By Slate
ワシントン.ポスト(WP)の副編集長でジャーナリストとしてキャリアの長いボブ.ウッドワードの新書の抜粋が紹介されている。ホワイトハウスをクレイジー.タウン(狂気の町)と呼んだ大統領補佐官ジョン.ケリーのトランプ大統領に対する失望、国家安全保障の危機を脅かすトランプの行動を阻止するため大胆な手段を取った当時の上級経済顧問ゲイリー.コーンの努力の裏話は最もショッキングである。約450ページの要約を紹介したワシントン.ポストの抜粋を ⑴ トランプ家族と顧問の対立、⑵ ホワイトハウスの顧問らによる日常的葛藤、⑶ ユダヤ人であるゲイリー.コーンの辞職の真の理由、⑷ 国家安全保障に関するトランプの認識レベル、⑸ 崖の端を歩く大統領の危険な外交及び貿易政策、⑹ 特別捜査官とのインタビューに関する弁護士の葛藤、⑺ ジョン.マケインに対する誤認識を指摘した国防長官ジェイムス.マティスの勇気に分類してみた。ウッドワードの書籍の主なテーマは、トランプの内輪の人々が彼の衝動を防ぎ、災難を防止しようとする葛藤を描いている。
WPの複数の記者は、政権当局者や他の側近との綿密なインタビューに基づき、トランプ大統領の「悲惨な肖像画」が描かれたボブ.ウッドワードの448ページの書籍Fear(恐怖)を抜粋で紹介し、以前公開された事がなかった個人的会話の裏話を暴露している。近日中に出版される予定であるこの本は、直接参加者及び証人との数百時間のインタビュー、会議のメモ、個人の日記、政府の文書を情報源として「深い背景」で行われたと主張している。しかし、誰が情報を提供したのか、明らかにしていない。大統領は8月上旬、ウッドワードに電話し、原稿が完成した後、参加したいと言った。会話の音声録音はトランプが「悪い本」であると訴えていた。ウッドワードは、彼の仕事は「厳しい」と述べたが、事実と彼の報告に基づいていると答えた。
トランプの家族と顧問との対立
最初の大統領補佐官であったラインス.プリーバスは当時、大統領の家族に、彼を通さずに大統領と自由に接触させていたようであり、それが政策戦略顧問であったステーィブン.バノンと衝突する原因になっていた。大統領の長女イバンカ.トランプは野心家で気が強い女性であることは想像に難くない。彼女はウェスト.ウイングで猛烈な敵に時々体当たりしていた。バノンはある時、イバンカに「貴方は職員だ。あなたはこの場所を歩きまわり、自分が責任者のように行動している。貴方は職員です」と彼女に叫んだ。バノンは、彼女も補佐官のプリーブスを通して働かなければならないと指摘した。大統領への特別なアクセス権を持ち、プリーブス周辺で働いていたイバンカは「私は職員ではありません!私は職員になることはありません。私は最初の娘です」とバノンと対立した。このような緊張は、多くのトランプの中核的顧問の中で沸いていた。プリーブスは、トランプ関係者をライバルとしてではなく「自然な食肉動物」としての表現で引用し「ヘビとネズミ、鷹とウサギ、サメとアザラシを壁のない動物園に入れれば、物事は厄介で血まみれになり始めます」と述べた。
ホワイトハウスの顧問らによる日常的な葛藤
ホワイトハウス内で、多数の顧問らは日常的に直面する葛藤について「多くの上級顧問はトランプの行動に何度も不安を抱き、彼の幻想を表現していた。ウッドワードによると、マティスはある時点で「国防長官はいつも大統領を選ぶことにはならない」と友人に述べ、移民やニュース.メディアなどの話題に関して接しているトランプの傾向を説明しながら、笑いを誘発した」という。また、ホワイトハウスの内側で、日常的に不安定で怒りやすい上級職員たちの様子も描写している。ホワイトハウスの大統領補佐官ジョン.ケリーは頻繁に怒り、大統領は「錯乱したと思った」と同僚に語った。ある小グループ会議で、ケリーはトランプのことを「彼はバカです。彼に何かを納得させることは無意味です。彼はレールから外れています。私たちはクレイジー.タウンにいます。なぜ、私たちがここにいるのかわからない。これは私がこれまで持っていた最悪の仕事です」と語った。
プリーバスは、トランプが混乱を起こさないようにするためには、ほとんど何もできないと悩んだ。大統領のベッドルームでは、取り憑かれたようにケーブル.ニュースを見てツイートするので「悪魔のワークショップ」と名付け、ツイートの嵐を巻き起す早朝と日曜日の夕方を「魔女の時間」と呼んだ。プリーバスを含めて、トランプの内輪で彼から侮辱を受けない人は少なく、国家安全保障顧問のH.R.マクマスター及び、商務省長官のウィルバー.ロス、ロシア捜査から身を引いた司法長官のジェフ.セッションズを含め、トランプは彼が指名した政権のメンバーも直接または間接的に攻撃している混沌を描写している。トランプはセッションズを「裏切り者」と呼び「この男は精神遅滞している。この愚かな南部人の…… 彼はアラバマにいる国の一人の弁護士でもない」と批判したという。
ユダヤ人であるゲイリー.コーンの辞職の真の理由
コーンは大統領を「プロの嘘つき」と見なし、2017年8月、シャーロッツビルで致命的な白人優位主義者の集会で、デモ参加者のある女性が死亡した事件でトランプは「両方」が悪いと述べた事を酷く憤慨した。ユダヤ人のコーンは、当時トランプの末娘ティファニーが大学の寮の部屋でナチスの卍印を発見した時、特に震えた。コーンはシャーロッツビル事件後に辞表を送り、トランプと会ったとき、大統領は彼に「これは反逆である」と言い、経済顧問としてとどまるよう彼を説得した。ケリーはその後、コーンにシャーロッツビルでの悲劇に対するトランプの処置に対する恐怖とトランプへの怒りの気持ちを共有するとコーンに語った。ケリーは彼自身が何度も辞めようとしているが、そうしていないと伝えた。(続)