By USA Today
COVID-19の死亡率はアフリカ系アメリカ人(黒人)が最も多く、アジア系アメリカ人が最も少ないという人種及び民族的な差がある。社会的及び経済的にも人種の差があることと同様に、新型コロナウイルスの影響を最も強く受けているのは黒人である。それには、生活環境や条件、職場環境や仕事のタイプ、個人の健康状態と医療へのアクセス状況など、様々な要因がある。
疾病対策予防センター(CDC)によると、COVID-19で入院した580人の入院患者の人種または民族性データでは、地域での白人が55%であることに対して、入院した白人は45%、黒人は地域では18%に対して、入院率は33%、ヒスパニックの地域人口率は14%であるのに対して入院率は8%である。このデータは黒人の入院患者数は不均等に高い事を示唆している。COVID-19の死亡数も黒人の場合、人口10万人あたり92.3人、ヒスパニック系又はラテン系の人種の場合、74.3人であり、白人は45.2人、アジア系の人口層は34.5人である。新型コロナウイルスが少数派に与える影響は、特に黒人が最も高い事を示唆しており、これには社会的及び経済的要因がある。
CDCが指摘している最初の要因は「基礎となる健康状態に寄与」する ⑴ 生活環境や条件である。例えば、人種的および民族的少数派は「居住用住宅の分離」という「制度的人種差別」のため、人口密集地域に住んでいる可能性が高い。人口密集地域に住んでいる人々は、CDCのガイドラインの一つである社会隔離のような予防策を実践することがもっと困難になる場合もある。彼らは食料品店や医療施設から離れた地域社会に住んでいるため、病気の場合、治療を受ける事や自宅滞在を可能にするための物資を備蓄することが困難になる。少数派の家族は多世代世帯の環境に住み、世帯のスペースが限られている場合、高齢の家族を保護し、病気の人を隔離するための予防策を講じることが難しい場合がある。又、少数派グループは、刑務所および拘置所で占める割合が高いため「集住生活、共有フード.サービス」などによる「特定のリスク」がある。
次に、⑵ 一部の人種や民族グループの人々が過剰に多い職場環境での仕事のタイプと方針も、COVID-19の病気の一因になる潜在的なリスクがある。経済状況のため、仕事に従事し続ける必要がある一部の人々を含めて、地域社会で感染が蔓延しているにもかかわらず、働き続ける重要産業の労働者が直面するリスクはより増加する可能性がある。白人の16%と比較して、ヒスパニック系および黒人労働者のほぼ25%は、常に混雑したサービス産業の仕事に従事している。ヒスパニック系の労働者は総雇用の17%を占めており、農業労働者の53%を占めている。黒人は全就労労働者の12%であるが、認可された職業看護師の30%を占めている。有給病気休暇が欠如していることも主な要因である。病気による有給休暇がない労働者は、何らかの理由で病気になった場合でも、仕事を続ける可能性が高くなる。ヒスパニック系労働者の有給休暇取得率は、白人の非ヒスパニック系労働者よりも一般的に低い。
⑶ 最後に、根本的な健康状態と治療へのアクセス状況が挙げられる。多くの人種的および民族的少数派グループの健康状態は、COVID-19の公衆衛生上の緊急事態で、特に基礎的なヘルスケアを受けることへの障壁によって、健康状態に格差が生じる可能性がある。白人と比較して、ヒスパニックは健康保険に加入していない率がほぼ3倍高く、無保険の黒人はほぼ2倍である。すべての年齢層で、黒人は白人よりも費用の関係で、過去1年間医師に相談していない。医療システムへの不十分なアクセスは、長年の不信、言語の壁、および治療を受けるための十分な収入がない経済的影響に原因がある。白人と比較して、黒人は死亡率が高く、慢性状態の有病率が高いことから「深刻な基礎疾患」の状態に格差がある。更に、スティグマと体系的な不平等は予防努力を損ない、慢性および有害なストレスのレベルを増加させ、健康とヘルスケアの不均等を維持することになるとCDCは指摘している。
25日のガーディアンの研究によると、黒人の多いニューヨーク、シカゴ、セントルイス、ニューオリンズでも、黒人の死亡率は人口の割合から比較して不均等に高い。それはテストを受ける確率も黒人の地域社会で低いからである。一方、フィラデルフィアでは、高収入の地域である事を示唆する郵便番号区に住んでいる人は、貧しい地域に住んでいる人よりも6倍の割合でテストを受けている。マサチューセッツに本拠を置くバイオテクノロジー企業のRubix Life Sciencesは2月と3月に7州の患者と病院請求データを使用した調査で、コロナウイルスの一般的な症状を報告した黒人はテストを受ける可能性が低いことを示唆した。過去10年間の調査でも、少数民族は「ヘルスケアの砂漠」に住む可能性が高いことを示している。ある研究によると、黒人の平均70%は、プライメリー.ケアの医師(最初に会い、症状によって適切な専門医を紹介し、総合的及び継続的な世話をする主治医)が不足している地域社会に住んでいる可能性が高いことが判明している。
最近、COVID-19による黒人の死亡率が最も高いことが注目され、なぜかという疑問が提起されている。その原因を探ると、目には見えない脅威になっている新型コロナウイルスがどのような環境で蔓延しやすいかを示唆している。それは、人種的分離や差別的な住宅政策、安全で豊富な医療対策や保護施設の乏しい環境、人口密度の高い環境、大気汚染の高い地域などに住む可能性が高い黒人層は、呼吸器官の病気発生率を高めている可能性がある事を示唆している。新型コロナウイルスの感染確定症例が地域によって異なる一因は、環境を含む社会的及び経済的要素である事を示唆している。