政府閉鎖が為替相場に及ぼす影響と経済損失

米国政府閉鎖は、米国への世界の旅行者、貿易業者、および米国を含む海外送金に関与する人々に影響を及ぼすだけでなく、世界の為替に多大な影響を与える。政府閉鎖は昨年1月中旬にドルの弱体化が懸念され、2013年10月に16日間の政府閉鎖があった時、ドルは低下した記録がある。また、今回の閉鎖は、過去のどの閉鎖より長引く可能性があるが、2013年の16日間の政府閉鎖による経済損失はトランプ大統領が要求している壁費用の規模より大きい。政府閉鎖から15日目である今日、ホワイトハウスは妥協案を暗示しているが、トランプは場合によって、数日後に彼の壁建設に関して米国の緊急事態宣言を発表すると脅している。このような状況は何を示唆している?

3日に新議会がスタートした後も解決していない政府閉鎖は三週間目に突入した。6日ホワイトハウスの予算局長であり、一時的条件で大統領補佐官の任務も引き受けているミック.ムルヴァニーは妥協案があることを暗示した。ムルヴァニーは、NBC ニュースMeet the Press のチャック.トッドとのインタビューで、政府閉鎖は「もっと引きずられると思います。それは意図的であると思います」と語り、大統領は民主党リーダーとの交渉で「コンクリートをテーブルから外す」意図があるため、この妥協案は良い方向性であると語った。コンクリートの別の選択肢はスチール.フェンスであるが、トランプが壁そのものを諦めた場合、問題は全て解決するものの、トランプの本音は不明であると語った。しかし、コンクリートの障壁であろうと、スチール.フェンスであろうと、いかなる方法でも壁建設は不要であると述べた。ムルヴァニーは2015年のキャンペーン中、壁建設は「不条理で幼稚な考えである」とラジオ.インタビューで語っていたことが12月中旬に紹介された。6日トランプは、ホワイトハウスの南芝でのインタビューで、世界中で麻薬が流入し、人身売買の犯罪が横行している為、この壁建設は必要であり、スチール.フェンスは実際にはもっと良いかもしれないと記者団に語った。また、場合によって、この壁建設について、緊急事態宣言を行うかどうか数日以内に決定すると述べた。 議会代表者との交渉は6日も行われたが、今後数日間のなりゆき次第で、その可能性があることを示唆している。

経済損失が見込まれている政府閉鎖の影響は多少なりともグローバル的に多くの人々が影響を受ける。その一部は為替相場の変化である。昨年、米国政府閉鎖の状況を反映した株式市場は米国ドルに与える影響を懸念した。ナスダックによると、 2018年1月19日、ホワイトハウスの記者会見で、トランプ政権は政府閉鎖を支持していたことが判明した。その前週に多くの主要通貨は、米ドルに対して新高値を付けたと報告していた。オーストラリア.ドルとイギリス.ポンドが最高の成績で1%上昇し、ユーロ、カナダ.ドル、日本円は遅れをとったが、それでもドルが「5週連続の下落となったことで小額の利益を生み出した」という。この時期にはトランプ政権で4年ぶりに最初の政府閉鎖があった。2018年1月19日に上院議会は予算継続法案を通過することに失敗し、短期融資の法案が通過した23日に政府は再開した。オバマ政権下では2013年10月に16日間の政府閉鎖があった時、政府の操業停止中ドルは下落した。この16日間の政府閉鎖に関する予算管理局(OMB)の分析によると、閉鎖による実質的なGDP成長率は0.2%から0.6%低下したと推定されており、それは経済生産の20億ドル から60億ドルの経済損失があったと報告されている。明日月曜日の7日はちょうど16日目にあたる政府閉鎖で、米国経済が弱体化する場合、ドルは更に低下すると思われる。

2013年の16日間の政府閉鎖はトランプが要求している壁建設費用より大きな損失があると予測されている状況で貿易戦争、株の暴落など、様々な要因により12月からドル安または円高が進んでいる。ドルに対して支払う円の金額が少なくてすむ状況がドル安または円高であることはご承知の通りである。例えば、昨年10月に日本に帰国した時、日本滞在中にドルを日本円に換金する機会が多々あった。約三ヶ月前の帰国時の為替相場は112円前後であった為、銀行で換金した場合、1ドルに対して約109円を受けることが可能であった。しかし現在、円高が進んでいる為、1ドルは108円前後で取引されているようである。そのような状況下でも様々な事情により、米国に在住し、日本の家族に送金している日本人は多数いるようである。米国の政府閉鎖は6日の今日から三週間目に入った為、この最悪の事態が続く限り、ドル安または円高は続く可能性がある。

トランプは、壁の費用は「メキシコが支払う」と公約していたにも関わらず、週末、政府閉鎖をストライキであるとし、50億ドル以上の要求に妥協していない構えを見せている。週末も両院議会の代表者とトランプおよび彼の政権は交渉を続けているが、ほとんど前進は見られない。このような状況でも、上院多数派の共和党リーダーであるミッチ.マコーネルは沈黙を続けている。トランプとの交渉は困難であることを認識していることを示唆している。明日月曜日の7日はちょうど16日目に入るが、政府閉鎖で米国経済が引き続き弱体化した場合、ドルは更に価値を失う可能性があることを示唆している。トランプは証拠を提示していない不十分な理由に基づき、長期的な政府閉鎖を脅し、予測されているその多大な経済損失、および無給で強制労働または強制休暇に直面している80万人の労働者を犠牲にしている。メキシコが完全に拒否した壁またはフェンスの建設が安全保障の優先事項であると主張している大統領が、議会を超えて国家緊急事態の宣言をすることが合法的であるかどうかには賛否両論があるようだ。

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