国勢調査における市民権の質問の追加はなぜ紛争的か?

国勢調査は10年に一回行われる。2020年の国勢調査に市民権の質問を追加したトランプ政権は、多数の民主党州に告訴されていた。この問題を4月23日に聴聞することを2月に約束した米国最高裁の保守派は、トランプ政権の商務省長官ウィルバー.ロスが先導した計画を支持する可能性があると伝えられている。歴史的には、市民権の質問が追加された頻度はかなり低い。この課題は非常に党派的であり、告訴した州が敗北した場合、特に民主党に顕著な政治的ダメージを与えることが懸念されている。

トランプ政権のこの計画は党派を超えたマイナス要素と民主党を害する二つの側面がある。複数の情報筋によると、党派を超えたマイナス要素は推定650万人が国勢調査に参加しない可能性があることである。なぜなら、合法的または不法滞在に関係なく、移民が参加を拒否した場合、単に米国の人口数を把握するための従来の「根本的な国勢調査の目的」が損なわれるため、数値の正確性に問題が生じることである。次に党派的な分析では共和党に有利であるが、逆に多数の民主党州にダメージがあるため、17の民主党州およびDCが告訴している理由を推測することはさほど困難ではない。

23日のユーヨーク.タイムスは、どのような点で民主党に不利であるかを説明している。要約すると、市民権の質問が追加された場合、① 2021年に議会地区が割り当てられた時、民主党代表が減る可能性がある。アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、イリノイ、ニューヨーク、テキサスなどの州で、議席を失う危険性がある。なぜなら「国勢調査の起源は憲法の本文」にあり、10年ごとにactual enumeration(実際に数えられた人数)が要求されており、下院議会の議席は「各州の総人数」に基づいて割り当られている。② 参加者が減少する分だけ、連邦支出は減少するため、その配分と議会予算の決定に多大な影響がある。つまり、幾つかの州は数千億ドルの規模の連邦政府の資金を失う可能性があると予測されている。

国勢調査の歴史をみると、市民権の質問が行われたのは1790年から2000年までにわずか7回である。

年 市民権質問の有無 範囲
1820 有
1870 有 男性のみで21歳またはそれ以上
1920 有
1970 有 人口5%のサンプルのみ
1980 有 人口1/6のサンプルのみ
1990 有 人口1/6のサンプルのみ
2000 有 人口1/6のサンプルのみ、ACSを追加
2020 (計画) 有 全人口および人口3%のACSを追加

注記:ACS American Community Survey (米国地域社会での調査)

伝統的には、国勢調査は性別、年齢、人種、およびヒスパニック系またはラテン系の起源に関する質問など、基本的に人口動態の変化を見ることが目的であり、それに関連した質問だけである。米国にはどのくらいの人々が住んでいるのか?人々はどこから移住したのか?どのような人種で構成されているか?などの伝統的な質問に加えて、2020年のトランプ政権の計画では、それぞれの州での下院議会の議席数を決定する事や投票の人口動態を見ることを計画しているようである。もちろん、テキサス(共和党州)やカリフォルニア(民主党州)が含まれているため、両党に影響を与えるが、不法移民はサンクチュアリー.シティのあるリベラル州に多いことは事実である。しかし、なぜトランプ政権は、国勢調査の正確性に影響を及ぼす可能性がある計画を推進しているのか?これは重大な疑問である。この計画を先導したウィルバーは、投票権法を援助するため、司法省に依頼されたと答えた。しかし、NYTを含む複数の情報筋によると、2〜3の下級裁判所は、司法省がそれを要請する前に、ウィルバーは市民権の質問を既に追加した証拠を発見した。

国勢調査の参加は法律で義務づけられているため、全ての米国住民は参加しなくてはならない。しかし、この質問のために、自宅を留守にし、郵送での質問も無視するなど、何らかの手段で数百万人が国勢調査に参加しない可能性があると懸念されている。従って、トランプ政権による 2020年の国勢調査に市民権の質問を加えることは非常に論争的であり、移民に厳しい政策を推進するトランプ政権の党派的な戦略であることを示唆している。また、国民のために声をあげる議員が減少することで、教育や医療ケアに提供される連邦政府の資金は、特に低所得所帯が密集している地域で失われる可能性がある為、深刻な政治的紛争になっている。最高裁は23日、トランプ政権を告訴した17州とDCを代表する関係者の論争を聴聞しているが、判決日にはほとんどの保守派判事がこの計画に賛成票を投じると予測されている。特にトランプに指名された最高裁判事ニール.ゴーサッチとブレット.カヴァナフはこの課題でトランプ政権の計画を支持していることを示唆するコメントを表明している。

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