国会議事堂への暴動に対する議会調査報告は何を示唆?

Opinion: Comparing Capitol Hill with Arab unrest is insulting | Opinion |  DW | 08.01.2021

By  DW

上院議会委員会は8日、1月6日の国会議事堂での暴動の調査結果を報告した。その報告の要点は、トランプ政権下のトップ連邦情報機関が、1月6日の暴動の前に、議事堂を襲撃する計画について事前に法執行当局に警告しなかったため、致命的な攻撃に発展する結果となった莫大な失敗があったことを示唆した。事前に判明していた暴徒の「戦争」への対応の落ち度が5人を死亡させた致命的な結果になったことを示唆している。この報告書の概要は、幾つかの重要な側面が漏れている印象を与えている。

ニューヨーク.タイムスが8日に伝えた報告書の概要について、以下のように分類した。

報告書の要点と結論

今日公開された127ページの新たな合同報告書は、上院議会2 つの委員会の調査が、3 か月以上にわたる公聴会、インタビュー、数千ページの文書の検討を通して、複数のレベルでの準備と対応が悲惨であったことを発見したことを示しており、「最も包括的で詳細」な内容である。情報を収集した上院議会委員会の超党派チームは、アメリカの民主主義に対する「前例のない攻撃」であり、200年以上、米国が経験したことのない「最も重大な国会議事堂への攻撃である」と結論付けた。調査の報告書は1 月 6 日の出来事を「反乱」とは表現していない。共和党議員の多くは、攻撃の直後に民主党と同様にこの用語を受け入れた。起草に関与した補佐官は、暴動が発生する直前にトランプの虚偽の主張を要約し、文脈を説明することを控えたと述べた。 彼らはその代わりに、トランプのスピーチ全文を付録に含めることを選択した。加えて、 報告書はトランプが暴動の前に「選挙が彼から盗まれたと主張し続け」、ワシントンでの「盗みを止める」集会を促進したと率直に述べているが、トランプの行動や動機については表明していない。しかし、委員会のメンバーは、国会議事堂の警察官から、暴徒の生の声を描写するため、50 人以上の声明を採用した。例えば、ある警察官は、暴徒に押しつぶされたと説明し、別の女性警察官は、彼女がまだその日経験した化学物質による火傷に苦しんでいると委員会に語った内容が含まれている。報告書をまとめた委員会は12 件以上の情報部の失敗に関する詳細な説明を提供している。

事前に判明していた暴動への対応に失敗

 トランプ支持者の過激派グループによって、計画された暴動はトンネル.システムへの侵入や銃の持ち込みなどが含まれており、暴動前にFBIは1 月 5 日に、議事堂での「戦争」のためにワシントンに旅行する人々について警告をしていたが、暴力の脅威があったことを法執行機関のトップ層にその情報を伝えなかった。「1月6日以前に、連邦議会議事堂警察の指導者たちは、議会と議事堂の敷地が、暴力を助長するものを含む様々なグループを引き付ける大規模なデモの焦点になることを知っていた」と声明は述べた。「しかし、米国国会議事堂警察(U.S.C.P)も、FBI、米国シークレット.サービス、メトロ警察、その他の法執行機関も、何千人もの暴徒が米国議会議事堂への攻撃を計画していることを知りませんでした。 既知の情報は単にその(知らなかったとする)結論を支持しませんでした」と報告されている。執行官は暴力の脅威を真剣に受け止めておらず、議事堂の「機能不全」の警察は、それらの「脅威が現実化した時、効果的に対応する能力に欠けていた」状況であった。

暴徒によるオンラインでの武器持参の呼びかけ

国会議事堂警察は1 月 6 日の暴動について、12 月中旬という早い時期に独自の諜報機関が収集した情報を広く配布することに失敗した。その報告は、右翼過激派グループとドナルド.J.トランプ大統領の支持者がオンラインや極右のチャット.グループに、武器を持って国会議事堂に集まり、彼の選挙での敗北を覆すよう議員に圧力をかけることについて投稿していたと報告した。その投稿のひとつは、「彼らが現れなければ、私たちは第三大陸会議として国会議事堂に入り、トランプの選挙人を認証します」と書かれている。別の投稿者は「銃を持って来なさい。今かまたは行わないかのどちらかです」と言った。

上院委員会パネルが発見した他の要点

U.S.C.Pは、プラウド.ボーイズやオース.キーパーズのメンバーを含む暴力的過激主義者がそのような行動を計画していると、数週間前に十分に警告していたことを知った。例えば、国会議事堂警察の諜報アナリストは、12 月 21 日の脅威報告書に、トランプ支持組織のブログ the donald.win に投稿されたメッセージには国会議事堂の地図が含まれていた。更に、暴動に対応するために十分な訓練を受けていたのはわずか一部であり、装備も不十分であったことなど、市民の騒乱を扱う特別な国会議事堂警察の「深刻な問題」を明らかにしている。1 月 6 日、警察官は交代制の開始時に保護具を着用し、グレネード.ランチャーやスティング.ボール.グレネードなどの最も強力な非殺傷兵器を使用して、群衆を押し返すための体制を取ることが認可されていなかったことを明白にしている。つまり、U.S.C.Pは国会議事堂と彼ら自身を守る為の保護用具を保持していなかっただけでなく、その保持は許可されなかった。

二つの委員会の委員長の声明

ミシガン州の米国上院民主党議員で国土安全保障および政府問題委員会の議長を務めるゲイリー.ピーターズは「その日、暴力の脅威を適切に評価できなかったことが、議会議事堂の侵入に大きく貢献する結果になりました。率直に言って、この攻撃は、明白に計画されていました」と述べた。規則管理委員会の議長を務めるミネソタ州の上院民主党議員エイミー.クロバッシャーは「失敗は明らかです。私にとって、すべてのことは、その日ラジオで聞いた悲劇的に単純な質問をした一人の警官によって要約されました。誰かが何らかの計画を保持していましたか? 残念なことに、誰も計画を立てていませんでした」とし、暴動に対する準備を誰もしていなかった事を明白にした。

委員会は調査を通して、判明した問題点に対処する為、20 の改善を推奨した。それらは、国会議事堂警察の「訓練と装備を強化」し、「情報共有を改善」するためるため、単一の情報局を設置し、800 人以上の国会議事堂警察官の雇用を奨励することである。しかし、民主党と共和党の全国委員会の本部の外に置かれたパイプ爆弾の犯人は誰か? 法執行機関の体制は右翼過激主義と闘うのに十分か? など、犯罪者から戦略に至るまで、多くの疑問は未解決のままである。要するに、議事堂警察が事前に十分な情報、準備、訓練を与えられず、非常に不利な立場に置かれていたとの報告は、個々の警察官より、議事堂警察のシステム自体に問題があることを示唆している。また、FBIの1 月 5 日の事前の警告があったにも関わらず、トランプ下のペンタゴンも、何の行動も取らなかったこと、およびその理由が明白にされていないことを示唆している。更に重要な事は、1月6日の暴動直前に集会を開催し、その数ヶ月前から数回、ソーシャル.メディアにその集会参加を呼びかけた当時の大統領トランプの関与に関する分析や調査報告は提供されていない為、非常に不透明で混乱する側面があることを示唆している。これは、民主党が独立した委員会の必要性を訴えた理由を更に明白にしている。

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