前列:コーエン(右)と長女、後部右:妻と長男(左)By Courthouse News
ニューヨーク南部地区の米国地方裁判所の判事は12日、妻、娘、息子を含む家族を同伴して裁判所に現れたトランプ大統領の元弁護士であったマイケル.コーエンに対する判決を宣告した。希望に反して、長い判決を受けたコーエンは判決後もさほど変わらない表情であったが、裁判官に自身の弱さについてエモーショナルに表現した。告訴されたトランプ.キャンペーンの複数の主要人物の判決はまだであるが、これまで告訴された数人よりコーエンに対する刑罰は遥かに長く、彼が犯した罪が非常に深刻であることを示唆した。コーエンの判決はトランプ大統領にどのような影響を与えるだろうか?法専門家はトランプが告訴される可能性があるかどうかについて論じている。
ニューヨーク南部地区(SDNY)の検察官は、税金および金融詐欺、虚偽の証言、選挙財政法違反、二人の女性に対する口止め料支払いなど、8つの罪状でマイケル.コーエンを告訴していた。今日、連邦裁判所の判事ウィリアムH.ポーリーは、刑務所での拘留期間が大幅に短くなることを希望していたコーエンに対して3年間の刑務を宣告した。コーエンは連邦特別捜査官ロバート.ミュラーのチームにはロシア関連の捜査に全面的な協力をしていたが、SDNYの捜査官らにはさほど協力していなかったと言われていた。トランプ.キャンペーンでの関与と役割の規模はそれぞれ異なるが、 逮捕された7人の中で、既に判決を受け、ミュラーに協力した3人の判決(最小14日、最高6ヶ月)に比較するとコーエンの刑罰は最も長い。最初の国土安全保障顧問であったマイケル.フリンおよびキャンペーンの議長を務めたポール.マナフォートおよび彼のパートナーであったリック.ゲイツは現在判決を待っている。
コーエンは混雑した法廷で涙を流しながら、時には一時停止し、彼の平静を取り戻す努力をしながら「私の弱点は、ドナルド.トランプに対する盲目的な忠誠心として特徴づけることができます」と語ったと12日のワシントン.ポストは伝えた。ポーリー判事は、彼の判決が「繰り返し法律を破る」者に対する処罰および「協力して真実の証言をする人に報いを与える 2つの重要な要素を反映している」と述べた。コーエンは、連邦捜査官にはトランプとトランプのキャンペーンについての情報を提供しているが、検察官には、過去の犯罪について知っていたことの全てを伝えていなかったという。ポーリー判事は「私たちの民主的機関は、政府に対処する市民の誠実性に依ります。弁護士として、コーエン氏はもっとよく理解しているべきでした。コーエン氏は有罪を認め、自発的に捜査官に有益な情報を提供することで犯罪行為を緩和するための措置を講じていましたが、それが全てを拭い去るわけではありません」と語った。加えて「コーエン氏は彼が政府に開示した情報を選択しました。この裁判所は、懲役刑はないとの被告の主張に同意することはできません。事実、この裁判所は非常に公表化されたこの刑事裁判でメッセージを送るために、意義深い刑務期間が完全に正当化されていると確信しています」と語った。加えて、ポーリー判事はコーエンに約200万ドルの罰金を科した。
先週、トランプ大統領は、コーエンはこの判決で完全な刑務宣告を受けるべきであると述べていたが、今日の判決直後何のコメントもなかったという。コーエンに対する判決の一部はトランプと無関係ではない。この犯罪はトランプが不動産王としてトランプ組織を代表している時であり、彼は大統領選挙前に弁護士であったコーエンに対して、二人の女性に対する口止め料の支払いを指示した。それは彼の大統領選への悪い影響を防ぐためであり、トランプとコーエンは、女性の話が公表されることを防いだ。その事実に加えて、二人の女性に支払われたお金は選挙財政法に違反する資金源であった。この事実をコーエンが選挙前に公表していた場合、トランプは現在米国大統領ではない。それは米国の皮肉な歴史の一ページである。
コーエンに対する判決後、自然な反応として、トランプ大統領は告訴されないのかとの疑問が提起されている。12日US News によると、2016年大統領選前の恥さらしの性的スキャンダルの出版を防止したタブロイド誌National Enquirerの親会社AMIに対する告訴はないとSDNYの司法長官は述べている。このタブロイドの出版社は、トランプをダメージから保護するため選挙に影響を与えようとしたことを認めている。口止め料として $150,000を支払ったAMIは告訴されないが、如何なる捜査においても連邦捜査官に協力することが要求されている。また、コーエンの弁護士であるラァニー.デイビスは12日、コーエンは「ドナルド.トランプの長年にわたる不正行為について真実を伝え続けます」と述べた。7日の裁判所書類は、トランプが不法の支払いを命じたことを明白にしているが、現役の大統領に対して告訴することは困難であることを示唆している。
大統領に対する告訴は合憲であるかどうか、現在疑問が提起されている。12日ニューヨーク.タイムスに寄稿した司法省の法律顧問を二回務めたマーティ.レダーマンは「憲法は大統領の任期中でさえ、起訴を禁じないと思います。それにもかかわらず、憲法的議論は、重要な疑問からの焦点がずれ、不運な混乱になります。トランプ氏の犯罪の可能な有罪性については理解できるものの、特別捜査官ロバート.ミュラーが先導したロシア調査の主な目的を曖昧にしています。これは、我々の選挙制度に対する継続的な脅威を特定することより、過去の不正行為を処罰する可能性が減少します」と述べている。また、国民が最も知る必要があることは、理想的にはミュラー氏が説明するかもしれないが、トランプが大統領に就任する前に法律に違反していたかどうかに関わらず、なぜ大統領がこれらの脅威に真剣に取り組む意思がないか又は対処することができないように見えることであると述べている。また、憲法の観点から大統領の任期中に起きた犯罪であっても、米国司法長官が就任中の大統領を告訴することを司法省に認めさせることを想像することは困難であり、大胆な州検察官がそのような裁判を開始するような場合、連邦裁判所は大統領の任期後まで憲法上の責任を延期する可能性が高く、現役大統領が刑事裁判を受ける可能性があるという論争は事実上存在しないと述べている。
レダーマンは結論として、弁護士事務所(OLC)は、国内外の米国の指導者としての役割を果たす大統領としての「尊厳と偉大さ」を弱体化させ、その能力に影響を与えていることは「深刻な懸案事項」であり「起訴は違憲である」と結論づけていない。しかし、トランプ大統領が就任中の起訴は、少なくとも彼が去った後に裁判が実行可能である場合、極めて困難である。その主な理由として、大統領を監督するミュラーと司法長官は、任期中の大統領を告訴する米国の経済的負担が彼を告訴する利点を上回ることをほぼ確実に計算している為、トランプの大統領任期が終わるまで最後のステップを大陪審が保持するよう駆り立てると述べている。従って、OLCは憲法に基づいて、大統領の任期中に起訴することはないと結論を下している。可能性が低いトランプに対する裁判の論議から、ミュラーの調査が教えてくれるはずのトランプとロシアとの関係、国を守り防衛する大統領の能力をロシアが損っているかどうかなど、もっと重要な問題に注意を移すことが賢明であると指摘している。