
財務省は5月20日、ジョー.バイデン大統領が米国企業の海外収益に対して提案された21%の税率よりも低い、企業利益に対する世界最小税を少なくとも15%にすることを提案したと報告した。グループ.オブ.セブン(G7)は、バイデン大統領の提案を受け入れる可能性がある。このバイデン大統領の海外収益税案の目的は何か?
6月1日のフォーチュンによると、これはバイデンが今年初めに提案した「米国の多国籍企業の海外活動に対する課税率」であり、ホワイトハウスはその後、15%の範囲なら受け入れると述べていた。来週予定されているG7(米国、英国、日本、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア)で、合意に達する可能性がある。しかし、イギリスは、タックスヘイブンと呼ばれるイギリス領ヴァージン諸島、ケイマン諸島、バミューダ諸島など、同国の海外領土がそのような動きによって「大打撃を受ける」為、米国の提案に対する動機は低い。しかし、これらの領土は「法人税率が0%である」為、「彼らは、あらゆるレベルの合意の下で打撃を受ける」可能性はあるが、税率の「提案が低いほど幅広い国際的支持を得る可能性は高くなる」という。
6 月 11 日から 13 日に開催されるG7サミットで、このバイデン大統領の海外収益税案に合意があれば、数か月後に G20 で検討され、その後、経済協力開発機構 (OECD)による世界的な合意が得られることになる。6月1日のワシントン.ポスト(W.P)によると、バイデンの目的は「他国の多国籍企業の税額控除に下限を設ける」ことで、企業が「何千億ドルもの利益を低税率の場所に移し続ける動機を減少」させ、「自国の法人税率を28%に引き上げる」ことを促進する為である。ウォーリー.アデエモ財務副長官は「基本的に、私たち全員の目標は、多国籍企業が公正な税金を払っていることを確認することです。ギャップを埋めるためにできることは何でも、アメリカの経済とビジネスに恩恵をもたらすでしょう」とインタビューで語った。しかし、低税率国アイルランドは反対しており、中国やロシアは協力しない可能性があり、障害がある。企業は既に30 年以上も工場を海外に移動している為、世界的な最低課税率が「世界の生産と投資」を大きく変える可能性があるかどうかは不明である。
リード .カレッジのキンバリー .クラウシング、フォーダム法律学校のレベッカ .カイザー、ジョージタウン大学のイタイ .グリンバーグなど、税務専門家は「大統領の狙いは、企業の投資決定において税額計算が果たす役割を縮小し、経済効率と所得を向上させることであるが、一部の支持者でさえ、当面の利益は控えめであると警告している」と述べた。アーバン研究所のスティーブン.ローゼンタールは「タックスヘイブン、特に無形資産(著作権、特許、商標権を含む知的資産および技術や能力などの人的資産)の利用を縮小することで、ある程度の収入が得られるでしょう。また、多国籍企業が米国内の新興企業を見つけるというメリットも得られます。しかし、企業がアメリカから海外に工場を移すことや海外での仕事が終わるとは思えません。現在行われている限り、それは技術や賃金などの他の要因によるものです。それは税法のために行われていません」と語った。
W.Pによると現在のところ、G-7 や G-20 など、いくつかの世界的な機関が関与しており、交渉関係者は、グローバルな最低課税とデジタル企業に課税するという両方の目標に同時に取り組んでいる。今週金曜日に財務大臣の会合を行い、6月に首脳会談を開催する英国は、デジタル税と最低税の問題を単一の交渉で解決すると主張している。一方、EUの合意を確保する為には、27カ国の全会一致が必要である。更に、米国が国内税法を書き換えるための準備を整える中で、国際的な会談が行われている。アーンスト.アンド.ヤング米国国税部門のリーダーであるマイケル.ムンダカはこれら全てが動いている中で、予想されている G-7 の承認は「世界的な合意の可能性があるという点では朗報ですが、まだ非常に早い段階です」と述べた。最終的に、今後数十年で「最も重要な世界的な税の変化をもたらす可能性」があるという。
バイデン大統領の提案は、前大統領が中国に対して一方的な関税を素早く課した政策からの脱却を示唆し、時間がかかるバイデンの多国間戦略は大きな変化があることを示唆している。最近、内国歳入サービス( IRS)は大企業が租税回避していると報告したが、そのような活動は富豪層の特権のようになっている。過去に複数の大統領は、租税回避をする企業に対して挑戦した為、バイデンが最初の大統領ではないが、ほとんど成功していない。最新の例では、2015年2月にバラク.オバマ大統領が海外で保有する利益に企業が税金を払っていない抜け穴を変革するため、海外での利益に対する課税を提案したが、共和党からの強い抵抗に直面した。オバマと同様に、バイデンの究極の目的は、大企業が長年タックスヘイブンの国に利益を隠すことを可能にしている抜け穴を塞ぎ、平等な税金を支払ってもらうことで、所得の不平等に対する改革を行うとしていることを示唆している。オバマの税制提案はその当時、多くの企業が米国に送還されていない有効な収入に対する課税を延期するという抜け穴を通して、それらの収益に対して課税されていた税金を回避していた。オバマは、広範な税制改革として、中産階級のアメリカ人の所得を支援することを目指していた。従って、民主党大統領は、公平な税の支払いという側面で、同様の目的を維持していることを示唆している。これは、共和党が民主党の政府運営に抵抗を示している理由の一つである。