ドナルド.トランプはキャンペーン当時から彼のキャンペーンはスパイされていたと主張し、就任後もFBIは彼に対する偏見があると言い続け、彼のキャンペーンに対する調査はディープ.ステイトによる陰謀であると主張している。前政権はトランプが2016年の大統領選に勝利する前からトランプ.キャンペーンとロシアが共謀しているとの疑惑に基づく調査を行なっていた。政権交代後、司法省に雇用された元特別顧問ロバート.ミュラーによって、2017年にはマイケルフリンを含むトランプ.キャンペーンの多くのメンバーが次々に逮捕された事実はそれを裏付けている。同じく司法省下で、独立したウォッチドッグ組織の検査官(IG)は9日、2018年から開始したロシア調査のオリジンの調査結果を公開した。トランプ政権下で2代目の司法長官であるウィリアム.バァーは、彼独自にロシア調査のオリジンの調査を開始しており、彼の監督下による捜査官はウォッチドッグの報告の一部に異論があると表明した。一方で、トランプに指名されたFBIディレクターは全面的にIGの報告を受け入れた。同じ司法省によるロシア調査のオリジンの複数の調査は一貫性がないことを示唆する状況下で、共和党が支配する上院司法委員会は、ロシア調査のオリジンの調査を実施したウォッチドックのトップ検査官に対する公聴会を11日に開催した。
9日に公開されたロシア調査のオリジン(起源)の調査結果は、トランプ大統領がこれまで主張してきた彼に対する「FBIの偏見」はないことを明白にした。ウォッチドックのトップ検査官(IG)であるマイケル.ホロウィッツは、司法長官と議員からの要請後、2018年3月にその調査を行うと発表した。12月9日、400ページにおよぶホロウィッツの調査結果は、トランプ.キャンペーンの誰かがスパイされていたという事実はなく、FBIの偏見はなかったと報告した。トランプの支持者であるリンジィ.グレイアムが委員長を務める上院司法委員会で11日に証言したホロウィッツは、正午過ぎに上院パネルに「私たちの調査は、特定の側面がどのように実施され、監督されたかについて重大な懸念を特定しました」と述べ、彼は監視申請の手続きに複数のエラーがあることを報告した。トランプ.キャンペーンの支援者カーター.ページに対する外国情報監視法(Foreign Intelligence Surveillance Act: FISA)下で申請が提出された時、当時オバマ政権下のFBIは「独自の精度と完全性の基準」を順守しなかったとホロウィッツは説明した。
ロシア調査のオリジンであるオバマ政権は、ロシアでの活動が多かったカーター.ページを監視する為、FISAからの承認を取得し、彼を監視していたことは既に知られている。ホロウィッツは元FBIディレクターのジェイムス.コミが司法省の調査をどのように処理したかについて、立証されたと感じるべきであるかとの質問に「ここで発見された活動は誰も完璧ではありませんでした」と答えた。つまり、400ページの「報告書は、調査を開始するという司法省の決定が部門とFBIの方針を順守しており、政治的偏見や不適切な動機が影響を与えたという記録的または証言的な証拠は発見されていない」ことを明らかにした。
トランプ大統領を弾劾調査に導いた論争的なウクライナ.スキャンダルで、トランプおよび彼の強固な支持者である共和党議員の幾人かは、証拠を提示せず2016年の大統領選を干渉したのはロシアではなく、ウクライナであると主張した。11日、中立系のメディアNPRによると、この公聴会で、委員長のグレイアムは「我々はロシア人が私たちの選挙を台無しにしていることを知っています。ご婦人、紳士の皆さん、民主党全国委員会(DNC)の電子メール(当時DNC議長のジョン.ポデスタ)、ヒラリー.クリントンのメールを盗んだのはロシア人でした。それはウクライナ人でありませんでした。それはロシア人であり、彼らは再度私たちを狙っています」と警告した。この公聴会でグレイアムは、トランプのウクライナ選挙干渉説を完全に否定した。同委員会の副委員長である民主党のダイアン.ファインスタイン(カリフォルニア)はIGの報告書は、トランプ.キャンペーンに対するロシア調査が政治的に動機付けられたとのトランプ大統領の主張に反したと述べた。彼女は「ディープ.ステイトは存在しません。簡単に言えば、FBIの調査は偏りではなく、事実によって動機付けられました」と語った。
しかし、9日には、既にロシア調査のオリジンの調査結果が報告された為、ホロウィッツの報告に対して、司法省の長官バァーは9日のNBCでの独占インタビューでIGの結論を否定した。彼は「検査官の報告書は、FBIが最も薄い疑いで米国大統領選挙キャンペーンの侵入的な調査を開始したことを明らかにしました。私の考えでは、取られた措置を正当化するには不十分でした」と述べた。長官に就任する前からロシア調査に懐疑的な発言をしたバァーも、彼の監督下でロシア調査のオリジンの調査を開始しており、まだ完全な結論を出していないが、別の犯罪捜査を行うため、連邦検察官ジョン.ダァーラムを任命し、ロシア関連捜査の起源について調査している。
ダァーラムは、ホロウィッツの調査結果は彼の調査とは異なると述べたと報告されている。9日のニューヨーク.タイムスによると、彼は「予報とFBIのケースがどのように開始されたかに関する報告の結論に、我々は同意しないと検査官に先月忠告しました」とダァーラムは述べた。一方、FBIのディレクターであるクリストファー.レイは他のFBIと同様に「当局者が調査を開始するのに十分な理由がある」ことを含め、報告書の調査結果を全て受け入れたことが報告された。FBIエージェント協会の社長であるブライアン.オヘアは「検査官の報告書はFBIのクロス.ファイア.ハリケーン調査が法的要件を満たすのに十分な証拠によって裏付けられていることを発見しました」と語った。
トランプはキャンペーン当時および就任後も、彼のキャンペーンはスパイされていたと主張した。しかし、スパイ行為は監視とは異なるとホロウィッツは説明した。トランプ政権下で引き継がれたロシア調査では、穏健派共和党のFBIディレクターであったジェイム.コミがトランプ.キャンペーンの安全保障顧問マイケル.フリンを調査していた。就任4ヶ月後、トランプ大統領はフリンに対する調査を停止するようコミとの数回による個人的な会合で要求し、その要請に応じなかった為、コミを解雇した。トランプ.キャンペーンの後援者であったアラバマ州の米国上院議員ジェフ.セッションズは司法長官に任命されたが、2017年2月の就任数ヶ月後にロシア調査を監督する役目から退去した為、トランプの公的批判が続く中で、2018年11月に解雇された。セッションズの後継者となった現在の司法長官バァーは、従来、ホワイトハウスとは独立した機能を果たすべき司法省の役目を超えて、トランプ個人の顧問のような活動に従事する動きが目だっている。9日に公開されたウォッチドッグIGの報告書は、オリジンのロシア調査は「ロシア政府が選挙に影響を与える努力として、トランプ.キャンペーンに手を差し伸べる動きがあったことを発見した。」加えて、当時のFBIと司法省は「政治的理由ではなく、ロシア干渉の可能性を探っていた為、トランプ.キャンペーンの補佐官を監視するために申請の一部を誤って処理したことを発見した」と述べている。しかし、「全体的な調査は、FISAによって正当化され、2016年にロシア関連の調査が開始された。報告の最後の結論は、トランプ大統領が政治的偏見のある彼に対する陰謀の一環として開始された調査であるとの主張に反している」とNBCは伝えている。
上院議会がウォッチドッグ組織の検査官に対する公聴会を開催した11日、下院議会では弾劾記事に対する論議が行われた。世界は歴史的に最も分裂している米国議会に注目している。自分の潔癖性に確信的であるなら、トランプ大統領は全ての書類を議会に提供し、彼らが声をあげるよう奨励することが出来るはずである。しかし、彼は多くの共和党議員らを沈黙させている。一方、FBIおよび米国の調査機関は一貫して、9日のIGの報告と同様の立場を維持し、ロバート.ミュラーが任命された時、両党から圧倒的支持を得た彼の調査結果を支持している。現在2016年の選挙に干渉したのは「ロシアではなくウクライナである」とのトランプ及び彼の個人弁護士であるルディ.ジュリアニが推進した陰謀説に傾いている人物は主に、トランプに任命された司法長官バァーとトランプ大統領の忠犬と呼ばれる下院情報委員会の共和党副委員長デビン.ヌニエズくらいである。不思議なことに、2016年および2017年に共和党が両院を支配していた時、ウクライナの腐敗を調査しようと提案をした共和党議員は誰一人として存在しなかった。証拠が提供されていないウクライナによる選挙干渉説は、ミュラーがまだ調査を行なっていた時、ロシア政府によって最初に拡大されたものである。下院司法委員会によって弾劾記事が公開された10日、トランプは偶然にも大統領執務室でロシアの外相セルゲイ.ラブロフと秘密の会合を行い、国務省長官マイク.ポンペオはラブロフとの合同記者会見を行なった。ラブロフは2016年の選挙干渉を否定したと報告された。