トランプ大統領はオバマ政権で導入されたアファーマティブ.アクションを廃止する方針を表明した。これは、特に学校の入学において、人種の平等性と多様性のバランスを重視した政策であるが、黒人に特別な配慮を与えているとの苦情があり、多数の訴訟が提起された論争的な課題である。トランプは学校に対して、この制度を無視するよう公表した。なぜ、今トランプ政権でアファーマティブ. アクションの廃止の動きがあるのか? それは何を示唆している?
アファーマティブ.アクションとは政府、学校、職場などにおいて、特に少数派民族及び女性に対する差別を終えるため、教育と雇用のアクセスにおいて、人種の多様性を意識した一連の法律、政策、ガイドラインに焦点を当てるシステムに言及する。米国のアファーマティブ.アクションは、特定の機関や広範な社会での過去の差別を「善意の努力」によって、潜在的に資格のある少数派や女性を特定し、選択し、訓練するため、特定の割り当てを強調せず、むしろ定めた目標を設定する傾向がある。2011年、オバマ政権は少数派の学生が多様なクラスメートに囲まれていることから、恩恵を受けると信じていた為「法的な精査に耐える肯定的な行動方針を確立する」目的で、また特定の目標を達成する為、戦略的計画を学校に提供した。多くの高等教育機関は、人種差別撤廃を求める政策を自発的に採用している。
アファーマティブ.アクションは、過去に差別を受けたとして、多数の訴訟があるため、非常に論争的な政策である。例えば、ある大学が100人の生徒を受け入れる場合、人種多様性を考慮する際、100人中10人を黒人、5人はインディアン、5人をアジア系、その他の80人を全ての資格者にオープンした場合、ある黒人より成績が良かった白人が入学できない場合もあり、白人による逆人種差別の苦情があるケースもある。またアジア系アメリカ人が入学できない場合もある。オースティン.ジャーは高いG.P.Aとほぼ完璧なSATスコアを維持し、議論チームに参加し、テニスのキャプテンであり、州オーケストラに所属していた。多才な彼は、ハーバード、プリンストン、コロンビア、ペンシルベニア大学で公正な入学が可能であると信じていた。しかし、これらのアイビー.リーグの大学は全て、彼が2015年秋に申請した後、彼を拒否した。特に、彼を悩ましたことは彼よりスコアが低かった非アジア系アメリカ人の同級生がこれらの大学に入学許可されたことを知ったことである。ジャーは「システム全体がどのように設定されたのかひどい幻滅を感じた」と語った。彼は昨年8月の時点で、国内のトップ大学の一つであるデューク大学の二年生として、ほとんどの基準で成功している学生である。
彼の例は、アジア系アメリカ人もアファーマティブ.アクションによって、差別を経験したことを示唆している。その後、ハーバード大学は、彼のような学生がアジア系アメリカ人の入学許可を差別しているとして、訴訟の対象となった。2016年のアジア系アメリカ人学生達によるハーバード大学に対する訴訟で、同大学の基準は「人種は重要な要素であるだけでなく、ヒスパニック系やアフリカ系アメリカ人の入学を支配的に考慮しているかどうかであった」と報告されている。例えば、アジア系アメリカ人の申請に対する入学のチャンスは25%であり、白人なら35%、ヒスパニック系の場合75%、アフリカ系アメリカ人には95%のチャンスがある」ことを学生の公正入学組織が明らかにした。
アファーマティブ.アクションはオバマ政権の教育における人種多様性政策であるが、3日のニューヨーク.タイムスによると、トランプは学校側に「人種盲目的な入学基準を採用する」ことを全米の学校の監督者と校長に奨励し、現存するオバマ政権の政策を廃棄する方針を発表した。なぜ、今トランプ政権は、この政策を撤廃する動きを見せているのか?保守的な機会均等センターの社長兼総務顧問ロジャー.クレッグは「白人の学生だけではなく、アジア人やその他の人々が差別されているという事実に照らして、教育における人種を使用することの全ての問題は新たな目で見られています。国の人口統計が変化するにつれて、それは益々問題になっています」と述べた。
トランプは歴代の大統領と異なり、ほぼ全ての前政権の政策を撤廃する努力をしているが、なぜ、今アファーマティブ.アクションを提起したのか?今月末に退職するアンソニー.ケネディ判事の後継者を指名するプロセスにあたり、1973年に中絶を合法化したロー対ウェイド判例の撤廃を支持するトランプの最高裁判事の選択は、現在論争的である。それをどのように撤廃するかは非常に難しい問題であるとの指摘もある状況下で、取り組みやすい課題に変えた可能性がある。2016年のハーバード大学に対する訴訟は、当時注目された同大学の人種別入学の機会を人口の比率から見ると、黒人に対しては公正であるが、アジア系アメリカ人に対しては非常に不公平であるように見える。そのような視点から、アファーマティブ.アクションはロー対ウェイドより、もっと取り組みやすい課題である。しかし、辞職するケネディ判事がリベラル派の判事に同意し、保持した彼の判例は中絶だけでなく同性結婚や死刑などに関連する幾つかの判例がある。一方、リベラル派の政策に挑戦した課題もあり、アファーマティブ.アクションはその一例である。ケネディ判事はアファーマティブ.アクション.プログラムを無効にする連邦及び州の権利を支持した多数派の判事の一人である。トランプ政権は、ケネディ判事の退職後、新たな彼の指名判事を含む多数保守派が支配する最高裁を最大限に有効活用する可能性があることを示唆している。