恐らく米国は、軍隊に奉仕する人々を非常に尊敬する国のひとつである。しかし、2015年のキャンペーンの時から、ドナルド.トランプはその規範に反し、幾つかの機会で軍隊を軽視する態度を見せていた。アトランテック誌は数日前、2018年11月にトランプ大統領が雨模様の為、軍人墓地に参加する予定のスケジュールをキャンセルした時、死亡した軍隊の人々を軽蔑する発言をしたとの前代未聞の記事を掲載した。この新たな報告直後、トランプの政治生命は終わることを思わせるほど、爆発的な反応が続いている。トランプとホワイトハウスは、ダメージ.コントロールの為、猛烈に否定している。アトランテック誌の報告は、情報源を明かしていないが、超党派の複数の主要メディアは、その情報の信憑性を確認し、驚きの実情を一部把握している。
アトランテック誌の9月 3日の報告によると、トランプ大統領は、2018年にパリ近くのアイネ.マルヌ.アメリカ墓地への訪問をキャンセルした時、「ヘリコプターは飛行できなかった」と言い、シークレット.サービスはそこまで運転しないと言い、土壇場の決定のため、雨を非難した。しかし、それらの主張はいずれも真実ではなかった。トランプ大統領は、雨の中で髪が乱れるのではと心配し、アメリカ軍の戦死者を称えることの重要性を信じていなかったため、墓地への訪問の考えを拒否したと、その日の議論を直接知っている4人の人々が語った。予定されている訪問の朝、上級スタッフとの会話で、トランプは「なぜ私はその墓地に行かなければならないのですか? それは敗北者でいっぱいです」と言った。同じ旅行に関する別の会話で、トランプは、ベロウ.ウッドで命を落とした1,800人を超える海兵隊員に言及し「簡単に騙される人達」と呼んだ。
この報告に最も怒りを示しているのは退役軍人である。2016年にトランプを支持した退役軍人もメディアに語っている。陸軍の退役軍人で、フロリダ州パーム.ベイの住民であるデイビッド.ワイスマンは、軍隊を正当に優先させると述べた候補者のドナルド.トランプの「申し分のない赤い帽子をかぶった」支持者だった。アフガニスタンで2つのツアーを担当したワイスマンは4年後、死亡した兵士を「敗北者」で「簡単に騙される人達」と呼んだとの報告を受け、トランプ大統領に反対する元軍人のツイッター.キャンペーンを開始した。ワイスマンは、3日の夜「何人の人々がトランプに傷つけられたかを知らせる為、すべての退役軍人に彼らの軍事写真をプロフィール写真として使用することをお勧めします」とツイッターに書いた。以前トランプに反対する声を上げた引退少将のポール.イートンは、ツイッターのビデオで、彼の父親がベトナムの地上部隊に空軍支援を提供している時に撃墜された方法を説明した。イートンは「あなたは愛国者ではありません」とトランプに呼びかけ、11月に彼に反対票を投じるよう呼びかけた。4日の今日、軍人の経歴を持つ幾人かの政治家はインタビューを受け、様々な反応を示している。前副大統領ジョー.バイデンは4日午前中、デラウェア州ウィルミントンでの記者会見で、2015年に脳腫瘍で亡くなった息子のボー.バイデンが、陸軍でイラク戦争に奉仕したが「騙されやすい」軍人ではなかったと怒りの表情で語った。また、バイデンは「貴方がアフガニスタンに今子供がいたら、どのような気持ちになりますか?息子、娘、夫、妻を失ったとしたら、どのように思いますか?」と語った。
唖然とする報告に対する反応は感情的で激しいため、ホワイトハウスは、アトランタ誌が伝えていることを全面的に否定している。4日のCBSニュースによると、トランプ大統領は、戦争で亡くなったアメリカ人を「敗者」及び「騙されやすい人々」と呼んだとの新しい報告を強く否定した。トランプは3日の夜、ペンシルベニア州ラトローブでのキャンペーンの帰路でワシントンD.Cの空港での記者会見で「私は私たちの戦死した英雄について、私は決して言ったことがないと誓います。彼らをそれ以上尊敬する人はいないので、それは恐しい、恐ろしいことだと思います」と彼は記者団に語った。また、当時のことについて語り、「激しく雨が降っており、非常に霧が強く、ヘリコプターは飛行できなかった。かなり長いヘリコプターの飛行でしたが、非常に長いドライブだった」と言った。また、彼は「私はそれをやりたい」と言ったが、シークレット.サービスは2時間半、運転は2時間かかるので「それをすることはできないと言った。それを行う方法はなかった」と言った。また「私は妻と話をし、これは嫌です。セレモニーに行く為にここに来た。私はひどい気分だと言った。それで終わりでした」と記者団に語った。トランプはこの記者会見で「情報源について推測」し、大統領は「たぶん、失敗を経験し、私が追い出した数人の政権の人々です。私は彼らを十分速く除去する事ができませんでした。または、それは単なる作り事です。しかし、それは考えられないことです」と語った。トランプは、記者会見前の夕方、「私は死亡した私たちの偉大な兵士を英雄以外の言葉で呼んだことはありません。これは、2020年の選挙に影響を与えるための不名誉な試みで、うんざりする嫉妬深い失敗による虚偽のニュースです」とツイートした。
現役のホワイトハウスの関係者は全て、アトランテックの報告を否定している。当時ホワイトハウスの副書記として大統領と一緒にフランスを旅行した人物は、現在トランプ.キャンペーンの全国記者であるホーガン.ギドリーである。彼はCBSニュースとの電話インタビューで報告を否定し、それは嫌でグロテスクな嘘です。私はそこにいました。そして大統領が米軍の勇敢な男女を絶対に愛し、尊重し、尊敬していることを直接知っているので、大統領は決してそのようなことを言ったことはありません」と語った。ホワイトハウスの報道官ケイリー.マケナニーは4日、アトランティック誌の報告を強く否定した。当時、フランスを旅行した国防長官マーク.エスパーは、「トランプ大統領は、我が国の軍人、退役軍人、家族に対して最高の敬意と称賛を持っています。そのため、彼は私たちの軍隊に対してより高い給与とより多くの資金を求めて戦いました」との声明を発表した。
一方、ニューヨク.タイムス、ワシントン.ポスト、APは複数の関係者から確認を得ていると伝えられている。特に、国防総省当局者はAPにアトランティック誌の大統領の記事に起因する発言の一部を確認している。4日のAPによると、国防当局者は、トランプが2018年11月10日の朝、大統領の毎日の要旨説明に続く会議中にパリ郊外の墓地を訪問しないよう懇願したコメントをしたと言った。国家安全保障会議とシークレット.サービスの職員は「雨の天候による墓地へのヘリコプターの旅行は危険である」とトランプに言ったが、彼らは「そこに運転することができる」と言った。しかし、トランプは、墓地は「敗者で埋め尽くされていた」ため、「墓地に行きたくない」と言ったと伝えた。この複数の関係者は、公式に話し合うことを許可されていなかったため、匿名を条件に語った。
トランプが3日の記者会見で、情報源を推測した可能性のある一人は、辞職に追い込まれた大統領補佐官のジョン.ケリーである。ニューヨーク.タイムスの複数の記者は、それぞれの記事で、記者会見でトランプが言及した人物の一人はケリーであるとして、情報源の主要な人物であるとみている。複数のテレビ.ニュースもケリーが大統領補佐官であった当時のホワイトハウスでの記者会見などの様子を描写している。5日のニューヨーク.タイムスは「トランプが米国の兵士を中傷することについての報告の中心にいるジョン.ケリーが沈黙を守っている」と述べ、反トランプ派の共和党は、元大統領補佐官であった彼が「ジョー.バイデンを公式に支持することを望んでいる」為、沈黙を続けている彼に「不満を抱いている」と伝えている。大多数のメディアがアトランテックの報道は虚偽ではないと信じていることを示唆する根拠は幾つかある。例えば、2015年のキャンペンでトランプは、古参穏健派の上院共和党議員ジョン.マケイン(2018年8月に脳腫瘍で他界)を、彼がベトナムで5年以上捕虜になったことをあざけったことで知られている。トランプは「彼は戦争の英雄ではありません。彼は捕らえられたので戦争の英雄でした。私は捕らえられなかった人が好きです」と言った。また、2016年7月下旬の民主党全国大会では、戦死した息子を持つ中東系アメリカ市民でハーバード大学法学部で学んだ経歴のある弁護士ヒズル.カーンは、愛国的なアメリカ人イスラム教徒であったが、米陸軍大尉として、イラク駐留中に死亡した息子のフマユーン.カーンは、米国に奉仕したと語り、「憲法を読んだことがあるか」とトランプに抗議した。これらの例も含めて、彼が軍隊を重視していないことを示唆する複数の記録がある。カーンの子息のような有色人種が多数入隊している軍隊はトランプの再選に非常に重要な組織である。
従って、アトランテックの報告によるこの多大なダメージを払拭するためのホワイトハウスの努力は並々ならぬものがある。米国は軍隊に最大の敬意を払う国であるため、軍隊の人々、特に米国に奉仕し、国の為に人命を捧げた人々を侮辱する発言は言語道断である。しかも、それが大統領の口から出た場合、指揮官の資格はないとの暗黙の了解がある。コマンダー.イン.チーフ(Commander-in-chief)と呼ばれる最高司令官または最高指揮官は軍隊を統制する人物であり、国家元首または政府の頭首である大統領の軍事能力に言及する。バイデンは、軍隊にいる貴方の息子または娘、又は伴侶が戦死し、大統領によって中傷された場合、どのような気持ちになるかと問いかけた事が示唆している通り、指揮官には軍隊および彼らの家族を世話する義務がある。しかし、トランプは最近、アフガニスタン、ヨーロッパ、極東からの独占レポートが掲載されている米国の独立した公式なニュース紙であるStars and Stripesを停止すると発表した。アトランテックの報告とその停止に対する激しい抵抗に直面した後、撤回したことが4日報告された。軍隊の重要な情報源の停止の脅しや、雨の日の墓地参加をキャンセルした大統領の行動は、国に奉仕する兵士や軍人を彼が深く尊敬しているかどうかの疑問を提起している。少なくとも、指揮官の立場がどのようなものであるかをトランプが理解していないことを示唆したアトランテックの報告は、軍隊の投票に多大な影響を与える可能性がある。