トランプ政権で大統領の衝動的な行動を抑制し、ホワイトハウスに規律をもたらす機能を備えていると言われた正統派は最初の国務長官であったレックス.ティラーソン、大統領補佐官ジョン.ケリー、国防総省の長官ジェイムス.マティス三人である。今年早期に辞職したティラーソンに続いて、ケリーは年末に辞職すると報告されている。トランプは、8日ケリーの辞職を発表したが、これは解雇によるものであると見られている。まだ残っている大物はマティスだけである。ケリーの後継者も含めて本格的な政権人事変動があると言われている。現在、大統領の犯罪が裁判所の記録で公表された為、新たな人事の任命は困難になっている側面があるが、トランプ政権の頻繁な人事変動に見られる一面は規律のある人々が長続きしない事である。
正統派の印象がある人物はホワイトハウスでは長続きしない状況が、これまでのパターンで明らかにである。トランプ大統領の元弁護士であったマイケル.コーエンの判決に関する裁判書類はトランプ大統領が連邦選挙財政法に違反する二つの事件に直接関与し、その違反行為を指示したとして、捜査当局は公式に大統領の犯罪を7日公表した。ティラーソンはその前日CBSニュースのベテラン.アンカー、ボブ.シーファーとのヒーストンでの舞台インタビューで、トランプは読むことがなく、規律がなく、違法な事を行っていると述べた。ティラーソンは、トランプは「かなり規律が無く、読むのが好きではありません。繰り返し違法なことをしようとしています」と語った。また、彼はトランプを「モォラン(低脳)」と呼んだわけではないと述べた。また「高度なプロセス指向の規律あるエクソン.モービルのような会社から来た私にとっての挑戦は、非常に規律がなく、読むのが好きではなく、要旨説明を読まず、多くのことに詳細に入るのが好きではなく、自分が信じていることを語るだけの男性のために働くことです」と述べた。ティラーソンはある時点で、トランプを「モォラン」と呼んだとメディアが公表した後、トランプとの関係にヒビが入り、しばらく不穏な関係が続いた後、結局3月31日に辞職した。ティラーソンは最初から、国務長官として、必要以上に忠誠を求めるトランプ下で1年以上続く可能性があるかどうか本人自身が疑問を提起していた。
規律のある正統派が解雇されるかまたは辞職する別の例は、司法省の長官ジェフ.セッションズである。トランプ大統領は11月6日の中間選挙後に、政権の人事を大幅に変更すると警告していたため、ロシア調査から、司法省の規定に従って身を引いた規律正しいセッションズを選挙の翌日に解雇した。今年、セッションズはいつでも解雇される危険性があった。彼が就任直後にロシア調査から身を引いていなかった場合、副長官のロッド.ローゼンスタインが特別捜査官ロバート.ミュラーを任命する可能性はなかったかもしれないことが、トランプのセッションズに対する根強い悔恨として残り、それが解雇の結果に繋がったようである。
選挙後からの2回目の人事変動は大統領補佐官ケリーに対する解雇が含まれている。トランプは、誰かがホワイトハウスを去る時、彼が解雇したと語ったことはない。8日ホワイトハウスの南芝で記者団に「辞職するのかわからないが、ジョン.ケリーは去ります。しかし、彼は素晴らしい人です」と記者団に語った。ケリーは、訓練された将軍であり、ウェスト.ウィングで規律を達成するとの目標を掲げ、大統領補佐官に就任した人物である。彼はこれまで、多数の人物を解雇してきた。なぜ、ケリーが辞職または解雇に追い込まれるのか明白な理由は不明である。幾人かの共和党はケリーがホワイトハウスにいる限り、秩序は保たれると述べていた。過去の幾つかの報告は、トランプの言動がケリーの心情とは異なることを示唆している場合もあったが、多くの点でトランプの発言や政策を擁護してきた。ケリーもティラーソンと同様に、規律がなく、衝動的で、ツイートに明け暮れ、ほぼ毎日虚偽又は妄想を語る大統領についていけなくなったとの憶測もある。あるいは、トランプのスキャンダルが要因であるかどうか不明であるが、トランプは規律より直感に頼る側面があることは誰の目にも明らかである。
トランプの法的危機が事実となった現在、トランプ政権の人事も波乱に満ちている。ケリーの 後継者として、副大統領マイク.ペンスの補佐官であるニック.エアーズを指名すると言われているが、エアーズはその「仕事を受けない」と伝えられている。大統領が連邦選挙財政法に違反したことが公表された直後である為、タイミングが悪いのは確実である。規律を重んじる人にとっては、公然たる恥のリスクが高くなっているため、トランプに忠誠な人々さえ、大統領補佐官になりたがる人は少ないと言われている。トランプは司法省の新たな長官として、ウィリアム.バァーを指名していると伝えられている。バァーは5日に荘厳な葬式がおこなわれた第41代大統領ジョージH.Wブッシュ政権下の司法長官であった。加えて、保守穏健派である国連大使ニキ.ヘイリーも規律を重視する傾向があったが、数ヶ月前から彼女は辞職すると噂されていた。トランプはヘイリーの後継者として、国務省の報道官であるヘザー.ナウアートを最も影響力の高い国際機関の国連大使に選んだと報告されている。彼女は元フォックス.ニュースのアンカーであり、米国の外交についてはほとんど知識と経験がないと見られている。ヘイリーも国際外交の経験はなかったが、サウス.キャロライナ州の知事として、政治的経験はあった。いずれにしても、トランプ政権の辞職または解雇の頻度は過去のどの政権には見られない現象であり、それは通常のレベルではない。