ロシアに対する米国人の見解は何を示唆?  

皮肉なことにロシアに対する米国人の見解はトランプ大統領とは全く逆である。現在ロシア大統領ウラジミール.プーチンは圧倒的に不人気であり、最新の世論調査は米国人がもっと反ロシア的であることを示唆している。しかし、トランプ支持者の中に民主党に対する露骨な嫌悪があることを示唆するショッキングなティーシャツを着ていた二人の中年白人男性が注目された。世論の記録はロシアに対する米国人の見解が歴史的に変化していることを示唆している。現行のロシア関連調査は2018年中間選挙の課題の一つであるため、トランプ大統領は試されていると言われているが、ロシアに対する米国人の見解は何を示唆している? 

3月26日に公表されたピュー.リサーチ.センターの世論調査によると、プーチンは米国人に圧倒的に不人気である。アメリカ人68%の大多数は、ロシアのプーチン大統領を好意的に思っていない。プーチンを好意的に見ている国民はわずか16%であり、この見解は民主党より共和党に多い。共和党及び共和党寄りの国民の25%はプーチンに好意的であるが、民主党及び民主党寄りの国民がプーチンを好ましく見ている率はわずか9%である。一方、民主党の約2 /3(76%)及び大多数の共和党員(62%)はロシア大統領に対する好ましくない見解を示した。引き続きプーチンに対する見方は党派的にギャップがあるものの、総体的にプーチンは米国人に支持されていないことを示唆している。

NBCニュースが7月17日に公表した最新の世論調査は、昨年と比較し「トランプ大統領下で米国人はもっと反ロシア」になっている。7月9日から15日までの期間によるNBCニュース/調査マンキーの新しい世論調査によると、アメリカ人の大部分(68%)は、ロシアを米国の非友好的または敵対国であると見ており、この傾向は一年前の59%から増加した。一方、ロシアが同盟または有志国であると見ている国民はわずか28%である。これはモスクワが2016年に米国の選挙を干渉したとの米国諜報機関の報告後、新たな情報が次々に報道されている現状で、米国人のロシアに対する見方は、皮肉な事にロシアとの良好な関係を望んでいる「トランプ大統領下で悪化している」事を示唆している。党派的には共和党より民主党がもっとロシアに不安を表明した。民主党及び民主党寄りの47%は米国に対してロシアが最大の脅威であると見ている。共和党及び共和党寄りの国民がロシアを同様に見ている率はわずか10%である。民主党の81%はロシアを非友好的または敵と見なし、同様に見ている共和党は61%である。党派的にギャップがあるものの、超党派的に米国民の大多数はロシアを敵国と見ている事を示唆した。

米国のロシアに対する見方には歴史的に変化がある。1999年から2018年7月までのギャロップの記録で、米国民がロシアを①同盟である、②友好的であるが、同盟ではない、③非友好的である、④敵であると見ている率は下記の通りである。

年/月 同盟 友好的/非同盟 非友好的 敵
2018/7 6 25 37 29
2014/3 5 21 44 24
2013/9 13 31 34 16
2013/6 11 41 30 12
2006/7 18 55 16  4
2003/4 15 50 20 10
2003/3 23 44 25  5
2001/4 11 45 25 13
2000/5 12 49 22 11
2000/3  9 34 26 14
1999/4  2 44 27  5

米国民がロシアを同盟国ではないが、友好的であると認識している率は、ロシアに好意的であったジョージW.ブッシュの政権時代に最も高い。しかし、2014年2月から3月にかけてクリミアを併合し、東部ウクライナの一部を包囲したロシアに対して、米国及び国連の国際社会は制裁を課した。その後、ロシアが友好的であるとする認識は半減したことは明確である。加えて、大多数の米国人がロシアの選挙干渉を認識している現在、ロシアは敵であると見ている率は今年最も高い。トランプ大統領はロシアとの友好関係が良好である方が米国にとって利益があると述べているが、ロシアは非友好的であると国民が感じている率も2014年に続いて、今年は二番目に高い。米国民はトランプのロシア傾注に同意していないことを示唆している。

ロシアとの友好関係が良好であった時代は1960 年代の後半から1970年代の後半まで米国とソ連間の冷戦の緩和があった時代である。この期間、ソ連との貿易協力及び核兵器を運ぶことを可能にする戦略ミサイルの製造を縮小することを目的とした戦略武器制限協議(SALT)に関する交渉があった。ウォーターゲート.スキャンダルで1974年に辞職する結果になったリチャード.ニクソンは1972年5月モスクワを訪問し、SALT条約を交渉した実績がある。一部のトランプ支持者は、西洋の民主主義を崩壊するプーチンの行動や意図を知らず、トランプ大統領がプーチンと協力することを何とも思っていないようである。トランプ支持者の極一部は「民主党であるよりロシア人である方がいい」との過激な党派的主張を表明している。

トランプ大統領は先月、プーチンと7月16日のヘルシンキに続く2回目の会談を行うため、彼をホワイトハウスに招待すると述べていたが、その計画は延期になった。中間選挙を控えている今年、その可能性はない。一方、トランプ政権はイギリスの市民を毒殺したロシア政府に対する制裁を近日中に課すと公表した。トランプは、近代政治史の中で大抵の大統領が遂げていないロシアとの良好な友好関係を築く政策を超えた、個人的理由からプーチンを擁護しているように見える。大分以前フォックス.ニュースでのインタビューでさえ、当時同局のベテラン.アンカーであったビル.オラーリーにプーチンは「殺人者」だと言われた時さえ「米国がそんなに潔白だと思いますか」と米国を否定的にコメントすることで、プーチンを擁護した。ヘルシンキの合同記者会見では、選挙干渉をしたプーチンの側に立ったことで熾烈な批判を浴びた翌日、トランプはロシアが「選挙干渉をする理由がある」とは思わないと述べた表現は、実際には「選挙干渉をしない理由」があるとは思わないとの「二重否定」を語ったつもりであったと不可解な弁解をした。

現在、トランプの弁護士は特別捜査官ロバート.ミュラーとのインタビューについて葛藤している。トランプの広報弁護士であるルディ.ジュリアニは、大統領とミュラーとのインタビューに反対している理由を「偽証罪の罠にはまる」ことを容認できないからであると述べた。批評家は「貴方が嘘つきなら、偽証罪に問われることを恐れる」ことは当然であると述べ、彼の弁護士さえ、トランプが虚偽者であることを認めていることを指摘した。11月の中間選挙で、トランプ大統領は試されると言われているが、一般的な米国民にとって大統領に対する信頼は国民の重要な基準の一つである。2017 年から続いている特別選挙では、多数の共和党州で共和党候補者の支持率が低下している記録に照らし、2018年11月には明白な答えが出るはずである。大半の共和党は、ロシア調査が選挙結果に影響を及ぼすことを恐れているが、一握りの下院共和党議員は寄付金集めの秘密の会合で、ミュラーを雇用した司法省の副長官ロッド.ローゼンスタインを弾劾することを主張し、11月の選挙で共和党が多数派を維持しない限り、全てが崩壊すると述べている。トランプの仲間はトランプが法的危機を負っていると恐れていることを示唆しているこの会話の録音テープが昨夜公開された。

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