想像以上に厳しいトランプ政権下の対ロシア措置

下院外交委員会の超党派のリーダー達は、昨年イギリスで元ロシアの職員と彼の娘が毒物による攻撃を受けた事件の背後にいると判断されたロシアに対する制裁を科すことをトランプ政権に求めている。非常に親露派として見られているトランプ大統領は、米国近代史の中で初めて、ロシア路線の外交政策を推進しているように見えるが、トランプ大統領の政権は実際にはトランプの表現とは異なり、ロシアに度々制裁を科している驚異的記録がある。

元ロシアの軍事情報官であるセルゲイ.スキパル(66歳)と彼の娘のユリア.スクリパ (33歳)は昨年3月4日イギリスのソールズベリーで意識不明のまま発見された。その後、捜査官らは、二人が高度な軍用化学神経剤に汚染されていると判断し、英国と米国の両当局はロシアが責任を負う可能性が高いと判断した。29日の今日、保守系のワシントン.タイムスによると、下院外交委員会の委員長であるニューヨーク出身の民主党議員エリオット.エンゲルとテキサス州共和党議員マイケル.マカウルによる超党派のリーダーらは、大統領へ手紙を送り、モスクワに対する制裁は「法的に義務付けられており、ロシアに責任を負わせるための重要な措置である」と説明した。ロシア当局および大統領のウラジミール.プーチンはその責任を否定している。

米国は1979年の輸出管理法を改正した1991年の化学兵器および生物兵器の管理および戦争除去法で、外国政府が検証済みの輸出許可なしに、米国および同盟国に化学兵器または生物兵器を持ち込み、それを利用した場合、その外国政府に対して制裁することを議会委員会が大統領に要求することを認可している。イギリスでの毒物中毒の被害者であるセルゲイ.スキパルと彼の娘に対するロシアへの対応は新たな制裁であるが、まだ完全に達成されていない。

メディア、米国情報社会、専門家はロシアの大統領プーチンがヨーロッパおよび米国の民主主義と経済システムを崩壊することを望んでいると見ている。従って、一部の批評家はロシアが米国だけでなく、歴史的に多くの民主主義国の選挙に干渉していると述べている。一方、トランプ大統領はロシアとの友好関係を構築したいと望んでいると表明しており、キャンペーン当時から彼の多くの顧問や側近はトランプとプーチン間の会話を促進するため、秘密の通信経路を達成する努力があったことで知られている。トランプは公的スピーチでは、両国間の外交関係が向上することの重要性を強調している。一般的にトランプはプーチンに親愛的な言動が多いことで知られており、彼はロシアに対して敵意のコメントを表明したことはない。

しかし、シンクタンク.グループの一部は、トランプ大統領が就任した2017年1月以降から今日に至るまで、トランプ政権が取ったロシアに対する行動を記録している。ブリッキングス研究所によると、驚くことにトランプ政権は実際にロシアに制裁を科し、大統領が署名している法案、またはロシア関連の禁止事項は想像以上に多い。その記録は以下の通りである。

制裁措置の立法:2017年8月2日、トランプ大統領はロシア、イラン、北朝鮮に対する 制裁措置によるアメリカの対抗敵対行為(CAATSA)の法案に署名した。

2017年9月13日ロシアの諜報機関との関係があるKaspersky Labsソフトウェアを米国政府がコンピュータで使用する事を禁止した。

輸出規制:中距離核兵器 (INF)条約違反への対応:2017年12月19日、商務省はINF条約において、 巡航ミサイルの製造に関するロシアの会社NovatorとTitan-Barrikadyに対する新たな輸出制限を課した。

制裁措置:グローバル的マグニッツキー法:2017年12月20日、ロシア、ウクライナ、ウズベキスタン、及び他の国々から52人の個人及び団体は人権侵害および汚職の容疑で制裁を受けた。

制裁措置:ウクライナの紛争に対応:2018年1月26日、ウクライナでの紛争とロシアのクリミアの占領に関連してロシア人21人及び9の団体に制裁を科した。

選挙干渉に対する起訴:2018年2月16日、2016年の大統領選に影響を与えるため情報操作を行ったとして、3つのロシア企業と13人のロシア人を起訴した。

選挙のサイバー攻撃への制裁措置:2018年3月15日、2016年の米国選挙に干渉し、一連のサイバー攻撃を実施したロシアの5つの団体と19人の個人に制裁を科した。

追放措置:2018年3月25日、ニューヨーク在住のロシア諜報部員12人はロシアの使命からニューヨークの国連に至るまで彼らの居住権の濫用であると思われる行動のため追放された。

追放と閉鎖措置:2018年3月26日、ワシントンのロシア大使館から48人のロシアの諜報部員は追放され、シアトルのロシア領事館はイギリスでのスキパルの毒物攻撃に対して閉鎖を命じられた。

世界中で悪意のある活動に対する制裁措置:2018年4月6日、サイバー攻撃、アサド政権を支持することも含めて、ロシアの7つの寡頭政権とその支配下にある会社、17のロシア政府高官、国営のロシア武器商社(およびそれが所有する銀行)に対する経済制裁を科した。

悪意のあるサイバー関連の活動に対する制裁措置 : 2018年6月11日、ロシアの5つの団体と3人の個人に対する制裁措置はすべてロシアの連邦安全保障局(FSB)と密接に関連している。

悪意のあるサイバー関連の活動に対する制裁措置 :  2018年7月13日、2人のロシアの諜報部員は民主党全国委員会とヒラリー.クリントンの選挙キャンペーンをハッキングした為、罰金を科された。

クリミア宣言:2018年7月25日国務長官マイク.ポンピオは、上院外交委員会で予定された彼の証言の1時間前に、ロシアによるクリミアの併合の拒否を再確認する正式な方針を発表した。

ソールズベリーの攻撃に対する制裁措置 :2018年8月8日トランプ政権は、ロシアへの対外援助と武器販売の残りの源を制限し、輸出入銀行を通したものを含め、ロシアに対する米国の信用を否定すると発表。規制により、安全保障に注意を払う商品や技術の輸出も禁止した。

悪意のあるサイバー関連活動に対する制裁措置:2018年8月21日、2人のロシア人、ロシアの会社、スロバキアの会社は、別のロシアの会社がその国の悪意のあるサイバー関連活動に対する制裁を回避する事を援助した為、制裁を受けた。

大統領令:選挙妨害に対する制裁措置の強制:2018年9月12日、トランプ大統領は米国の選挙における仲裁行為を承認、指示、または後援する全ての国または個人に対して制裁を課す執行命令に署名した。資産の凍結と米国の金融機関への外国からのアクセス制限、及び米国の制裁企業への投資の削減を可能にする。

悪意のある活動に対する制裁措置:2018年9月20日、33の ロシアの個人と団体は、米国の選挙妨害における彼らの役割およびシリアとウクライナにおける軍事作戦の支援に関与した為、制裁を受けた。ロシアのジェット戦闘機やミサイルを購入した中国の企業とその幹部にも制裁が科された。

悪意のあるサイバー関連の活動に対する告訴:2018年10月4日、ロシアの軍事諜報機関(GRU)の7人の将校はオリンピック選手、ドーピング防止団体、および化学兵器モニターのハッキングに関与したとして起訴された。

米国の政治体制への妨害に対する告訴:2018年10月19日、ロシアの女性は、2018年の中間選挙を含む米国の政治体制を妨害する陰謀における役割の疑いで起訴された。

国際的な規範を継続的に無視したロシアに対する制裁措置:2018年12月19日、18人のロシア人は2016年の米国の選挙に干渉、サイバー対応の手段による国際機関の弱体化、および英国でスキパルへの毒物攻撃を含む様々な悪意のある活動に関与した。

ベネズエラとの取引に対する制裁措置:2019年3月11日、政権はベネズエラに対する米国の制裁を回避しようとしたロシアとベネズエラの国営企業によって共同所有されているモスクワに本拠を置く銀行Evrofinance Mosnarbankを制裁した。

ロシアのウクライナに対する攻撃の継続に対する制裁措置:2019年3月15日、6人のロシア人と8つの団体はケルチ海峡でのウクライナの海軍艦艇への攻撃、クリミア半島の併合、ウクライナ東部での独立政権選挙の支援に関与した為、制裁を受けた。これらの行動は、同日に欧州連合とカナダが行った制裁措置を補完するものである。

人権侵害に対する制裁措置:2019年5月16日、チェチェン.グループと5人のロシア人は、マグニッツキー法下で法廷外殺害やLGBTの人々の拷問を含む人権侵害の申し立てによる制裁を受けた。

ロシアに対するトランプ政権の行動は、これまでのロシアに友好的な態度を印象づけたトランプ大統領の表現とは無関係に、実際には顕著な頻度でロシアに制裁措置を取っていることを示唆している。このリストの中には2016年の大統領選に干渉したロシアとトランプ.キャンペーンとの共謀について調査した元特別捜査官(顧問)ロバート.ミュラーによって起訴されたケースも含まれている。ロシア人を米国で起訴することは法廷外犯罪になる為不可能であるが、ロシア人またはロシアの企業に対して、経済を含む何らかの制裁措置を講じている。ロシア関連調査は、米国司法省の監督下で2017年5月に雇用されたミュラーのチームによって実施され、実際には非常に多くのロシア人が彼に告発された後に制裁を科されていることを示唆している。制裁を受けたロシア人は米国への旅行禁止、米国の銀行に保持された資金の凍結、及び何らかのビジネスに影響をうけることを意味する。トランプ政権によるロシアに対する行動記録はトランプを含むトランプ政権がロシアに対して想像以上にタフな対応をしていることを示唆している。

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