猛烈な抵抗と混沌が予測される大統領と彼の政権に対する議会調査

下院議会で主導権を握った民主党はトランプ大統領と彼の政権を調査する為、聴聞会を開始した。納税申告書を開示しなかった前例のない財務的疑惑がもたれているトランプに対する議会調査は主に財政的な側面からである。その規模と範囲において、前代未聞の選挙干渉を行ったロシアとトランプとの結びつきを探るためである。加えて、トランプ政権下で憲法違反の疑いが持たれている政策に対する調査も開始された。トランプ政権の代表者らは一部を除き、比較的に協力的であるようだが、トランプはこの動きに対して、猛反撃を開始している。トランプのホワイトハウスは混沌の嵐に遭遇することを示唆している。

下院司法委員会は6日、銃の暴力を減少させるため、フロリダ州パークランドの高校で昨年2月14日に発生した襲撃事件についての公聴会を行った。この聴聞会には、犠牲になった多くの家族が参加していたようである。司法委員会の民主党議長ジェリ.ナドラー(右)によると、平均的に約35人が銃器によって殺され、2017年だけでも40,000人が銃によって死亡している。8日は司法省の行動を監督する観点から公聴会を開催する予定であるが、同委員会に召喚されている司法省長官代行の マスュー.ウィティカーは1月中旬に質問のリストを含む手紙をナドラーから受けている。ナドラー議長は7日ウィティカーに対して、決議に基づき召喚令状を送ったことを公表したが、同日ウィティカーは証言を拒否すると述べているようである。12日に予定されている聴聞会はトランプ政権の論争的な Zero Tolerance(許容ゼロ)の移民政策に対する措置に関して、国土安全保障省長官のカーステン.ニールセンを含む関係者が召喚されている。まだ多数の子供達が両親と引き離されたままの状態になっている状況下で、何を根拠に両親から子供を引き離すのか、引き離した後にどのような処置が取られているのか、透明性がない点を明らかにすることが議会による政権に対する監督の目的である。

上院情報委員会は7日トランプの納税申告についての情報を得るための最初のステップを踏まえている。同委員会の民主党新議長であるアダム.シフ(左)は6日の声明文で、昨年まで共和党が多数派であった為、不完全で検討されていなかった調査を行うその目的と要点について次にようにまとめている。(1)2016年の選挙期間中及びそれ以降、米国の政治プロセスに影響を与えたロシア政府の活動の範囲と規模、および米国政府の対応。(2)ロシア政府の利益を促進するため、ロシア政府または関連する外国人関係者及びドナルド.トランプのキャンペーン、移行チーム、政権関係者、または事業上の利益に関連する個人とのリンクおよび/または調整の程度。(3)トランプ、彼の家族、彼の事業、またはその仲間に対して、外国の工作人が財政的または別の方法で、傷つけようとしたか、または影響力を保持しているかどうか。(4)トランプ大統領、彼の家族、または彼の同僚が、外国での搾取、虐待、集中的威圧、又はその危険に晒されているか、あるいは、外国の利益のため米国政府の政策に影響を与えようとしたか。(5)議会の人物も含めて、国外または国内の誰かがこれらの問題について、認可された調査を邪魔し、妨害し、及び又は惑わすことを模索し又は求めていたかなど、5つの観点から公表している。

特に、ロシアとトランプとの金銭的な結びつきの可能性を追求するようである。共和党コラムニストであるマックス .ブーツはトランプが「ロシアの資産」であると見られている理由を18の観点から述べているが、その顕著な点はトランプがロシアと「長い財務的歴史」があると指摘したことである。選挙日に近い日まで論議が続いたとの新たな説もあるモスクワでのタワー建設プロジェクト、ロシアによる2016年の選挙ハッキング、トランプ陣営の多数のメンバーは常識を超える範囲でロシアとコンタクトを取ったこと、トランプは異常なレベルで司法省および情報当局を攻撃していること、ロシア大統領プーチンの外交政策がトランプの政策と同一化していること、プーチンとの会話は完全な秘密になっていることなどを含めて、これまで報告されている多くの不可解な言動が、その理由であるとブーツは指摘している。これらの報告は、過去のどの大統領とその政権には見られなかった驚異的な腐敗の性質を示している。

議会委員会による政権を監督する権力においては、立法府の権限は非常に強力であるが、共和党主導の議会では共和党大統領に対する調査は低迷化していた。しかし、今年から状況は変わっている。下院情報委員会は主にトランプの財政面に焦点を当てるため、トランプは7日アダム.シフを攻撃する長いツイートで、過去に共和党はオバマを調査しなかったと付加的に主張したが、それは事実に反している。共和党主導の議会はオバマ政権下で行われたことには全て反対し、ほとんどの政策に対して調査した。例えば、共和党主導の委員会は、オバマ政権下の米国内国歳入庁が政治活動を行う保守派グループに対する非営利目的の申請を拒否したことについて調査した。また、アフォーダブル.ケア.アクトのウェブサイトの立ち上げが一時機能不全になった時さえ調査した。また、ソーラー.パネル会社への連邦ローンについても調査した。リビアのベンガジで起きた米国外交官に対するテロ攻撃は、当時国務長官であったヒラリー.クリントンの責任であるかを調査するため、共和党パネルは彼女を4年間追求した。このベンガジ攻撃とEメール問題に対する共和党の非難は、2016年の大統領選で勝利する可能性が高かったクリントンに集中し、ある時、彼女は1日で11時間の質問を浴びせられた。前大統領バラク.オバマは不法移民の両親または成人に伴って米国に入国し、米国で成長し、米国以外に住む国はない子供達を強制送還から保護する為、大統領令によるダカ(DACA)措置を公表した。当時の議会共和党は、オバマの行動は憲法の権限を超えるとして、オバマを猛烈に攻撃した。

前政権に対する共和党の攻撃は、現在の民主党が大統領とトランプ政権を監督している現状とは、その質と範囲が大幅に異なる。一般的に認められていることに照らして言えることは、オバマ政権ではほとんど汚職のスキャンダルがなかったため、民主党リーダーの落ち度を見つけて叩くことが共和党主導の委員会の特徴であり、オバマ大統領と彼の政権に対する共和党の攻撃は明らかに党派的であった。誕生地を疑い、長年バーサー運動でオバマの家族を苦しめたトランプは、現在民主党に叩かれる羽目になっている。議会の調査下に置かれたトランプは「政治的ハラスメント」であると批判している。しかし、民主党主導型の下院委員会の調査は共和党批評家のブーツも指摘している通り、米国自体が、民主主義崩壊を脅かされる外国政敵の脅威に直面している為であり、単なる党派的な次元ではない。トランプは米国の利益より、その外国政敵ロシアを必要以上に擁護していることが皮肉な調査の要因になっている。

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