ショーヴィンに対する有罪判決は警察改革の第一歩になるか?

黒人を殺害しても、これまで有罪判決を受けた警察官は極端に少ないため、ジョージ.フロイドを殺害した元市警官のデレク.ショーヴィンに対して有罪を宣告した陪審員の評決が非常に稀であると専門家は述べている。21日の世論調査は圧倒的多数の米国人がショーヴィンの有罪に同意している中で、連邦司法省はミネアポリス警察に対する捜査を開始すると発表した。20日の劇的な歴史的瞬間は何かを変え、警察革命につながる可能性があるだろうか?

ショーヴィンは、黒人の殺害で告訴された後に有罪を受けた少ない警察官の一人である。ワシントン.ポストの調査記録によると、2015年、勤務中の警察官による全ての致命的な銃撃の件数は5,000以上である。ポストの調査では、非武装の黒人男性であるマイケル.ブラウンが2014年にミズーリ州ファーガソンで警察に殺害された後、FBIは致命的な警察の銃撃を半分以上過小評価していることが判明した。警察署の報告は任意であり、多くの警察署が報告しないため、実際にはもっと多い可能性がある。

21日CNNによると、犯罪に関するデータを追跡するグループのリーダーであるボーリング.グリーン州立大学の刑事司法教授フィリップ.スティンソンは「陪審員は、暴力的な街頭での遭遇における警察官の行動を二度推測して判断することに非常に消極的であるため稀です」と 述べた。警察犯罪データベースを利用し、全国のニュース.レポートと裁判所の記録からデータを収集し2005年から追跡しているスティンソンと彼のチームは、少なくとも140人の法執行官が米国での警察官は銃撃に関連した殺人または虐殺の罪で逮捕されたと述べた。その約3分の1は、あらゆる容疑で有罪判決を受けた。彼らの調査は7人(わずか5%)の警官が殺人で有罪判決を受けたことを示した。警察による強制力の使用に関する現在の基準は「強制力が客観的に合理的」であり、特定の状況で必要な強制力の量について、緊張、不確実、急速な状況では、しばしば一瞬の判断を強いられる」という1989年の米国最高裁の判決に関連している。デューク大学の法学部教授であるブランドン.ギャレットは、憲法下にあるこの基準は、憲法を同様に解釈している一部の州議会に影響を与え、多くの個々の警察機関は、その連邦基準を独自のポリシーと訓練プログラムに組み入れている。

そのような現状下で、ショーヴィンが陪審員の有罪評決を受けた翌日、米国司法省はミネアポリスの警察に対する調査を開始した。ジョー.バイデン大統領は、米国の制度的な人種差別に対処することを公約しているため、司法長官メリック.ガーランドは過度の強制力を行使する警察の行動を調査すると決定した。ガーランドは、21日司法省での記者会見で「私が本日発表する調査は、ミネアポリス警察が抗議中を含め、過度の強制力を行使する「パターンまたは慣行」があるかをどうかを評価する事であると述べ、警察活動に関する徹底的な調査を開始したことを示唆した。その調査は、ミネアポリス警察全体が連邦の公民権法に違反したかどうか、および住民の憲法上の権利を侵害する方法で運営されている可能性がないかどうかも含めて、より「広範な調査」である事を示唆している。つまり、憲法違反および非合法な行動がないかを調査するという。

裁判の初期段階で証言台に立ったミネアポリスの警察署長メダリア.アラドンドは、裁判中に、ショーヴィンは警察が認可していない膝での圧力を利用したとし、ジョージ.フロイドの死はショーヴィンの殺人行為が原因であると述べた。アラドンドは21日、ガーランドの声明に反応し「この調査を歓迎」し、連邦検察官に全面的に協力すると述べた。アラドンドは、「この調査の目的は、部門内の欠陥や望ましくない行為を明らかにし、それらを修正するための適切な資源と方向性を提供することであると理解しています」と述べた。 また、ミネアポリス市長のジェイコブ.フレイは「ミネアポリス警察の深い変化と説明責任に向けて、引き続き取り組む機会として調査を歓迎します」と述べた。市議会も調査を支持する声明を発表し、「公安のために市が提供する方法で、変革的および構造的な変化を追求するための新しい手段」を歓迎すると述べた。ミネアポリスの姿勢は、国民の認識に矛盾していない。

USA Today/イプソスの合同世論調査によると、調査の対象になったほとんどのアメリカ人は3週間の裁判中、少なくともある程度の報道に注目した。アメリカ人の71%はショーヴィンが有罪であることに同意し、党派別には、民主党が85%、共和党は55%、無党派は71%で、圧倒的な超党派の国民が有罪に同意した。ショーヴィンが殺人を犯したとするこのアメリカ人の認識は、連邦司法部門が警察に対する規制と改革を促す上で重要である。警察の過剰な力の使用と非合法的な慣行パターンに関して、連邦司法省が都市の警察署を調査する例は、過去にも度々見られるが、今回の反応は最も強い印象をうける。

過去に行われた司法省の警察に対する調査は、2011年にオバマ政権下で、プエルトリコ、ポートランド、ニュージャージー、シアトルを含む全米で大幅な捜査が行われた。2015年にはファーガソンの警察に対して、2016年にはバルチモアで、2017年にはシカゴ警察に対して同様の調査が開始された。警察の改革を求めるBLM(ブラック.ライブズ.マター)運動が開始された2013年以降、警察改革を求める声が高くなっているが、近年警察が黒人を射殺しても有罪を受けるケースはほとんどなかった為、ショーヴィンのケースは非常に稀であり、事実上、BLM運動に多大な希望を与えたようである。二級殺人の刑務は45年、三級殺人は25年、二級過失致死罪は10年と言われている為、少なくとも警察官らに自制するきっかけを与える可能性がある。警察そのものが全面的に変わる努力をしない限り、司法省の徹底した調査と集中的なBLMのプロテストだけでは総体的な警察の改革はこれまでほとんど不可能であった。しかし、ショーヴィンの評決後、少なくとミネアポリス警察は、調査を歓迎し、警察の何らかの変化を求めていることを示唆している。バイデンの司法省はまず、警察の銃撃に対する報告義務を徹底させるべきである。また、議会も超党派的に取り組む必要がある。下院議会は、3月初旬にジョージ.フロイド警察改革法案を可決したが、その後、上院では投票を行っていない。下院議会の民主党は上院にこの法案を通過するよう促している。

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