2017年1月20日に第45代大統領として就任したドナルド.トランプは、米国の犯罪、ギャング、薬物が米国の多数の命を奪っているとし「アメリカの大虐殺」から米国を再び安全にすると述べたが、暴力的な極右派に対抗することはなかった。トランプ大統領下の過去二年間で、最も顕著な社会的変化は白人優位主義者の台頭も含めて人種間の緊張が増加したことである。21日は、ワシントンDCのリンカーン.メモリアルで人種差別の廃止を訴えたマーチン.ルーサー.キング(MLK)の誕生日(1929年1月15日)を記念する日であるが、偶然にも同じ場所で、20日のトランプ就任の記念日前後に、幾つかの異様なエピソードが報告されている。トランプ大統領下で、人種的緊張は歴史的に顕著である。
白人優位主義のグループである白人ナショナリスト、アルト.ライト、ネオ.ナチスなどの台頭はトランプ大統領就任以前には表面化しなかった米国社会の顕著な変化である。2017年8月、バージニア州シャーロッツビルで開催された極右派グループの集会に抗議していた女性を車で轢き殺し、30人以上が負傷した過激な暴力に対して、トランプはどちらも「良い人々」であると述べ為、猛烈に批判された経緯がある。トランプの就任から2年が経過した 20日前後から、ワシントンに集合した人々は、女性の行進グループだけではない。1950年以来、姿を潜めていたKu Klux Klan (KKK)グループは21日のMLK記念日の前日20日バージニア州ラウドン郡の企業や家の前に人種差別的な宣伝が含まれたチラシを投下したと報告された。警察当局は、KKKのメンバーであると主張する個人が配布したチラシは、リーズバーグのダウンタウンの北部キング通り地域で発見されたと報告した。加えて、白人学生集団は同じく平和的に参加していたネイティブ.アメリカンのグループの進行を阻止しようとした。特に、一人の学生が原住民グループのリーダーの進行を阻止する目的で、彼の前に立ちはだかる異様なシーンが注目された。 18日、ワシントンDCのリンカーン.メモリアル(記念館)に集合したケンタッキー州コヴィントンのカトリック高校の学生らはトランプの支持者であることが一目瞭然であるAmerica Great Again(アメリカを再び偉大にする)とのトランプ.キャンペーンのキャッチフレーズが刻まれた赤い帽子または白い帽子を着用していた。このエピソードがビデオで紹介され、実際に注目され始めたのは20日からである。
20日のニューヨーク.タイムスは、インタビューと追加のビデオ映像が「政治的緊張に対する人種、宗教、イデオロギー的信念を爆発的に収束していることを示唆している」と分析している。ビデオでは、ネイティブの男性の前に立ちはだかった高校生グループの一人は幾分笑顔を浮かべ、男性を凝視していた。また、ソーシャル.メディアの目撃者とビデオを引用したタイムスによると、 数十人の学生はほとんどが白人であり、反中絶集会に参加していた。また、ヘブライ.イスラエル人であるとして、自分たちを識別している黒人男性のグループも集会に参加しており、彼らはネイティブ.アメリカンと学生達に人種差別的意見の説教をしていた。その直後、ネイティブ.アメリカンの64歳の男性ネイサン.フィリップスは「活気に満ちた」高校生のグループに囲まれた。トランプの赤い帽子を被った少年が彼の前に立った時、彼は太鼓を叩いた。ビデオは、少年がフィリップスの眼前に立ち続け、その間フィリップスは太鼓を叩き続けている様子を描写している。この少年は20日夜発表された声明の中で、ニック.サンドマンであるとして身分を証明した。サンドマンの行動に対するその「挑発的なイメージ」は ソーシャル.メディアに拡大したため「少年の行動は失礼」であるとして、学生自身の学校を含む多くの人々から非難を浴びた。
しかし、最初の時点で対立があったのは、白人の学生らとその黒人グループである。フィリップスは20日のインタビューで、群衆に近づいたのは彼であり、人種的な緊張、主に白人学生と黒人男性間の緊張は「沸騰しつつあった」ため、介入したことを明らかにした。フィリップスは「私はその間に祈っていました」と語った。 サンドマンは、彼の声明の中で、フィリップスに対抗または阻止しようとはしなかったと述べた。彼は 「私は彼に話しかけませんでした。私は手のジェスチャーやその他の攻撃的な動きはしませんでした」と語った。このエピソードは起きていることに対する多様な見解に伴うアメリカの「人種的および政治的緊張」に対する「最新の接点」である。偶然にも、このエピソードがあった場所は1963年8月、最も有名なI have a Dream (わたしには夢がある)のスピーチを披露したマーチン.ルーサー.キング(MLK)が人種差別からの解放を訴えた時と同じリンカーン.メモリアルである。
21日米国民はMLKが生きていた場合、90歳になっているはずの彼を思い出している。なぜ、このエピソードが注目されているのか? トランプは、大分以前にネイティブの血を引いていると公表した民主党の上院議員エリザベス.ウォーレンを数回「ポカホンタス」と呼んだ。これは「先祖が戦い、そこで死亡した先住民族のための聖地」であるWounded KneeとLittle Bighornの歴史的エピソードに関連がある。また、トランプは黒人女性である下院民主党議員マキシン.ウォーターズを「低いIQ」の個人であると呼んだ。トランプの人種差別発言はニューヨーク.タイムスが記録として残すほど、驚異的である。2015年12月、トランプはイスラム教徒が米国に入国することを「完全に閉鎖」すると述べた。2017年6月、彼は15,000人の最近のハイチからの移民は全てエイズ患者であると主張した。昨年 1月11日、ホワイトハウスでトランプはハイチ およびアフリカからの移民を減らし、ノルウェーからより多くの移民を増加するべきであるとの「低俗」な主張をした。2012年8月、トランプは最初の黒人大統領は米国で生まれたのではなく、ケニアで生まれたと主張した。2016年のキャンペーン中、ヒラリー.クリントンとの討論で、アフリカン.アメリカンやヒスパニックが住んでいる都市内部は「非常に危険であるため、地獄に住んでいる」と述べた。また「黒人有権者は貧困生活をしている。学校はダメで仕事がない」と主張した。
実際には、成功している黒人は圧倒的に多い。大統領が彼の政策に反対する人々をこのように低級な表現で侮辱する大統領は歴史上存在しない。トランプは犯罪と肌の色の濃い人々を頻繁に結びつける傾向がある。このようなトランプのレトリックは、トランプへの支持を表明した元KKKのリーダーとその仲間に加えて、白人ナショナリスト、アルト.ライト、ネオ.ナチスなどのグループを魅了した。人種的極右派の台頭は、人種的レトリックで人種差別を養育し、極右派に対抗していないトランプ大統領が暗黙のうちに彼らの行動を容認しているとタイムスは指摘している。現在、中身のない公約に固執しているトランプが先導した政府閉鎖は31日目を迎えているが、議会は解決策において政治的に分裂した状況が続いている。この最悪の事態が長引く場合、更なる緊張と暴力の要因にならないかを懸念する声もある。