マコーネルの戦略は上院議会で多数派を維持するため?

上院議会の共和党多数派リーダー、ミッチ.マコーネルは8月の休暇をキャンセルした。この理由については、上院で再選に直面している民主党のキャンペーンを阻止するためであるなどを含めて幾つかの憶測がなされている。現在上院はわずか2名の共和党議席で多数派を維持しているため、彼が多数派のリーダーとして存続するためには、11月の中間選挙で何らかの戦略が必要であることは必然であるが、上院多数派を維持するためのマコーネルの戦略であるなら、幾つかの理由により、それが正当な手段であるかどうか疑問である。しかし、民主党リーダー達は、国民のために論議する絶好のチャンスであるとして冷静に対応しているが、マコーネルの懐疑的で論争的な戦略は何を意味しているだろうか?

8月の議員らの休暇をキャンセルしたマコーネルの動きに複数のメディアは今日反応している。これについて、5日のロイターによるとマコーネルは「大統領指名に対する上院民主党による歴史的な妨害および会計年度終了前に支出法案を通過させる目標のため、8月の休憩は中止された」と述べた。これに対して、古参上院の民主党補佐は、上院での立法的な進歩とはあまり関係はなく、11月の選挙で厳しい再選キャンペーンに直面している民主党議員にもっと関連性が深いと述べた。つまり、マコーネルの目的は「民主党が地元で選挙運動に参加することを防止するため」であり、上院議員で共和党が支配する「多数派を維持するため」であると補佐官は語った。マコーネルの計画は、8月の第1週のみ上院議会を休暇にし、その後は9月30日までに期限切れになる予算の継続(CR)法案や大統領指名の候補者に投票する予定である。しかし、議会8月の休暇は恒例の議員の夏休みであり「再選キャンペーン及びキャンペーンの資金調達活動を強化する時期」として一般的に保護されている。従って、その慣例に従う下院議会は、夏休みのスケジュールを変える予定はない。マコーネルは昨年も同様の発表をしたが、実際には8月の休暇中に議会をオープンした期間は最初の1週間だけであった。

同日のワシントン.ポスト(WP)によると、マコーネルは共和党の上院議員とのドア裏での昼食会で、8月の休暇は最初の1週間のみにすると発表した。実際には、この発表の前に上院共和党の幾人かが先月マコーネルに手紙を送り、トランプが指名した候補者および法案に投票するよう要請し、多数の共和党はワシントンに残る意欲は高まっていると説得した。従って、多数の上院共和党は、マコーネルの発表を予期していたという。マコーネルは昼食後「私たちには重要な仕事が沢山あります」と述べ、予算法案や指名手続きを進める為には「8月にここに来て、私たちの仕事をする必要があります」と述べた。

この戦略は、地元に戻り夏休みをキャンペーンで過ごすことができない民主党に多大な危惧を与えることになる。ワシントンに残り、上院としての仕事を果たすか、または地元州に戻り、キャンペーンを行うことで「政府の責任を縮小している」と批判されることを選択するかどうかの「ジレンマ」に直面すると懸念されている。一方、民主党に挑戦している地元の共和党は、肝心の敵がキャンペーンに参加していないため、非常に有利な選挙戦を展開することを可能にする。しかし、民主党のリーダーたちは、マコーネルの発表に対して神経質に反応せず、処方薬の価格も含めて「医療保険の費用などについて論議する余分な時間があることを歓迎」している。民主党少数派リーダーのチャック.シューマーは「素晴らしい偉大な機会です」と述べ、この機会に医療問題に集中するようプレッシャーをかけるつもりであると表明した。彼は記者団に、マコーネルは誰よりも、共和党判事の指名の取り組みに時間をかけてきたと語った。民主党上院議員選挙委員会の委員長であり、二番目のリーダー格であるクリス.ホーレンは「実際にアメリカ人のためにできることがあれば、それはいいことだと思います」と述べた。厳しい再選に直面すると言われているウェスト.バージニアを代表する民主党米国上院議員ジョー.マンチンは、下院議長ポール.ライアンにも夏休み返上で働くことをマコーネルが奨励するべきであると語った。

米国上院議員で今年11月の再選に直面している民主党は24人、無党派2人、共和党は9人であり、大半は民主党であることが、マコーネルの戦略に注目すべき主な理由である。WPによると、再選に直面する共和党9人の中で、最も「脆い」米国上院議員はネバダを代表するディーン.ヘラーである。一方、民主党で苦戦に直面する可能性が高い米国上院議員は、2016年大統領戦でトランプを支持した保守派州のインディアナ、ミズーリ、モンタナ、ノース.ダコタ、ウェスト.バージニアで再選に挑むメンバーである。従って、マコーネルにとっては、上院で再選する民主党のキャンペーンを阻止し、トランプ大統領が指名した政権官僚の空席および連邦判事に関する指名者の投票をするため、上院議員の夏休みをキャンセルする方が有利だからである。上院共和党は、脳の癌療養のため上院議会に参加していないことが多くなっているベテラン共和党議員ジョン.マケインを含めて51対49のわずか2席で多数派を維持しているため、11月の選挙で一席さえ失う余裕はない。マコーネルの仲間が手紙を通して、提案した政治的戦略にリーダーである彼が同意しない理由はない。しかし、民主党は冷静に対抗しているため、マコーネルの計画が実際に実現するかどうか不明である。冷静な対応がマコーネルに対する民主党の作戦であるなら、最終的にどちらが政治ゲームに勝つかが見所であるが、上院議会でも多数派を失う可能性があるとの数ヶ月前までの予測は、それを完全に否定できない共和党リーダーたちに懸念があることを示唆している。

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