大統領の人気が低落した場合、中間選挙では大統領の党が敗北する歴史的なパターンがあることは既に知られている。平均40%台の支持率で、混沌状況が相次ぐトランプ大統領下では、民主党が11月6日の中間選挙で勝利する確率は更に高い。特に下院議会で、民主党が多数派を獲得する可能性は高いことが広範に予測されている一方、上院議会の可能性についてはほとんど論じられていない。しかし、上院議会での民主党勝利の可能性について、もっと注目すべき幾つかの要因があると指摘されている。
選挙分析者ネイト.シルバーのサイFive Thirty Eightの分析によると、9 月9日の時点で、民主党が下院議会で多数派になるチャンスは78.2%、共和党が現状を維持する可能性は21.8%である。なぜなら、⑴民主党が16から58の議席を得る確率は80%である。⑵民主党は平均35以上の議席を得る可能性がある。⑶民主党が58の議席を得る確率は10%である。⑷ 16以下の議席を得る確率は10%である。同サイトによると、11月6日の中間選挙で、どちらの党が勝利すると思うかとの世論調査で ⑸ 民主党が勝利すると思うと答えた率は48.4 %である。一方、共和党と答えた率は39.9%である。
選挙分析専門家は、民主党が下院議会で多数派を維持する可能性が非常に高いことを示唆している。一方、トランプが2016年に勝利した州で、再選に直面している議員と対抗者の支持率が同等であるか、ほぼ同等である州があること、またはどちらにでも転ぶ状況になっている州、幾つかの州では民主党が共和党を倒す可能性があること、困難ではあるものの、上院でも多数派を獲得する可能性を否定できない状況がある。ワシントン.ポストのホワイトハウス特派員のベテンラン記者ダン.バルツは、下院議会より、上院議会での民主党の勝利に集中するべきであると述べている。下院議会の場合「共和党の全体的な環境は困難」であり、その一例として「郊外を挙げることができる」と述べている。また、トランプ大統領のスキャンダルも含めて、非常にリスクの多い共和党議席に比較して、民主党議員のリスクは少なく、下院で必要な23 議席を覆すための多数の進路があると述べている。
しかし、上院議会(共和党51議席、民主党49)は、別のシナリオがあり、民主党が上院で多数派の権利を握ることはもっと困難であるため、むしろ、劇的な選挙になると述べている。その最初の理由は、再選に直面する35人の中で、共和党が保護しなくてはならない議席はわずか9である。次に、最も競争の激しい民主党議席の多くは、2016年にトランプが勝利した州である。ウェスト.バージニアでは42ポイント、ノース.ダコタには36ポイント、モンタナは20ポイント、インディアナとミズーリはそれぞれ19ポイント多く獲得したトランプが勝利した。従って、これらの共和党州で、何らかの逆転が起きない限り、民主党が多数派を獲得することは困難であるが、完全にチャンスがないとは言えないと説明している。これまでの予備選で、各党から指名された候補者は、ほぼ全ての競争で接戦になることを示唆しているからである。その一例として、フロリダ、テネシー、ネバダなど両党の候補者の支持率は同じであるか又は極端に接近しているため、実際には下院議会での戦いを注目することより、上院議会の選挙が劇的であると述べている。
| 州 | 民主党 支持率 | 共和党 支持率 | ||
| フロリダ | クレア.マカスキル | 47 | ジャシュ.ハーレイ | 47 |
| フロリダ | ビル.ネルソン | 49 | リック.スコット | 49 |
| テネシー | フィル.ブレディセン | 48 | マーシャ.ブラックバーン | 46 |
| ネバダ | ジャッキー.ローゼン | 41 | ディーン.ヘラー | 41 |
| テキサス | テッド.クルーズ | 39 | ベイト.オローク | 38 |
バルツによると、モンタナ州とウェスト.バージニア(W.V)州では最上位の競争になっている他二名の民主党現役がどちらにでも転ぶ状況になっている。W.Vでは保守派系民主党のジョー.マンチンが苦戦に直面する可能性があるが、ノース.ダコタ、ミズーリ、インディアナ、フロリダでの5つの議席は民主党が共和党を打破する可能性がある。アリゾナ、テネシー、ネバダはもっと明るい見通しがある。しかし、民主党が上院で多数派を獲得するためには「最も赤州」と言われるこれらの共和党州5人の現役民主党議員を保護し、共和党議員の座席4つの競争でそのうち2つの議席に勝利する必要がある。上院での多数派獲得争いになる11月の中間選挙で、上院議会の共和党はまだ確信的である。なぜなら、ノース.ダコタ州では上院民主党議員ハイジ.ヘイトカンプ上院議員は共和党議員ケヴィン.クレーマーの挑戦を受けているが、ヘイトカンプの最後の選挙では危険なレベルにある50.5%の投票率があっただけである。ミズーリ州とインディアナ州でも民主党候補者は苦戦に直面している。2016年大統領共和党候補者の一人であったテキサス州上院議員テッド.クルーズは、圧倒的に激しい競争に直面しており、2016年のキャンペーン中、クルーズの父はジョンF.ケネディの暗殺に関与したとトランプに言われ、彼を「病的虚言者」であると猛烈に批判した。現在トランプはクルーズのキャンペーンを支援している。8月下旬のエマーソンの世論調査によると、クルーズの支持率は39 %で、38%の民主党対抗者ベイト.オロークと危険なほど近い状況である。
ネイト.シルバーは8月中旬の時点で民主党が下院議会で勝利する可能性は70%であり、下院での32議席を増やすと予測していたが、現在そのチャンスはもっと増えている。上院議会の選挙の予備選で、共和党候補者は多数州で民主党候補者の激しい挑戦に直面し、11月6日の選挙では、35の議席の獲得争いは前代未聞の激戦になる可能性が高い。下院議会の競争にも油断することなく、上院での競争もこれまで以上に注目するべき状況になっていることを示唆している。特にオバマ前大統領はカリフォルニアとイリノイ州を先頭に、民主党のキャンペーンに参加し、各地での講演を開始した。トランプ大統領より20ポイント以上、支持率の高いオバマ前大統領は、共和党の現在の体制は正常ではないと述べ、旋風を巻き起こしていることも今年の中間選挙の競争が熾烈で劇的な展開になる一因である。