イスラエルとアラブ諸国二カ国による米国先導の平和協定とは何か?

今日15日、ホワイトハウスの南芝では数百人が参加したトランプ政権先導のアラブ諸国二カ国とイスラエルとの平和協定の署名が行われた。トランプ大統領を先頭に4カ国のリーダーは客席の前方頭上にあるバルコニーからそれぞれ短いスピーチを行なった後に、観客の前に配置された4つの椅子にそれぞれ移動し、ホルダーに入った幾つかの種類に署名を行なった。しかし、肝心の平和協定の内容については、ほとんど説明はなかった。その合意の内容は何か?署名したそれぞれの国にはどのようなメリットがあるのか?パレスチナ人の反応は?このパフォーマンスはなぜ今なのか?

東部時間午後12時50頃、トランプ大統領はイスラエルの首相ベンジャミン.ネタニヤフ、首長国連邦の首相シェイク.アブドラ.ビン.ザイード.アルナヒャンおよびバーレーンの外相アブドゥラティフ.アル.ザヤニと並んで、ホワイトハウスの南芝生に集まった数百人の群衆を見下ろした。トランプは無血の平和をもたらすと宣言し、ネタニヤフは「この合意は平和の夜明け」であると述べた。15日のロイターによると、これは「長年のタブーを破った」歴史的なイベントになる。アラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンがイスラエルと平和協定に同意したことは、地域における弾道ミサイルの開発など「イランの影響力」が高まっている事に対する「共通の懸念を反映」している。また、11月3日に大統領選が迫っている中で、トランプがこれまで数回試みた北朝鮮の核開発計画停止の交渉は「実際の成果」を得ていないため、何らかの外交的勝利を必要としているトランプにとっては政治的に重要であり、特に「親イスラエルのキリスト教福音派の有権者から「支持を強化」する可能性がある。しかし、この合意は平和協定と言うよりビジネス上の利点が濃厚である可能性がある。トランプは、高度なステルスF-35戦闘機を長年入手することを望んでいる「UAEに販売することに何の問題はない」と考えている。一方、イスラエルはその売却に同意していない。

平和協定にはどのような合意が含まれているのか? 

合意の内容については、実際にはほとんど公的に語られていない。インディペンデントによると、内容の機密性のため「取引の文言は秘密」になっている。しかし、今日の午後、UAE当局はイスラエル/パレスチナ危機に対する2つの国家による解決策について言及することを確認した。8月31日、イスラエル、UAE、および米国間の発表では、この取引により、実際にヨルダン川西岸の一部を併合する「イスラエル計画の停止」が含まれている。その代わりに、UAEは40年間のイスラエルのボイコット法を廃止し、UAE企業はイスラエルと直接取引できるようになる。両国間の電話回線、航空と観光の開設、ならびにCovid-19の研究、健康、宇宙、外交政策および情報活動に関する協力を確認した。しかし、バーレーンとイスラエル間の共同声明は、乏しい情報を提供し、イスラエルがその併合プログラムを一時停止するという前提条件について述べていない。

すべての関係国は何を得ることを期待しているのか?

この地域で政治的および軍事的役割を拡大しているUAEの最大の利点の1つは、高度な米国兵器、特に戦闘機の貿易の約束である。しかし、ホワイトハウスはそのような約束について否定した。一方、米国政府はUAEの一部国であるアブダビが長い間求めているF-35ステルス戦闘機、リーパー.ドローン、EA-18Gグラウラー飛行機を購入する可能性がある武器販売に取り組んでいる。イスラエルからの抵抗にもかかわらず、この地域で米国が保護する「質的な軍事力」を失う可能性があると懸念されている。バーレーンも米国の防空システムを購入するためのアクセスを拡大する可能性が高いが、両国は世界で最も高度な技術セクターの一つであるイスラエルと公然と取引する利益を得ると言われている。パレスチナ人の土地が占領されているため、地域で孤立しているイスラエルにとって、これらの取引はUAEやバーレーンとの貿易を可能にするだけでなく、「湾岸諸国が追随する扉は開かれる可能性」がある。

この協定にたいするパレスチナ人の反応は?

15日のロイターによると、ホワイトハウスはパレスチナ人がトランプの中東和平イニシアチブに参加することを拒否したことに不満を抱いたが、UAEとバーレーンとの取引が、和平交渉の動機、力点になることを期待し、パレスチナ人を迂回することを試みた。パレスチナの指導部は、トランプを「新イスラエルの偏見」として非難しており、ネタニヤフがUAEとの正常化の見返りとして、占領された西岸一部を併合する計画を延期することに同意したが、彼らの大義への裏切りとして、イスラエルとアラブとの和解を拒絶した。トランプは15日の平和協定の署名を歓迎したが、「活発な戦争」が終わるわけではない。イギリス紙のインディペンデントによると、その代わりにイスラエル、UAE、バーレーン間の外交が正常化することを公式化したことを意味する。イスラエルとパレスチナの紛争に関する地域的な立場があるため、アラブ世界では最近まで、ヨルダンとエジプトだけがイスラエルを認めていた。いずれも、合意の取り決めは「背中を刺す」行為であり「裏切り」としてパレスチナ人によって激しく拒否された。

この平和協定はなぜ今なのか?

イスラエルでは、ネタニヤフは不人気であり、4月の選挙で、軽うじて首相としての地位を留めただけであり、1月に3件の汚職容疑で起訴された彼にとって、タイミングは好都合である。また、彼はごく最近、コロナウイルスの対処に関するプロテストに直面した。際どい時期に2つの湾岸諸国との契約に署名することは、彼にとって大きな「外交的勝利」である。一方、トランプは、米国経済に打撃を与えたパンデミックへの対応に、米国民が怒りを募らせている時に11月の再選に直面している。また、連続的に起きる警察の残虐行為に対して、警察の改革を求めるプロテストに対する壊滅的な反応、および最近の大規模な山火事へのトランプの対応は批判の的になっている。トランプのアラブ諸国への平和計画は、ワシントンとの関係を断ち切ったパレスチナのリーダー達によって「恥ずかしいほど拒否」された。主に上記の新たな合意により、トランプは中東における他の外交活動を促進する機会を得たことになる。

しかし、実際には合意の内容について、基本的に機密である為、中東地域での権力が変わる可能性があるかどうか不明である。15日のホワイトハウスでのイベントは、基本的には外交正常化のセレモニーであり、儀式的な要素が強い。また、記念撮影のイベントであり、11月3日の選挙を意識した、外交政策の一部をアピールするための政治的な目的が含まれていることは明白である。この合意は、中東の和平という名目でトランプの義理の息子であり、ホワイトハウスの上級顧問ジャレッド.クシュナーが率先した仕事である。複数の中東専門家は、これは中東の紛争を解決し、真の平和に導いた文字通りの平和協定ではなく「商取引」であると見ている。ホワイトハウスは、兵器や戦闘機の貿易について否定しているが、専門家はトランプ政権が武器販売に取り組んでいるという状況に注目している。

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