
アジア系アメリカ人に対する憎悪犯罪と戦うための法案は両院で圧倒的超党派の支持を得て通過した。先月一人の共和党を除く米国上院議会では全員が賛成し通過した。下院でも18日の投票で、大多数の共和党議員らも支持し、久しぶりに超党派の法案が可決した。ジョー.バイデン大統領の署名が期待されている中で、下院議会の少数派リーダーのケビン.マッカーシーは、超党派の提案と推進による、1月6日の反乱を調査する為の委員会設立に反対している。上院少数派のリーダー、ミッチ.マコーネルは冷静に対応する姿勢であり、反対する明白な理由のないマッカーシーとの違いを浮き彫りにしている。
上院議会は4月21日、前大統領ドナルド.トランプと並んで、反乱を支持したと見られているミズリー州の共和党上院議員ジャシュ.ハーレイを除いて、アジア系アメリカ人に対する憎悪犯罪と戦うための法案に94対1で投票し、圧倒的票差で通過した。今日(18日)下院議会では、上院で可決したこの法案に投票し364対62票で通過した。投票後の記者会見で、下院議長のナンシー.ペロシは、この法案の背後にある超党派性の投票数がこの問題への取り組みを進めることの重要性を示唆していると述べた。彼女は「過去1年間、50州のすべてで約3,800件の反アジアおよび太平洋諸島民に対する攻撃が報告されており、企業が損害を被り、高齢者が攻撃され、家族は怯えています」と述べた。また、この人種に対する「偏見の蔓延は大胆で効果的な行動を必要とする私たちの国の良心への挑戦です」 と語った。
アジア系の人々に対する暴力が圧倒的に増加している中で、上院議会では、投票に参加できなかった5人および反対法を投じたハーレイ以外の議員らは、議会が対抗する必要があることを投票で表明した。3月29日、ニューヨークのタイム.スクウェアーの近辺の高級マンションの前で通りすがりの男性は、やせぎみの女性の腹部をいきなり蹴り飛ばし、歩道に倒れた彼女の頭部を三回蹴った様子がビデオで流れた。ビル一階ロビーからそのショッキングな暴力の様子を目撃していた数人の男性らは、犯人が去った後、彼女が立ち上がろうとした時に、ドアを閉め、この女性を援助する様子は全くなかったことがさらに衝撃なニュースとして放映された。この人相の険しい男性は、頑丈な体格の黒人であり、監視カメラが捉えていた為、同日の深夜に逮捕されたことが報告された。この犯人は被害者の頭および顔を蹴りながら、「おまえはここには属さない」と言ったという。この男性は約20年前に母親を殺害したとして有罪判決を受け、仮釈放されていた時に逮捕された。また、電車の中でも、アジア系の男性が攻撃されるなど、ニューヨークでは複数のアジア系の人々に対する暴力事件が報告された。
アジア系の住民が暴力の犠牲になっている様子を実際にビデオで見た場合、普通の議員なら、これは阻止しなくてはならならないと思うのが普通の人間の感情である。しかし、ハーレイは、その法案に反対した。穏健派の共和党で最も良く知られているユタ州の上院議員ミット.ロムニーは、1月6日の反乱後に、ハーレイに直接「貴方はこれを引き起こしました」 と批判したと5月10日に報告された。ハーレイはバイデンの勝利を確認する為のプロセスで、ペンシルベニア州を含む幾つかの接戦州での選挙結果に異議を唱えただけなく、当日、国会議事堂前に集まっていた暴徒に向けて声援の合図を送った時のポーズが撮影されており、彼はそれ以来、暴動を支持していた一人として注目されるようになった。
四ヶ月以上前の議会議事堂での反乱の数日前、警察官増員を含む準備の要請があったにもかかわらず、それは拒否された。更に当日、親トランプ派の暴徒の数が圧倒的に増加するに連れ、彼らの暴力に対抗できなくなった警察は警備隊の援助を求めたが、その派遣は大幅に遅れた。多数の不可解な問題の謎は残ったままである為、下院議長のペロシは、1月6日の事件を調査する9.11スタイルの独立した委員会設立を提案していた。難航の日が続いたものの、独立した委員会の設立は、超党派の議員らによって推進され、その交渉が遂に成立したことが17日に報告された。しかし18日、下院少数派のリーダーであるマッカーシーは「近視眼的」である、「重複」する、「潜在的に逆効果」であると非難し、正当な理由を提起せず反対を表明した。これは、下院議会で明日投票が行われる前日である。しかし、超党派で推進されたものであり、下院国土安全保障委員会の共和党トップ.メンバーはこの措置を承認している。一方、上院少数派のリーダーであるミッチ.マコーネルは、上院がこの委員会の設立を支持するかどうか未定であると述べ、パネル.メンバーの論議を聞く意思があることを明白にした。マコーネルを含む上院共和党が提起している疑問は、委員会が攻撃に参加した人々を特定して起訴する法執行活動に干渉する可能性があるかどうか、調査に関与する人々が超党派的に選択され、偏りのない調査を可能にするよう設定されているかどうかである。
1月6日の反乱のビデオ録画は、暴動が事前に計画され調整されたものであること、議事堂内を移動する時、暴徒の多くは無線を利用して連携があったことなどを示している。事実、数人の議員は、同僚の議員が反乱の前日にツワーを許可した可能性があるとの懸念を表明したことは既に報告されている。ニューヨーク.タイムスは3月24日、国会議事堂が暴動によって包囲された建物の1月6日の襲撃に先立って、議員がツアーを行ったかどうかを警察が調査していると報告した。警察は、議員が訪問者に国会議事堂へのアクセスを不適切に許可したかどうかの調査を開始したと伝えた。しかし、その調査の進行状況は不明である。
投票前の現在、独立した委員会調査を拒否している下院共和党リーダー、ケビン.マッカーシーは、その正当な理由がないため、ジョージ.フロイドが殺害された2020年5月下旬から幾つかの都市で、熾烈な抗議活動を展開したブラック.ライブズ.マター(BLM)も調査するべきであると主張している。彼の「政治的臆病」な態度は、非常に深いレベルに達したとの意見もある。調査委員会が設立された場合、彼も証言者として、召喚される可能性がある為である。彼は、事実1月6日にトランプに連絡を取り、暴動を止めるようトランプに最初に呼びかけた共和党の一人である。マッカーシはトランプが2022年の中間選挙で、下院多数派のリーダーになる彼の野望を援助する唯一力のあるリーダーであると信じているためである。「マッカーシーは、トランプを受け入れることから得られるいかなる政治的利益も、彼の整合性の代償に値すると結論付けた」と見られている。
トランプの弾劾に同意しなかった幾人かの両院の共和党は既に、委員会の設立を支持することを公的に表明しており、下院議会で明日予定されている投票では、少数派リーダーのマッカーシーの反対表明が多大な影響を及ぼす可能性は低いことを示唆している。要するに、まだ残っている疑問のひとつは、議会内に協力者がいた可能性があったかどうかである。計画的であった暴動に、幾人かの議員が加担した事実があった場合、それが判明すると政治生命が失われる可能性があるため、委員会調査は深刻な脅しになる。現在、幾つかの州の共和党の指導層は、トランプを無視して、先に進むことを促している。その一例では、アリゾナ州の郡選挙局の共和党リーダーは、選挙が「盗まれた」との虚偽を「狂気沙汰」と呼び、それを広めるトランプを「不安定」であると言ったことが15日に報告された。