蔓延救済による大統領令の注意点

失業者は3,000万人に達し、失業保険は7月31日で期限切れになり、多くのアメリカ人が苦痛に直面している。議会が取り組んでいた第二の本格的なコロナウイルス救済法案の制定は7日失敗に終わったことを受けて、トランプ大統領は8日、彼自身による行政命令に署名した。お金や融資に関する決定は議会の仕事である為、議会を回避した彼の行政命令の内容も含めて、米国民が知るべき幾つかの注意点がある。

トランプ大統領が8日に署名した4つの行政命令は(1)年間収入が100,000ドル未満の納税者に対して、ペイロール.タックスと呼ばれる給与減税(Payroll Tax Cut)の繰延支払いを年末まで据え置くことを雇用主に指示している。現時点で税金は徴収されないが、いずれ支払うことになる。(2)週に400ドルの失業保険を含めている。従来の失業保険の定額は600ドルである為、200ドル削減している状況は寛大であるとは言えない。(3)トランプの行政命令には学生ローンの借金支払いを2020年の終わりまで延期している。(4)又、この蔓延の影響を受けて、仕事を失った大多数の人々は住宅ローンを支払うことが不可能になっている。彼らは、住宅が差し押さえられた場合、ホームレスになるという危機に直面している。しかし、トランプの行政命令は、直接その立ち退きを無効にすることではなく、関連当局が検討するよう求めている。従って、立ち退き命令は延期になっているが、全ての米国民が通常のルーティンに戻るまで明白な停止を行っていない点に注意するべきである。

新規コロナウイルスの感染率は拡大している為、自宅で仕事をすることができない個人は、幾分収入があれば、自宅滞在を可能にするが、特に失業保険の削減は慈悲のある行政命令ではないことに注意するべきである。大統領は8日の午後、ニュージャージー州ベッドミンスターでの記者会見で署名しながら、これらの4つの行政命令で「困難な時期に苦しんでいるアメリカ人に、即時かつ重要な救済を提供するでしょう」と語った。600ドルから400ドルの減少は、多くの人々にとって「苦難」ではないかと聞かれ、「いいえ、困難ではなく、これは彼らが必要とするお金です。これは彼らが望んでいるお金です。これは彼らが仕事に戻るための大きなインセンティブを与えるので、最初に合意されたもの(600ドル)よりもずっと多くなります」と言った。又、失業保険は既に期限切れになっている為、行政命令による救済で、どれほど早くアメリカ人が受給できるかを聞かれ、彼は「それは非常に急速になると思います」と答えた。しかし、いつ支払われるか明白にしなかったことに注意するべきである。

連邦政府の失業保険の週600ドルは、多くの労働者にとって実際の収入より、かなり多いと主張し、週200ドルを提案した共和党議員もいる。その共和党の提案の2倍にあたる400ドルを提供すると決めたことは200ドルは少なすぎるが、600ドルは寛大すぎるとの意見の中央値を採用したことを示唆した。疑問は、予算の配分やお金の提供は議会の仕事である為、議会がここ数週間の交渉で合意に達しなかった為、議会を回避して、その予算に関する仕事を大統領が行政命令で行使できるのか、又は彼が指令できる憲法上の権利があるかということである。下院議長のナンシー.ペロシは9日、CNNのState of the Unionのホストであるダナ.バッシュとのインタビューで、コロナウイルスの救済に関するトランプの行政命令は「とんでもない違憲」であるとし、「私の憲法顧問が言っているように、それらは不条理な違憲です」と述べた点に注意する必要がある。又、阻止するために告訴するかどうかを聞かれ「事実は、合法かそうでないかを判断するには時間がかかります。私の発言は上院共和党議員ベン.サッセが「憲法違反である」と言ったことに関連づけています。今、私たちはアメリカ国民のニーズに取り組みたいです」と語った。

どのように早急に困窮している人々に給付されるのか?これは注目すべき疑問である。ほとんどはその可能性はないと言われている。9日のニューヨーク.タイムスによると、トランプの「指令は非常に複雑で法的に濁りがあるため、迅速な救済をもたらすことはほとんどない」という。連邦政府の支出を管理しているのは議会である為、少なくともトランプの行動の一部は、ほぼ確実に法廷で異議が申し立てられる。また、議会の指導者たちが合意に達し、独自の救済策を通過した場合」問題は複雑になる可能性がある。ペロシは既に、9日に「違憲である」として、トランプの行動を却下しており、両党の交渉が終わってはいないことを明白にした。又、財務長官のスティーブン.マヌーチンは「彼らが新しい提案をする時はいつでも、私は喜んで聞きます」と述べ、今後も民主党リーダー達と交渉を続ける意思があることを明白にした。議会での交渉が完全に終わったことを確認する前に、行政命令に飛びついた可能性があることに注意するべきである。

議会を回避したトランプの行政命令を支持する共和党議員はほとんどいないことに加えて、彼の4つの行政行動は、議会が交渉を重ねて、合意に達した法案と比較して、信憑性や効力においてもインパクトが弱いことを示唆した。国民を救済する第二の1,200ドルの給付金は含まれておらず、現在早急にお金を必要としている3,000万人の失業者に対する失業保険さえ、いつ受理可能であるか明白にしていない。法廷での紛争になる可能性がある為、不安定であり、議会の仕事をハイジャックしたような前例のない行政行動は、彼が国民に確信を与えていない事に注意する必要がある。

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