撤退すると発表した。撤退の決定を思い留まるよう要請した幾つかの同盟国リーダーの努力は無意味であった。トランプの今日の発表は濃厚な反響を呼んでおり、特に関係者は強烈なコメントを公表した。イラン協定を理解していないとして批判されているトランプの一方的な決定は何を示唆している?

トランプ大統領は8日、ホワイトハウスからのイラン協定撤退スピーチで 、イラン核合意は「片側だけ」の協定であり、イランは「合意に従っていない」、「その核心に欠陥がある」と 述べ「これまで決して、するべきではなかった恐ろしい一方的な取引です」と表現した。また、米国は「最高水準の経済制裁を導入する」と付け加えた。複数の情報源によると、トランプは4月30日ホワイトハウスでの記者会見で、イラン協定は7年間で失効するため、イランは自由に核兵器を作ることができます。それは受け入れられません。7年は明日です」と語っている。トランプは4月中旬から、彼の公約の一つであるイラン協定の撤退及びイランに対する制裁の再開について語り、5月初旬に結論を出すと述べていた。

幾人かの同盟国のリーダーは、トランプが撤退の結論を出す可能性が強いことを非常に懸念した。特にフランスの大統領エマニュエル.マクロンは4月末米国を訪問し、 核計画を超えて米国と欧州がイランに関する懸念に取り組むための「新たな交渉」を行うことをトランプに提案していた。昨日も最後の瞬間まで、マクロンはトランプが撤退しないよう説得に努力したと言われている。イラン核合意は共同行動の包括的計画Joint Comprehensive Plan of Action (またはJCPOA)と呼ばれており、西洋諸国は、中東での核競争及びイランが爆弾を製造することを防ぐための最大の方法であると信じているため、フランスに加えて、イギリス、ドイツもイラン協定を維持することをトランプに要請した。

トランプの発表を受け、その反響は多大である。 イランの首相ハッサン.ロハニは、トランプ大統領への発表直後に反応し、イランは当分核協定を維持した状態で残ると発表した。ロハニ首相は「必要に応じて、原子力エネルギー局(IAEA)に対し、制限なく自らの産業集積を開始するための次のステップを準備するよう指示しました。この決定に関する行動を取る前に数週間待ちます。 私たちは友人、同盟国、及び協定に署名したメンバーと相談します。すべてが国益にかかっています。我々国家の利益が最終的に達成された場合、我々はそのプロセスを継続します」と述べた。専門家はトランプがこの協定を良く理解していないか又は混乱していると述べている。シカゴ.トリビューンによると、非拡散研究センターの東アジア非拡散プログラムのディレクターであるジェフリー.ルイスはJCPOAに関連する多くの措置は7年後に無効になるが、他のものは全く失効しないと述べ、トランプの主張は「完全に間違っている」と指摘した。

イラン核協定はオバマ政権の顕著な業績の一つであると言われていたため、オバマ前大統領は、トランプ大統領の今日の決定が誤りであると指摘した長い声明文をフェイスブックに公表した。その中で、「核兵器の潜在的な普及及び中東におけるさらに破壊的な戦争の可能性」が重要な問題があるため「JCPOAを交渉」したと述べ、JCPOAは明らかに機能していることが現実であると指摘した。また「欧州の同盟国、独立した専門家、および現在の米国国防総省長官が共有する意見です。 JCPOAはアメリカの関心事であり、イランの核計画を大幅に後退させました。JCPOAは、外交が成し遂げることのできるモデルです。その点検と検証の体制は、米国が北朝鮮と協力して取り組まなければならないものです。確かに、我々が北朝鮮との外交を成功させようとしている時に、JCPOAから遠ざかることは、イランとの間で成立する取引を失う危険性があります。それは今日の発表が間違っている理由です。JCPOAから遠ざかることはアメリカの最も近い同盟国、そして我が国の主要外交官、科学者、情報専門家が交渉したことに背を向けることになります」と述べている。

この決定について、トランプを賞賛する表明を行っているリーダーはイスラエルの首相ベンジャミン.ネタニヤフである。ネタニヤフは4月30日、テルアビブのイスラエル国防省からの演説で、イランは核兵器を追求していないと「嘘をついた」が、そのイスラム共和国は秘密の収容所に「原子爆弾」を保管していると述べたことを5月1日にCNNが伝えた。トランプは今日の声明で、イスラエルがイランの嘘を先週暴露したと述べ、イランは協定には従っていないと主張した。しかし、議会調査機関による2017年9月の報告書によると、IAEAの調査官はイラン政府が明らかにした核施設や活動を調査する能力があり、加盟国からの情報を求めるIAEAの権限を増加し、特定の核関連施設、通知されていない核施設および活動を調査する能力があり、国際的な査察官に核活動を知るための幅広い権限を与えることにもイランは同意している。IAEAの検査能力と権限は想像以上に堅固である現状下で、原子爆弾を保管している証拠は発見されていない。ネタニヤフは中東で彼の国だけが核を保有することを望んでいると言われているが、同日ニューヨーク.タイムスは「イランが協定に違反していると主張するその証拠を提示しなかった」と指摘した。

オバマ政権下で開始されたイラン協定を簡単に言えば、イランに対する国際的な経済制裁を解く代わりに、爆弾の製造を不可能にすることや、徹底した検査を行うことも含めてイランが核プログラムを制限することに同意したものである。しかし、その合意を引き下げた場合、イランは核プログラムを制限する必要がなくなることを意味する。従って、現在わずか数%に制限されたウラン濃縮を、以前よりもっと大幅に増大することが可能になる。トランプはオバマの功績となったこの協定を最初から好んでおらず、2015年4 月3日午後4時過ぎ「イランの核取引は、米国と世界にとって酷いものです。 イランを豊かにし、大惨事につながるだけで何もしない」とツイートした。トランプは核については認識不足であると指摘されている3年後の今日もなぜ、ロシア、中国、フランス、イギリス、ドイツ、及び欧州連合が交渉を行い同意した画期的な協定を撤退する理由があるのか説得力のある説明をしていない。オイル市場、国際貿易問題も含めて、大規模な国際的問題であるだけに論争的な問題に発展すると思われる。

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