トランプ大統領は昨夜東部時間午後9時、大統領執務室から国民に向けて約10分の声明を公表し、ヨーロッパからの旅行を禁止すると公表した。トランプの声明はヨーロッパの指導者とは全く協議がなく公表されたものである為、欧州連合(EU)は反発している。11日と12日連続的に株式市場も息を飲む規模で大暴落した。世界の指導者もCOVID-19の影響を身近に感じている中で、トランプは国内の旅行禁止さえ考慮していると伝えられた。
昨夜公表したトランプの旅行禁止には ① ヨーロッパからのほとんどの旅行を停止し、② 13日から開始され、30日間実施される。これは ③ 過去2週間で欧州連合(EU)を構成する26カ国にいた外国人に対するものである。④ イギリスは含まれていない。⑤ 加えて、米国市民及び永住権取得者も除外されている。トランプは大統領執務室から国民に向けての稀な声明で、ヨーロッパ諸国は「外国のウイルス」に迅速に対応しなかったと批判し、米国の感染はヨーロッパの旅行者によって「種を撒かれた」と主張した。又「私たちは中国での(蔓延に)早期行動で生命救済の動きをしました。今、私たちはヨーロッパに同じ行動をとらなければなりません」と言った。加えて、この制限は英国には適用されず、「適切な検査を受けたアメリカ人」には免除があると述べ、政府が状況を監視し、旅行を早めに再開するかどうかを判断すると言った。
12日のニューヨーク.タイムス(NYT)によると、EUは早速反発している。欧州連合の指導者たちは、大陸の多くの国々が彼ら自身の制限を厳しくする方向に動いている為、トランプの禁止を非難する厳しい声明を発表し「コロナウイルスは世界的な危機であり、大陸に限らず、一方的な行動ではなく協力が必要です」と述べた。又「欧州連合は、旅行禁止を課すという米国の決定が一方的に行われ、協議なしに行われたという事実に反対しています」と抗議している。カナダではトルドー首相の事務所は、彼の妻であるソフィー.トルドーがインフルエンザのような症状を発症した後に検査を受け、隔離していると述べた。トルドーは彼自身には症状はないが、妻の結果が判明するまで、自宅で仕事をすることを決めていたという。
ヨーロッパ26か国からの旅行禁止は、観光で経済を支えているネバダ州のラスベガス、世界からの観光客で賑わうハワイなどが非常に経済的打撃を受けることは必然的である。旅行禁止は世界の経済に多大な影響を与えることを示唆している。11日にはWHOがCOVID-19は世界中に蔓延しているパンデミックであると宣言した為、株は急落し、昨夜のトランプの旅行禁止を受けて、12日ダウは2,300ポイントの規模で大暴落した。NYTによると、12日午後、ニューヨーク連邦準備銀行が財務市場の「非常に珍しい混乱」に対処するための措置を講じると述べた後、米国の株市場は「最悪の下落からわずかに回復」した。中央銀行は、今日と明日、少なくとも1.5兆ドル相当の短期融資を銀行に提供する。今週の株売りの波により、ダウ.ジョーンズ工業平均と幾つかの主要な世界ベンチマークは弱体市場の領域に残った。これは、株式が高値から20%以上も下落したことを意味する用語である。12日に大幅な回復がなければ、S&P 500もそこで終了することを示した。旅行禁止は「ヨーロッパの株式に特に大きな打撃」を与え、主要株価指数は10%以上下落し、一つの地域ベンチマークは1987年以来、史上最悪の下落に見舞われた。
10日に行われた6つの州での予備選でも4州で大勝利したジョー.バイデンは12日、トランプの旅行禁止に反応し、デラウェア州ウィルミントンからの記者会見で、数百万の試験器具を準備し、もっと多くの人々が試験を受ける事が可能であるべきだと語った。バイデンはトランプの「外国のウイルス」の発言について反応し「COVID-19を外国のウイルスと名付けてもトランプ政権がこれまでに行った誤った判断に対する説明責任を置き換えることにはならない」と指摘し、「コロナウイルスは出身国、人種、性別、または郵便番号に基づいて区別しません」と語った。バイデンは「ヨーロッパ又は世界の他の地域からの旅行をすべて禁止することはそれ(伝染)を遅らせるかもしれませんが、止めることは出来ません」と警告した。バイデンが指摘した通り、試験状況は世界で最も豊かな一国でありながら、米国が最も遅れている。ビジネス.インサイダーの研究に基づく8カ国のCOVID-19に対する試験状況は下記のチャートの通りである。
| 国名 | 人口 | 試験件数 | 更新日 | 百万当たりの試験数 |
| 米国 | 3億2,900万 | 1,707 | 3月8日 | 5 |
| 日本 | 1億2,700万 | 8,411 | 3月4日 | 66 |
| 英国 | 6,780万 | 23,513 | 3月8日 | 347 |
| オランダ | 1,710万 | 6,000 | 3月7日 | 350 |
| イスラエル | 860万 | 3,451 | 3月8日 | 401 |
| イタリア | 6,050万 | 49,937 | 3月8日 | 826 |
| 中国広東省 | 1億1,350万 | 320,000 | 2月28日 | 2,820 |
| 韓国 | 5,130万 | 189,236 | 3月8日 | 3,692 |
12日には国内旅行の禁止も考慮していると報告されている。トランプ政権のコロナウイルス対策は現在、試験を提供する施設が限定され、試験器具の配布は大幅に制限され、実際には誰でも受けることが出来ない状況がある。経済の打撃を食い止める為の経済刺激策を公表すると述べている一方で、米国を含む世界の経済は益々打撃を受ける旅行禁止を突然発表した。欧州連合は相談なしに一方的に旅行を禁止されたことを非難している。なぜなら、世界の経済を大恐慌に追いやる要因になるからである。トランプは11日に突然大統領執務室から国民に向けての声明を公表する前まで、死亡率も含めて米国医療機関の報告を全て軽視していた。全米の各地では特に重要な試験に関して、様々な混乱が生じていることに加えて、ホワイトハウスの矛盾は様々な混乱を招く要因になっている。上記の数値は米国のCOVID-19の対応の乏しさを反映している。