テネシー州ナッシュビルのベルモント大学で22日東部時間午後9時から開催された最後のトランプ大統領と前副大統領ジョー.バイデンの討論会は、先月29日の初回に比較して、トランプの態度は抑制され、攻撃性はもっと控えめであった。相手の話し中に、割り込んた場合、マイクの音声は切断されるという作戦は非常に効果的であった。モデレーターを務めたNBCの記者クリステン.ウェルカーは10以上の質問を提供し、可能な限り両氏の論争が割り当てられた時間内で行われることに苦戦した。多数の質問の中で、重要なコロナウイルスの蔓延、医療保険、最低賃金、移民の課題も含めて、総体的にトランプ大統領は相変わらず政策はなく、自身の中国のスキャンダルを棚に上げて、バイデンがロシアからお金を受理しているとの虚偽を語った。双方の大統領としての気質は劇的に異なる印象を与えた。
この日だけで、全米でのコロナウイスルの感染症例は70,000以上であると報告されている中で、ウェルカーは最初の質問を開始し、「症例数と入院数が増加している中で、パンデミックの次の段階でどのように戦いますか」と聞かれたトランプは「ご存知のように、モデル化された予測では220万人が死亡するはずでした。私たちは世界最大の経済を閉鎖しました」と答えた。トランプは中国およびヨーロッパからの旅行禁止に言及し、行動を取らなかった場合、現在数百万人が死亡していたと述べた。そして、彼は今後どのように戦うかとの質問に答えず、ウイルスは「消滅します」と述べ、ワクチンは今後一週間で利用可能になると言った。彼は再度、選挙前のワクチン利用が可能である場合、潜在的に彼の再選に有利であると考えていることを示唆した。しかし、FDAは公式認可を発表していない。また、疾患対策予防センター(CDC)のディレクターであるロバート.レッドフィールドは9月16日、上院での公聴会で、一般に利用可能な時期は夏以降であると証言した為、米国衛生当局と大幅に異なる主張である。また、トランプはこのウイルスは中国から来ており、私の責任ではないと再度主張した。
バイデンはトランプに対し、既に220,000人以上が死亡したと指摘し、トランプが最初に最も必要な措置を取らなかったため、数十万人の生命を犠牲にしたと批判した。バイデンは、ウイルスを抑制しようとしないトランプに言及し、「その多くの死に対して、実際に『私は責任を負わない』と言っている人が、引き続きアメリカ合衆国の大統領であるべきではありません」と言った。バイデンは、トランプに対して、「まだ計画も包括的な計画もない」と指摘した。彼は、マスク着用、社会距離の維持、試験の拡大など、賢い措置を導入しながら、ビジネスをオープンすることは可能であるが、トランプを含む共和党は、その対策に必要なお金をまだ提供していないと述べ、ビジネスの再開とテスト戦略の強化に関する国の基準に向けて取り組むことで「私たちには計画があることを確認します」と言った。第3の波が押し寄せている現状で、トランプはワクチンが早く利用になることの希望だけを語り、バイデンは、安全な方法でビジネスをオープンすることは可能であることを力説した。最も重要な選挙課題になったCovid-19の危機に関して、双方のヴィジョンは劇的な相違がある事を深く印象づけた。
現在、米国での感染数は約840万であり、23日の時点で230,000人以上が死亡している中で、既存症のある患者も含めて、今年ほど医療の重要性が強調されている年はない。医療保険についての両方の計画を聞かれたトランプは「私はオバマケアを終わらせ、新しい、美しいヘルスケアを考え出したい」と語り、アフォーダブル.ケア法(ACA)またはオバマケアの強制加入条項を除去したと述べた。トランプの2016年のキャンペーン公約は、オバマケアを完全に撤廃し、もっと安い保険料による効率的で、「素晴らしい計画」を導入することであった。しかし、彼は就任1期目の4年間でその計画を発表または達成したことはない。再選をめざす最後の討論会でも、彼のその計画が実際どこにあるのか、それはどのような内容かを説明することはできなかった。一方、バイデンはACAの対象範囲を広げ、保険料をもっと安くするために必要な加入者を増加させるため、政府運営による取引所の公的オプション計画を保持している。従って、バイデンは既存症がカバーされているACAを数千万人のアメリカ人から奪うトランプの計画を厳しく批判した。重要な課題の一つである医療保険に関しても、トランプには政策がないことを印象づけた。
次に、有権者が最も興味を示した課題であると言われている最低賃金に関する質問で、「賃金を強制している時、どのように中小企業を助けていますか?」と聞かれ、トランプは、そうすることで、これらの中小企業は多くの従業員を解雇します」と答えた。また、特定の地域では15ドルを制定しているが、彼は雇用主を傷つけ「破滅的」になると主張した。しかし、大統領は「私はそれが州の選択肢であるべきだと思います。アラバマはニューヨークとは異なり、ニューヨークはバーモントとは異なります。すべての州は異なります。それは州の選択肢であるべきです」と言い、連邦政府が最低賃金を増加することに同意していないことを印象づけた。バイデンは「パンデミック中、企業が営業を続けるのに苦労しているにもかかわらず、最低賃金を1時間あたり15ドルに引き上げることを引き続き支持するか」と聞かれ、「そうです」と答えた。バイデンは「私たちがしなければならないことの1つは、彼らを救済しなければならないことだと思います。私たちは今、それらの中小企業を救済するべきです。6社中1社が破産しています。彼らは、回復することができないでしょう」と言った。
更に移民の課題では、幾分感情的な意見の交換があった。討論会の前日、トランプの「ゼロ許容」政策に基づき、幼児を含む子供達がオリに入れられたことや、両親と引き離された政策において、現在も545人の子供たちが両親を探すことができないと報告された為、ウェルカーは両氏がどのような移民政策を提供するかを聞いた。バイデンは「子供たちは(両親)の腕から引き裂かれ、分離されました。そして今、彼らは、500人以上の親を見つけることができず、子供たちは一人になっています。それは犯罪です」とバイデンは言った。トランプは彼の政権による2017年の「ゼロ許容」政策を擁護し、拘束する政策を打ち出したのはオバマ政権であると言った。彼は「誰が檻を作ったんですか。ジョー?」 と討論中に聞いた。また、お馴染みの口論で、オバマ政権の「キャッチ.アンド.リリース(catch and release:逮捕と釈放)」の慣行は危険な人々を国に連れて来たと批判した。トランプはバイデンに対して「彼は移民法を理解していない」と言い、「キャッチ.アンド.リリースは惨事であり、殺人者が来て、強姦犯が来て、非常に悪い人が来て、私たちは、彼らを私たちの国に解放しなければならなかった」と言った。また、トランプは訴訟で逮捕された人は「IQが最も低い人を除いて(裁判所に)戻ってこない」と述べた。バイデンは、それは「単に真実ではない」と答えた。ファクト.チェックによると、トランプ政権が逮捕し、釈放した人々の50%は法廷に出廷していることを示唆した。
オバマ政権の8年間で、なぜ移民法を制定しなかったかと、トランプに攻撃されたバイデンは、共和党が支配した議会で、移民法を制定することは困難であり、オバマ政権下で移民法に成功しなかったことを認めた。バイデンは「それを修正するのに時間がかかりすぎた」と言ったが、彼が選挙に勝利した場合、100日以内に、米国に住む文書化されていない1,100万人以上の人々に市民権を開く法律を制定するよう議会に指示する予定であると述べた。また、バイデンは「それらのいわゆるドリーマー、またはダカ(DACA)の子供たちは全てこの国にとどまり、市民権への道を歩むことができるよう、認定されるでしょう」と述べ、子供の頃、米国に連れてこられた人々に労働および滞在許可を与えたオバマ政権の法律について語った。
トランプは、バイデンが彼の家の地下にお金を隠しているとし、350万ドルをロシアから受理したと相手を陥れる欺瞞的な根拠のない誤情報を語った。彼はバイデンが「モスクワの前市長と非常に友好的であり、あなたの家族は350万ドルを手に入れました」と主張した。これは「虚偽である」と複数のファクト.チェツクが反応している。バイデンは「真実ではありません」と述べ、これまでの人生で「外国政府から1セントさえ受けたことはない」と明言し、22年間の納税申告書を開示していると反論した。また、バイデンはトランプが大統領就任後も中国でのビジネスを続け、米国では数年間わずか750ドルの税金を支払っただけであり、その一方で、中国では税金をその何十倍も支払い、3つの銀行口座を保持していると指摘した。これは、ニューヨーク.タイムスが入手したトランプの財務情報に基づいて報告した内容に言及したことを示唆した。上院の調査報告はハンター.バイデンが不正を犯したことを示す証拠を提供していないため、トランプは大幅に事実を歪曲し、偽善的である印象を深めた。トランプは就任後も4年間彼の財務情報を秘密にし続けていることや、(バイデン親子に対する)ロシアの誤情報を広めているとバイデンに指摘された。彼自身のスキャンダルが報告されている時、トランプがこの課題を持ち出すことは、むしろ、逆効果である印象を与えた。
選挙まで12日が迫った大統領討論会は、支持率に関して、バイデンに追いつく為の最後の機会であったが、トランプはバイデンに指摘された通り、政策がなかった。伝統的および歴史的に、大統領候補者の討論会は、両側の課題の政策ビジョンについて論争するというパターンがあったが、その傾向は近年大幅に変わった。トランプは昨夜の討論会で、バイデンの話しに割り込む代わりに、次の質問を提起し始めたウェルカーを遮り、バイデンの発言に応答する試みで、指をかざし「いいですか?」と、最低限のマナーを示した。それに対し、ウェルカーは30秒間与えたが、次の質問に進まなくてはならないことを何回もトランプに警告しなくてはならず、時間の割り当てに関して、彼女は幾分苦戦する状況があった。バイデンは、大統領の気質は投票用紙に含まれていると述べ、注意深く両氏を比較するよう視聴者に促した。CNNが23日に公開した討論会視聴者に対する即時世論調査で、どちらが良好な討論をしたかとの質問に、ジョー.バイデンであったと答えた率は53%で、トランプ大統領が良かったと述べた回答者は39%であった。