極端な選挙結果転覆の論議

ホワイトハウスから去る日が約一ヶ月に迫った最近、ドナルド.トランプは非常に精神的に不安定であり、苛立っていると報告された。加えて、極端に危険な陰謀説に基づき、選挙結果の転覆を図るための訴訟に挑戦したキャンペーンの人々をホワイトハウスに招き、再度、選挙結果を覆すための論議をしたと報告された。トランプ.キャンペーンはペンシルベニア州の選挙規定について、米国最高裁に請願を求めたと報告されている。彼らはホワイトハウスでマーシャル法と呼ばれる法律を行使し、軍隊による接戦州のみの選挙を再度行うこと、ドミニオン投票システムの投票機械を没収して調査するという、危険で異常な不法の方法を論議した。このマーシャル法に関する専門家の論文は非常に興味深い。

それらの狂気じみた論議は先週金曜日(18日)ホワイトハウスで起きた。この会合には、トランプの弁護士の一人であり、陰謀論説に基づいて、選挙結果を覆すキャンペーンを行っている女性であるシドニー.パウエル、ロシア関連調査で有罪判決を受け、トランプに恩赦を受けた元国家安全保障顧問のマイケル.フリン、これまで50以上の訴訟で地元での裁判官に却下されたトランプの個人弁護士ルディ.ジュリアニ、大統領補佐官のマーク.メドウズ、ホワイトハウスの弁護士パット.チポロンの5人がこの論議を展開した。パウェルは、有罪判決を受けたフリンの弁護士である。フリンはマーシャル法(戒厳令)と呼ばれる法律を行使し、再度選挙を行うべきであるとトランプに数ヶ月前に提案したと報告されていた。トランプはパウェルを顧問委員会の特別捜査官に指名し、ドミニオン投票システムを没収し調査するという考えを浮上させた。最近、右翼系ニュースマックスでのインタビューで、フリンはトランプが軍に選挙の再実行を許可できると示唆し 「彼は、接戦州内で、必要に応じて軍事力を行使することができ、それらを州に配置し、基本的に各州で選挙を再実行することができる」と述べた。戒厳令を宣言し、選挙を再度行うというフリンの考えは、選挙を軍隊に管理させる活動であるため、民主主義国家にはほぼ起きないクーデターの行為である。会合の内容に通じている2人の匿名者によって情報を掴んだワシントン.ポスト(W.P)によると、ホワイトハウス内部の関係者である大統領補佐官のメドウズと弁護士のチポロンはフリンの戒厳令の考えに非常に「激しく」反対したという。私的な会話について匿名で語った当局者は、ホワイトハウス内で「実際に軍隊を配備する努力はなく、その考えは会議ですぐに却下された」と述べた。

法律の専門家は、トランプにはそのような権威はないと述べている。W.Pによると、キャンペーンの上級幹部は、陰謀論者のパウェルがホワイトハウスにいるという事実が「完全に狂気です」と言った。トランプ.キャンペーンの弁護士であるマット.モーガンは19日、従業員に「パウエルに関連する記録を保存するべきだと言った」と述べた。ドミニオン投票システムの会社は、「野蛮で故意に根拠のない虚偽の告発」として、パウエルとトランプ.キャンペーンを告訴すると表明している。国土安全保障(DHS)長官代理のチャド.ウルフと他の国土安全保障当局者は以前、州が検査や調査を求めない限り、パウエルがドミニオン投票システムの機械を調査する「権限はない」とホワイトハウスに伝えた。DHSの副長官代理を務めるケン.クッチネリも先週電話でジュリアニに「機械を取り上げることはできなかった」と語った。当局者は、先週トランプがホワイトハウスで開かれた閣僚会議で、選挙について「根拠のない詐欺の申し立て」を行ったが、「具体的な命令を閣僚に与えなかった」と伝えた。

又、マーシャル法を行使して、再度一部の選挙を軍隊に行わせるという考えについては、米軍のトップ.リーダー達は、選挙に関与することを以前から拒否している。国防長官マーク.エスパーが解雇された後に、代理を努めているクリストファー.ミラーは、18日夜のホワイトハウスでの会議に出席していなかったと米国の高官は語った。又、先週中東を旅行していた統合参謀本部議長のマーク.ミリー陸軍将軍も参加していない。ミリーは11月12日の米国陸軍国立博物館での演説で「私たちは軍隊の中でユニークです。私たちは王や女王、専制君主や独裁者に誓いを立てません。私たちは個人に誓いを立てません。いいえ、私たちは国、部族、または宗教に宣誓しません。私たちは憲法に誓いを立てます」と語った。デューク大学で政軍関係を研究しているジョージW.ブッシュ大統領政権の元メンバーであるピーター.フィーバーは、元国家安全保障顧問のフリンがトランプに何かをするように勧めるのは「非常に苦痛です。明らかに違法であり、明らかに違憲です」と述べた。又、戒厳令を発動するその「根拠がない」とし、それの専門的な軍の倫理はかなり明確です。軍は違法な命令を実行しないように訓練されています」と言った。

一方、トランプの弁護士ルディ.ジュリアニは米国最高裁に請願書を提出したことが20日に報告された。彼はその声明のなかで、「キャンペーンの請願は、郵便投票詐欺に対するペンシルベニア州議会の保護を明らかにした3つの決定を覆そうとしている」と述べた。つまり、請願書は、郵送投票に関係するペンシルベニア州最高裁判所の3件の訴訟を覆そうとしており、ジョー.バイデンの勝利を繰り返し表明したペンシルベニア州議会が、独自の選挙人を選択することを許可するよう最高裁に求めている。つまり、選挙人の任命を無効にし、ペンシルベニア州議会が彼らの後任を選択できるようにすることを含む、すべての適切な救済策を求めていると説明している。最高裁は11日にペンシルベニアを含む4つの接戦州の有権者の意志を投げ捨てるテキサス州司法長官ケン.パクストンの裁判要請を却下したばかりである。米国最高裁が不正投票の根拠のない告発に基づいて、民主的な選挙の結果を破棄する請願を受け入れる見通しは非常にありそうもないと見られている。

マーシャル法の宣言は、歴史的に定義が曖昧であり、完全には理解されていない。ブレナン.センターの専門家ジョセフ.ナンによると、米国の歴史の中で、連邦及び州当局は少なくとも68回マーシャル法を宣言したが、ほとんどの場合、合法的ではない。戒厳令を使用する頻度は連邦政府よりも州の方が遥かに多い。しかし、これまでその概念は十分に理解されていなかった。憲法は戒厳令について言及しておらず、議会制定法も戒厳令を定義していない。米国最高裁はわずか一握りの機会にそれを扱っており、それらの決定における推論は「一貫性がなく曖昧」であるという。連邦議会と州議会がより厳しく、より明確な制限を制定するまで、戒厳令の正確な範囲は未解決のままであり、戒厳令に満たない国内軍の配備を命じる大統領の能力は危険なほど大雑把である。米国の歴史で最初にマーシャル法が宣言されたのは1814年12月である。米英戦争の終わりに向けて、1829年から1837年まで第7代米国大統領であったアンドリュー.ジャクソンは、当時軍隊の将軍であった。彼は遥かに大きなイギリス軍の侵略に対して、ニューオリンズ州を守るために小さな軍隊を率いたのである。しかし、当時ほとんどの人はジャクソンの理論を拒否したが、創設世代の人々は軍事力に深く疑念を抱いていた。戒厳令が最後に宣言されたのは1963年で、メリーランド州の知事ミラード.ターズが、人種的正義の擁護者と人種分離主義者との衝突に対応して、1年以上ケンブリッジ市に戒厳令を課した。ナンは「現在の法律下では、大統領には戒厳令を宣言する権限がないと結論付けられている。議会は戒厳令の大統領宣言を承認することができるかもしれないが、これは決定的ではない。州の役人は戒厳令を宣言する権限を持っているが、宣言下での彼らの行動は米国憲法に従わなければならず、連邦裁判所での審査の対象になる」と述べている。

要するに、州とは異なり、大統領のマーシャル法(戒厳令)の権限には限度があり、一方的に宣言することはできない。トランプが18日に大統領執務室で話し合った戒厳令の宣言は、権力にしがみついている彼と有罪判決を受けたマイケル.フリン、フリンの弁護士で陰謀論者のシドニー.パウェル、現在ニューヨーク南部地区の検察官の調査に置かれているトランプの個人弁護士ルディ.ジュリアニなど、不誠実で狂気的な人々が選挙結果を覆すために、クーデターを意味する論議をした。これは、軽く考えるべきではない。現在、ホワイトハウスの幾人かは、トランプが危険なほど極端にもがいているため、非常に恐れていると報告されている。ナンの論文が指摘している通り、トランプにその権限はない可能性が高い為、最後の試みは、1月6日に、上院及び下院議会のメンバーが合同セッションで、選挙人団が12月14日に投票したその投票数を数える時、選挙結果に異議を唱える共和党議員を増やすことである。この日のステップは ⑴ ジョー.バイデン次期大統領の投票数と1月20日正午まで現役大統領であるトランプに対する選挙人数を数える。⑵ 下院及び上院議会共和党のそれぞれ一人以上のメンバーは、選挙結果に異議を唱える事が可能である。⑶ その異議に基づき、合同セッションでは、特定の州の選挙結果を転覆するかどうかを決める投票を行う。しかし、マコーネルは、全州で選挙人団が投票を行った翌日12月15日、バイデンが次期大統領であるとして、祝辞を述べた。彼が、上院議会のメンバーは、異議を唱える一部の下院共和党に参加しないことを明確にした場合、その投票はあり得ない。投票があった場合でも、下院議会では、民主党が多数派であるため、この投票が成功する可能性はない。ホワイトハウスでの彼の時間は一刻一刻迫っている中で、トランプは、選挙結果を変えることだけに集中している。最近、ロシアが連邦政府と多数の企業をハッキングしたとの報告に何も対応していないばかりか、この報告を「デマ」であると反抗している。これは、ロシアが背後にいると発表した国務長官マイク.ポンペオと23日に辞職する司法長官ウイリアム.バァーらの見解とは完全に異なっている。

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