米国最高裁は米国を分裂させている二つの重要な課題の判例において、保守派多数派ラインの決定を下した。今日の判定の一つは、幾つか改正のあった論争的なトランプ大統領のイスラム国からの旅行禁止による大統領令である。二つめはカリフォルニア(CA)州が危機中絶センターに要求していた規定を否定し、反妊娠中絶派を支持した。これらの最高裁の判定結果は何を示唆している?
26日最高裁は5対4でトランプ大統領の三回目の改訂版旅行禁止令を保持した。2017年1月、複数の下級裁判所はその大統領令の施行を停止し、二回目のイスラム国からの禁止は、対象国の変更があり、最後の旅行禁止も新たな国が追加されるなどの変更があった。多くの場合、イスラム教徒が差別を受けているとして多大な反発があった論争的なトランプ政権の旅行禁止を最高裁はある時点で部分的に保持していた。最高裁5人の判事は保守派であり、その中で、アンソニー.ケネディは中立的役目を果たす場合もあるが、彼は今日二つの主な判例で保守派判事に参加した。多数派意見を代表した首席判事ジョン.ロバーツは大統領の旅行禁止は大統領権限の範囲内であり、宗教的な問題より国土安全保障の懸念に基づいていると述べている。裁判所ニュースによると「適切な査定が行えない国民の参入を阻止し、他の国の慣行を改善させるという合法的な目的を明確な前提にしている。テキスト(大統領令の文書)は宗教について何も述べていない。原告と反対者は7つの国のうちの5か国は大多数の人口がイスラム教徒であると強調している。しかし、世界のイスラム教徒人口のわずか8%にすぎず、議会や先の政権が国家安全保障上のリスクを負っていると指定した国に限られているため、その事実だけで宗教的敵意の推論は支持されない」と書いた。
一方、少数派の意見を代表したソニア.ソトマイヨァ判事は「多数派はイスラム教徒に対する明確な差別に盲目的な視線を向けた」と批判し「歴史は裁判所の今日の間違った決定を親切に見ることもなく、また見るべきではない」と述べた。彼女は1944年のコレマツ対アメリカの判例において、第二次世界大戦中、日系アメリカ人を強制収容所に拘留した当時の大統領フランクリン.ルーズベルトの執行命令を最高裁が支持し、歓迎されない反響を描写した。また「ここに示す通り、政府は徹底的な割合の除外政策を正当化するため、不確定な国家安全保障の脅威を呼び起こした。除外命令は、融合できないと思われる特定の集団が合衆国に害を与えるとする、とりわけ危険な固定観念に根ざしていた。政府が保護することを意図した市民に、セキュリティを懸念するその政府の諜報機関の見解を明らかにする意思がなかった。また、キャンペーン中、トランプはイスラム教徒を「完全にこの国から締め出す」と述べたことや、イスラム教徒は「米国を憎悪している」と述べたことなど、最初からイスラム国に対する敵対発言があったが、それを撤回していないと指摘し「許容されない敵意と政府の政策を動機付ける強い証拠があった」と述べ、多数派は憲法修正第一条の宗教的中立性の原則を汚していると非難した。
By AP:J. Scott Applewhite
加えて、今日最高裁は5対4でカリフォルニア州の危機中絶センターを支持した。CA州の反中絶妊娠センターは、望んでいない妊娠をした女性のカウンセリングを提供しているが、その選択肢には中絶が含まれていない。中絶の論議はなく、中絶した場合、癌になり、鬱に陥り、生涯後悔するとして、子供を産むことを奨励しているセンターである。多くの保守派州は、中絶を行う医者に対して、反中絶のプロパガンダを読むことを勧めている。今日の判定で最高裁は、女性が妊娠を継続するよう説得する目的で設立されたセンターや診療所は、中絶を含めて州が提供する選択肢について患者に伝える必要はないと決定した。CA州は、避妊および中絶もカウンセリングのオプションとして含めるよう同州の危機中絶センターに要求していた。しかし、最高裁はその要請を違反であると決定した。トランプの指名を受け、上院議会に承認されたニール.ゴーサッチもその決定に参加した多数派の一人である。1973年のロー対ウェイド判決以来、多くの世代は望まない妊娠はその法律で定めた期間の範囲内で中絶することを合法的であると理解しているが、現在も国を分裂する深刻な課題の一つである。80%以上がトランプに投票した複音主義派など、キリスト教に影響を受けた若い一部のグループは、最高裁の判決を待ちながら「私はプロ.ライフ世代である」と表明し、今日の判決を歓迎した。
いずれの判定も5対4の党派ラインに分かれたことは、顕著な因果関係が明白に表れていることを示唆している。2016年3月、オバマ政権最後の年とは言え、上院議会共和党多数派のリーダーであるミッチ.マコーネルは、保守派判事アントニン.スカリアの後継者として、当時オバマ大統領が指名した中立派のメリック.ガーランドの聴聞会さえブロックした。従って、2017年1月、政権交代したトランプ下で、上院共和党はゴーサッチを承認した。オバマは既に任期中、二人の女性判事を最高裁に送り出しているため、2009年の就任以来「オバマを一期のみの大統領にする」と宣言していたマコーネルは8年間の任期中、オバマの指名者を3人も認可することはできないとの強固な姿勢があった。
その結果として、2016年大統領選での大幅な予測に反して、驚きの勝利を果たしたトランプがゴーサッチを指名したことで、保守多数派の最最高裁はトランプの旅行禁止を明白に支持していることを示唆した。トランプ政権から約18か月間、リベラル派はゴーサッチの判事席はオバマの指名から盗まれたものであると主張したが、その結果は明白に表れている。ゴーサッチは投票権を弱体化するオハイオ州共和党と対立した今年6月11日の判例、および25日のテキサスとノース.キャロライナの論争的なジェリーマンダリングに関する判例でも、極右派判事の一人であることを示唆した。トランプは今日「最高裁はトランプの旅行禁止を保持した。ワオー!」とツイートした。確かに彼の論争的な旅行禁止令に対する最高裁の判定はトランプの勝利を意味している。トランプの2017年3月の改正版イスラム国からの旅行禁止令を告訴したハワイ州は、イスラム系の学生を受け入れている他の州と同様にこれらの国からの旅行者および留学生を受け入れていた為、直接影響を受けている。最高裁は2017年6月から大統領令の一部施行を許可していた為、今日の最高裁の党派的決定は驚くことではない。