
米国では変異種が多数発見され、感染症例が再度増加している。今月幾つかの州が、時期尚早のマスク着用規定を解禁した後に、それまで減少していた感染症例は再度増加した。CDCが追跡しているイギリス(B.1.1.7)、南アフリカ(B.1.351)、ブラジル(P.1)を起源とする3タイプのバリエントはほぼ全ての州で発見されている。幸い、米国では、最も危険であると言われている南アフリカ起源の変異種は、イギリスで確認された変異体に比較すると、さほど拡大していない。ハーバード大学の疫学者はイギリスで発見された変異体に関する懸念、及びポップキンス大学の二人の医者は、南アフリカで発見された変異体に対する懸念について語っている。
ニューヨーク.タイムス(NYT)の28 日の報告によると、25日の時点で、国内でB.1.1.7バリエント(変異体)の既知の症例は8,337件であったが、国内の研究所は診断した症例のごく一部しか分析していないため、恐らく実際の数は遥かに多い可能性がある。この変異種は「より伝染性が高く、恐らく、もっと致命的である」事は明白である。米国では「指数関数的に増加しており、その成長は感染の全体的な減少によって隠されて」いる。ハーバード大学の疫学者であるビル.ハナゲは同日のインタビューで、「人々は彼らが行動を起こす前に、問題になるのを待っていました。そして、彼らは遅すぎる時に行動を起こしました」と述べた。ハナゲ博士はB.1.1.7はオリジナルのウイルスよりも、少なくとも50%急速に感染する為、特に心配していると言った。また、ワクチン接種の活発なペースは潮流をいくらか食い止めるが、集団免疫力の上昇は、変異体の伝染性によって相殺される以上のものである可能性があると述べ、「B.1.1.7は本当に怖いです」との懸念を表明した。
加えて、ポップキンス医学に掲載した二人の医者ロバート.ボリンジャーとスチュアート.レイによると、コロナウイルス変異体に関する「主な懸念の1つは、変異が治療と予防に影響を与える可能性があるかどうか」である。南アフリカで特定されたB.1.351として知られるバリエントに関して、研究者は詳しく調査している。その初期のデータは、オックスフォードとアストラゼネカのCovid-19ワクチンがB.1.351に対して防御の提供が「最小限」であったことを示している。アストラゼネカのワクチンの接種後にB.1.351コロナウイルス変異体で病気になった人は、軽度または中等度の病気を経験した。 B.1.351バリエントは、以前のバージョンよりも深刻な病気を引き起こすことは示されていない。しかし、オリジナルのコロナウイルスを生き延びた人々に、軽度または中等度のCovid-19の別の病状を与える可能性があると述べている。
現在、米国で利用されているワクチンはファイザー/BioNTech、モダーナ、ジョンソン&ジョンソンによって開発された3種類である。いずれも、南アフリカで特定されたバリアント(B.1.351)に対してはわずかに効果が低いものの、これらの薬品会社のワクチンはB.1.1.7やB.1.351として知られる変種から、重篤な病気や死亡を防ぐと専門家は述べている。米国では南アフリカの変種は「まだ広範に拡大していない」とタイムスは報告している。国立衛生研究所の感染専門家アンソニー.ファウチ博士は28日、CBSニュースのFace the Nationでのインタビューで「変種が役割を果たしていますが、それは完全に変種ではありません」と述べ、多数の州がマスクの強制使用を停止し、レストランが屋内で営業を開始した事などを「時期尚早」であると述べた。
数値を見れば時期尚早である事は一目瞭然である。同じく、NYTの28 日の更新によると、ワクチン接種を完了した人々は米国総人口のわずか16%であり、少なくとも一回投与した率は28%である。賢明な判断をする場合、少なくとも60%以上のアメリカ人が完全にワクチン接種を終えるまでマスク着用を重視するはずである。驚くことではないが、マスク着用を規定していない州、または時期尚早に解除した州はほぼ全て共和党州である。アラスカ、アリゾナ、フロリダ、ジョージア、アイダホ、ミズーリ、ネブラスカ、オクラホマ、サウス.キャロライナ、サウス.ダコタ、テネシーの11州は、最初からマスク着用を義務化しなかった。しかし、ほぼ多くのビジネスは店内でのマスク着用を要求していたようである。一方、3月初旬に、テキサス州はマスク着用の規定を解除し、全てのビジネスをオープンすると発表した。ミシシッピー、アイオワ、モンタナ、ノース.ダコタの他4州は、州全体でのマスク義務を終えたか、近日中に終了する予定である。これらの共和党州のリーダーはバリエントを軽視している事を示唆している。
CDCはB.1.1.7、B.1.351及びP.1のバリエントを追跡している。同サイトの地図上の記録によると、ほぼ全ての州でこれら3つのバリエントが発見されている。ハナゲ博士が警告したB.1.1.7が拡大しているトップ10州は以下の通りである。
| ランク | 州名 | B.1.1.7 | B.1.351 | P.1 |
| 1 | フロリダ | 1,042 | 10 | 23 |
| 2 | ミシガン | 986 | 2 | 0 |
| 3 | ジョージア | 558 | 20 | 1 |
| 4 | ミネソタ | 526 | 8 | 2 |
| 5 | カリフォルニア | 471 | 4 | 4 |
| 6 | マサチューセッツ | 441 | 9 | 16 |
| 7 | メリーランド | 426 | 32 | 1 |
| 8 | テキサス | 414 | 3 | 3 |
| 9 | コロラド | 403 | 22 | 0 |
| 10 | ニュージャージー | 389 | 1 | 3 |
NYTの更新記録によると、3月27日の世界での新たな感染症例は608,359 (+26%)であり、米国での新たな感染症例は60,034 (+11%)である。これは3月20日の54,631件から増加している。世界での新たな死者数は9,858(+11%)であるが、米国の新たな死者数は777 (ー31%)で、引き続き死者は減少している。これは、科学者が述べている通り、急速なキャペーンによるワクチン接種が増加すればするほど、死者数も減少している事を示唆している。しかし、時期尚早のマスク着用規定の解除は、ワクチン投与の速度が現時点では、急速に拡大するバリエントの感染率に追いついていない事を示唆している。従って、複数の専門家及び医者の懸念を考慮すると、ワクチンを完全に終えた人々の率が人口の過半数を超えるまで、特に混雑する場所に出かける必要がある場合、マスクを着用する事を勧めている専門家のアドバイスに従う必要がある事を示唆している。バイデン大統領は繰り返し、マスクは政治的なものではなく、本人と周りの人々を保護するための人間としての責任と常識であると述べている。